エンターテイメントとコロナ危機・令和の政策ピボット | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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10月2日より放送開始。

 TVアニメ『呪術廻戦』にキャラクターデザインなどで参加しております。

第1弾PV  演出を担当いたしました。

お楽しみに!

 

 

                                                     

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  正しい経済観……つまり生活全般含めた生産・投資・消費活動が活発におこなわれて豊かになっていく……を基準にすれば、日本はすでに20年以上、デフレ不況という非常事態にあります。

 気が付かないレベルでじわじわと貧しくなっていくのが長期デフレ状況の恐ろしいところだ。

 

 経済の基礎を学んで約10年、デフレを脱却するには、政府は緊縮財政をやめ、緊縮を前提にした改革・グローバリズム思考を転換し、長期的な財政拡大を前提に政策をおこなうことが不可欠である、と考えてきました。

 「令和の政策ピボット」の基本提言です。

 ですから、デフレ路線上に起こった「コロナ禍」においても、大前提は同じなのです。ミクロな方法論よりも、長期的な財政拡大が大前提になければならない。

 特に、そこそこな感染者数ですら、経済被害が出てしまう慢性的な状況では、感染対策を云々するその大前提として、財政支援の増強&継続が不可欠なのです。

 

 感染者数の増減や感染対策の強弱にかかわらず、経済を回さなくとも生活や企業が生きつづけるために「継続される給付と補償」が必要なのです。

 

 デフレ脱却に財政拡大が不可欠であるように

 マクロ的にはこれが基本だと考えます。

 

 

 しかし、ボクが属しているエンターテイメント業界は対応が難しい。

 アニメはテレビやネットで楽しめますが、イベントやグッズの売上がないと、アニメ作品に出資する企業が撤退または倒産してしまいます。長期デフレで国内の出資企業はほとんど撤退してしまった。さらに、外出しづらいコロナ状況はアニメ業界にとっても大変な痛手です。

 映画や演劇、様々な音楽分野は一層深刻でしょう。人が来てくれないと成り立たない。ネットでも楽しめる努力している人や団体がありますが、それで平年の収益を得られるわけではない。規模を縮小すれば、アーティストだけでなくステージを作るスタッフまでも活躍の場を失う。コロナ禍が長引けば、どんどん倒産廃業が進んでしまう。

 コロナ禍が長引けば長引くほど、人と場が失われ、文化は衰弱して取り返しがつかなくなる。

 

 人出が減ると成り立たないのががエンタメ分野の難しいところです。

 最も必要なのが直接の給付と補償なのは間違いないが、活動を休止することに不安がある。休止期間が長くなるほどお客に忘れられてしまう危機感がつのる。舞台に乗れない期間が長期化すれば技術が衰えてしまう焦燥感に襲われるのだと思う。給付や補償だけでは救われない不安感を拭えない。

 ですからボクも、自分の仕事やエンタメ分野だけで考えれば「経済を回せ」と言いたくなるのです。しかし、くり返し書いてきたように、「経済」を回せば感染者数が増え、行政を待たずに自主的な自粛で経済活動が止まってしまうスパイラルが現実に存在する。「経済」を回した結果、様々なコロナ被害が長期化しているのが現実だ。コロナ禍の長期化はエンタメ分野にとって致命的です。

 だから、コロナ禍を早く収束状態に持っていき、休止期間を短くするために、継続的な給付と補償を求めるマクロ的な視点に集中しているわけです。

 

 中長期的に考えて、最優先に財政支援の増強&継続を求めることが最善だと考えます。

 

 エンタメ分野の人は政府や政治家に助けられるのを嫌うかもしれないが、自然災害のときと同じで、政府がお金を出していなければお客様が死ぬのです。

 

 感染者が増えるたびに怯えて、「過剰自粛はやめろ!」「経済を回せ!」とやればやるほど、泳がねば死ぬサメのような我々エンタメ分野や飲食店などは潰れていくだろう。すでにそうなっている。「経済を回せ」優先論は、財政破綻派や自己責任論者が言う増税や改革と変わらないのです。やってもやっても改善しない点で同じです。

 その考え方では「生」を主体にした文化は滅んでいきます。

 

 コロナ禍を脱却するには、政府は緊縮財政をやめ、緊縮を前提にした「経済を回せ」思考を転換し、長期的な財政拡大を前提に給付と補償を継続的におこなうことが不可欠である。

 

 冒頭のデフレ対策の語句を一部入れ替えただけ。

 「令和の政策ピボット」の基本提言と共通です。

 非常事態の悪化で、直接給付を優先しているだけで基本は同じだ。コロナ禍を脱したら平常時の経済循環重視に再転換すれば良い。

 

 日本に「財政問題」はない。日本円で発行する国債で財政破綻はあり得ず、税金で返す必要もない。そもそも、税は財源ではない。政府が財政拡大すれば景気回復できる。

 考え方の基本は(ボクの場合)7年以上前から変わらない。変える必要がないから。

 

 

 

 先のことを考えるなら、これまでやってきた失敗を「失敗だと受け止める」ことからはじめるべきなのだ。でなければ改善できません。気がつくのに早い遅いはありません。特にエンタメ分野では、気がつく感性が必要だから。

 

 非常事態です。

 財政支援の増強&継続で、人と場を守ることを最優先しよう。

 

 

 

 

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