【東京都知事選挙】やはり異彩を放つ石丸伸二氏 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

アニメスタイルより

平松禎史 PRIVATE ILLUSTRATION が刊行されました。

下記の「SketchBook」からオリジナルの楽描きに的を絞った再編集版です。

A5版で手に取りやすい。

こうしてWebで表示すると角が丸くなるよう白抜きにした効果がよくわかります。おしゃれ。

 

 

 

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東京都知事選挙の告示日を迎えました。

立候補者は過去最多の56人に達した。前回は22人で、前々回までは20人を上回ることはなかったので、なにか異様な事態が起きていると思わせます。

 

 

 

立候補には300万円の供託金が必要で、選挙運動にはスタッフへの報酬、ポスターやビラの制作費、ボランティアを募るにしても費用がかかります。

毎日新聞の報道から考えられるのは、書籍やインターネットでの収入増をねらって名前を売るために出馬した人もいることが考えられます。

初見候補の何人かを検索してみましたが、実業家っぽい人が混じっている。そのXなりYoutubeなりを見ただけで支持不支持に関係なくその人にお金を発生させるわけで、宣伝効果にもなるんですからね。1ポイントが少額だとしても万人超で見られれば旨味があるのかも知れません。

なかには、この東京を良くしたいと本気で考えて立候補している人もいるんでしょうが、個人的な行動だけで動かせるほど政治は甘くないんですよね。

 

小池vs蓮舫に興味のない票が分散しますので、過去最多の立候補者は小池百合子氏を有利にすることでしょう。

「小池は嫌だ」と考えるなら、流れを変えられる候補者を厳しく選定しなければいけません。

小池氏に代わる都政を担うべきはどんな人なのか。

正直言って、56人の主張をつぶさに検討する時間も気力もございませんので、絞らざるを得ません。

 

というわけで、従前より注目していた石丸伸二氏について、発表された公約や共同記者会見、インタビューなどから考えてみましょう。

 

 

先に言わせてもらえば、記事タイトルの通り「異彩を放つのは石丸伸二氏」である、ということ。どんなふうに異彩を放っているのか書いていきましょう。

 

石丸氏が公約発表会見で提示したのはこれです。

 

『東京を動かそう』

  1. 政治再建…都政の見える化・わかる化。ICTを利用した民意の集約。政策の合理化・適正化。
  2. 都市開発…災害リスクへの対応。二つのエコ(経済と環境)の両立。多摩格差是正。
  3. 産業創出…教育の深化・進化。外需の取り込み。46道府県との協調・協働。

それぞれの詳細は、後述のインタビューで詳しく説明されています。

 

 

 

なお現時点で、石丸、小池、田母神、蓮舫の4氏を対象にした共同会見が開かれています。

 

 

4人を均等に扱うので、政策の説明も不十分であまり参考になりませんでしたが、ごく大雑把にまとめればこんな感じでした。

 

小池氏は、実績の(過剰?)宣伝、質問にまっすぐ答えない姿勢が見られた。

蓮舫氏は、「対小池」や国政での政党対立が優位に立っており都政をどうするかの視点がやや弱いと感じた。

田母神氏は、かつて三橋氏などから経済レクチャーを受けているので基本的なところは問題ないのだが、都政からかけ離れていたり、陰謀論を口走ってしまうとこなど思想面が相変わらず危うい。

石丸氏については、「経世済民」を重ねて表明しており、「政治屋の一掃」という掛け声も彼らしい面を見せていた。

 

前回も書きましたが、経世済民(世を治め、民を救う)を公約とともに表明した人物が石丸氏の他にどれだけいただろうか。この点ですでに異彩です。

 

個別案件をひとつあげましょう。原子力発電の活用について。

端的にYes or Noで答えてほしいとの質問に4人はこう答えた。

 

田母神氏は、Yes. これは予想通り。あとで加えて、日本を衰退させるために原発を忌避させるよう仕向けられていると述べた。これは陰謀論ですな。

蓮舫氏は、YesかNoかでは答えられないとして再生可能エネルギーを徹底活用と回答。

小池氏は、水素の活用など長々述べたが質問にははっきり答えなかった。

石丸氏は、Yes。私は日本の科学者技術者を信じます。と回答。これは意外だった。

 

もうひとつ。

石丸氏は、都庁プロジェクションマッピングは即時中止と述べた。なぜなら、終われば何も残らないからである。後世に残るものに投資した方が良い、と。

 

 

そういえば

蓮舫氏が勝てば、国政での政権交代に弾みがつくという意見を目にした。

だから何? ですわ。

どこと交代するの? 立憲民主でしょ。自民党と同じじゃないですか。

 

閑話休題

 

石丸氏が掲げた公約のひとつひとつは以下のインタビューで詳しく述べているので見てみましょう。

 

「災害リスクへの対応」は「東京一極集中の解消」とも一致します。

石丸氏は、明暦の大火を引き合いに出しつつ23区への集中を西部へ分散することで対処する考えを示し、多摩地区へ投資をおこなう必要があると述べている。

ネット上では、都の人や財政を他県へ移すのかと曲解する人がいるが、そんなことは言っていません。むしろ、できないと否定しています。

 

都内のあちこちで同じような開発をおこなうと、どこも同じような街になって共倒れになる。これは「合成の誤謬」であると指摘した。「市場原理に任せるとけっこう失敗する。だから行政の力が必要である」とも。

まともですね。なぜそう言えるか。これまでの失敗を認識している。これができない政治家や学者が多すぎることを考えると、まともだと思います。

新自由主義的な人かと思っていたが、経済学もツールのひとつという認識を持っているとしたら、かなりまともな人だと考えられます。

 

ネット上には緊縮派なんじゃないかという憶測もあるが、そうとは言えない。

もちろん、東京都には通貨発行権がないので国家財政と同じではありません。しかし、これまでおろそかにされてきたところ、もっと伸ばせるところには積極投資していく姿勢が見えます。

 

 

このインタビューで異議ありだったのは、「外国人の特区もあり」と答えたところかな。インタビュアーの提案に乗っているのでどこまで本意かはわからないが、100%賛同にはなりません。しかし、有力候補の中では支持できる点が最も多い人ではないかと心が動きつつあります。

 

 

石丸氏の考え方は、全体として経済重視。目的は東京都のバランスの取れた発展、というところかなと思います。そのためには、これまでの不合理で偏った運営を正していく。

経世済民、マクロ経済、市場原理主義への懐疑、目的に見合った改革と投資・・・こういう事を言う政治家はいそうでいなかった。最も異彩を放つのが石丸伸二なのではないか。


 

石丸氏が公約のタイトルにした「東京を動かそう」。東京を動かすことで日本が動く。

ボクが1週間前の記事で書いた意識と同じです。経済を観察しはじめた約10年前からの考えを東京視点で総合すると、そうなります。


石丸氏の問題意識は、彼が安芸高田市長を辞める前から注目していた。自治体は国政の縮図です。市民や都民の問題点は国民全体の問題点なのです。そのようなマクロで見る視点が石丸氏に注目した大きな理由です。

 

ネット上の石丸評は先月までは大まかに3つに分かれていました。

熱烈な支持者と根拠不明な反発と「誰それ」の3つだった。

圧倒的に多いのは「誰それ」です。その多くはすべての候補に対しても似たりよったりで、選挙に行かない人たちでしょう。

この人たちを動かせば東京を動かすことができるのではないか。

……と、国政選挙でもずっと同じことを言ってきて動いてないんですけどね。

「何もしなければ確実なゼロだ」

しかし、石丸氏を流れを変える存在にまで大きくしていけば、可能性はゼロじゃありません。

 

 

 

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