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今日は昼前からカレーを作りながらブログを書いてました。
枝豆とかぼちゃをたっぷり入れた夏っぽい辛口カレー。なかなかおいしくできました。
さて
8月3日、第三次安倍内閣が三度目の内閣改造を行い新しい閣僚が揃いました。
メディアの注目を集めたのは
外務大臣:河野太郎
総務大臣:野田聖子
の二人。
河野外相の場合は、父がいわゆる「河野談話」を行った人物で、韓国に対してどんな対応をするのか右派・保守層の怪訝な反応がありました。
また、小さな政府論者であり、原発反対派としても有名だ。
野田総務相の場合は、かつて郵政民営化に反対して離党したが、安倍内閣になって「郵政民営化法案に賛成する」踏み絵を踏んで(賛成して)自民党に復党。
2015年には安倍晋三氏と総裁選を戦う意向を示したこともある。
メディアは「反安倍派」の入閣と報じていた。
…と、特徴を書いてみたものの、現今の経済状況を改善できる考えの持ち主かというと大いに疑問がある。
河野氏は小さな政府論者なので小泉〜安倍路線を踏襲するでしょう。
野田氏は郵政改革の時は竹中平蔵氏に反対していたようで一目おけるが、「踏み絵」を踏んでしまったのは大きな失点で、期待は薄い。
女体盛りがどうとかいうニュースもあったけど、どうでも良いです。
マスメディアはいい加減に中身を検証して報道したらいかがでしょう。
その能力があれば、ですが・・・。
新・デフレ継続内閣の誕生
新しく閣僚に就任した人物を概観すると、メディアが指摘しない明確な特徴があります。
プライマリーバランス黒字化目標の堅持。
緊縮財政の継続。
構造改革・規制緩和。
グローバル化。
すべてに賛意を持つ政治家がそろっている。
林文科相、中川環境相、茂木経済再生担当相、加藤厚労相、齋藤農水相・・・
みなさん、財政規律を守る緊縮派で、構造改革・規制緩和に賛成で、消費税増税10%に賛成しそうな人達が揃っております。
見事なまでのデフレ継続内閣。
おかしいですね。
安倍総理はデフレからの完全脱却を目指しているはずです。
しかし、2013年中頃からデフレを継続する政策をやり続けている。
その結果、国民の所得は上がらず、実質消費がうるう年効果を除くと21ヶ月連続で減少してしまった。
2014年以降の1月で見た消費は現在までで年34万円も減っているのだ。
それだけ、国民はお金を使えなくなっている。貧困化だ。
*追記
6月の実質消費を調べるとわずかに上がっていました。
総務省統計局 http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/
しかしながら、これまで21ヶ月連続減少した分を取り戻すには同じだけ上昇しなければいけません。
需要を創出する消費刺激策が必要です。
雇用の改善は喜ぶべきですが経済政策のおかげではありません。
人口の多い高齢者が引退し、少ない若年層に入れ替わって(生産年齢人口比率の低下で)人手不足が生じて企業が雇用を増やしている。いわば自然現象です。
政治は結果が全て。
いくら表向きデフレ脱却を言おうが、結果はデフレ継続〜悪化なのだから、失政なのだ。
にも関わらず
新内閣の布陣もこれまでのデフレ継続策を強化するような人選。
財政拡大派は一人もいませんから、正常な状況判断ができていないのは明らかだ。
こうした行動からして
デフレ脱却はクチだけで、実際はデフレを継続したいのだ、と考えざるを得ません。
そんなことをして誰が得をするのでしょう。
そう。
一部のビジネスマン、内外のグローバル企業です。
非民主的なデフレ依存・ビジネス政治の継続
「小さな政府論」は公共部門を民営化し、民間の競争原理に任せる政策で、政治家の権限を小さくします。
良くも悪くも権力を欲する政治家が自己否定のような小さな政府を進める理由はなんでしょう。
ヒントは、安倍首相が繰り返し主張する「岩盤規制の打破」だ。
「岩盤規制」とは古くからある利権構造を指すと説明されます。
安倍政権の諸政策は、古い利権構造を破壊し、新しい利権構造を構築することなのだ。
そのためには、旧来の政治と密着した構造を改革しなければいけないので、小さな政府策を活用し切り離す。
そして、「民間議員」と言われるビジネスマンたちを安倍総理が選んで政府直轄とし、「総理・内閣主導」のもと、新しい利権構造の構築をせっせと行っているわけだ。
国家戦略特区がその最も顕著な例です。
つまり、一見経済構造を政治から切り離したように見せかけて、「総理・内閣主導」という強力な政治力を水面下で強化し、一部ビジネスマンに都合の良い政策を民主的な手続きを踏まずにハイスピードで行うのが「安倍政治」の基本構成というわけだ。
旧来の利権構造は違法行為や不公正な偏りがあればその政治家を選挙で落とすことができます。
しかし
安倍総理が選んだ竹中平蔵氏ら政府に癒着したビジネスマンの利己的活動は法律で合法になっており、民主的に落とすことはできないのだ。
国家戦略特区など構造改革・規制緩和の枠組みの異常さがわかっていただけるでしょう。
国民がじわじわと貧困化して不満が募り、加計学園問題や稲田防衛相の不始末で先月のように支持率が急下落しても痛くも痒くもない。
内閣改造を行えば「嫌な大臣がいなくなった」と支持率が9ポイントも上昇する。
ちょろいもんです。
一度壊した構造は簡単にはもとに戻りません。
安倍総理の言う「岩盤規制」とは、実質は古くから日本人が培ってきた防衛策、生活安全保障だ。
グローバルビジネスにとって都合の悪い日本の文化を破壊するのが「安倍政治」なのです。
本来なら、右派・保守層は安倍退陣を迫らなければ整合性が取れませんが、見せかけの「真性保守政治家」にいまだに騙されている。
結果を見れば明らかなのに現実を見ようとしないのですから、「日本を取り戻すには時間がかかるのだ!安倍の他に誰がいる!」といつまでも依存することになる。
残念ながらこうした愚かとも言える自縄自縛に陥っているのは政治家や保守層だけに留まりません。
社会全体が現実から目をそらしデフレに依存する心理に陥っています。
デフレに陥った原因。
バブル崩壊で借金地獄に陥った企業や個人が借金を返すの必死になり、コストカットを続けた。
この状況で橋本政権が緊縮政策をとって公共事業などを削減、構造改革の推進、消費税増税を行ってデフレに転落した。
これ以降、日本のGDPは減少し、国民の所得が減り続け、自殺者が年一万人急増した。
社会全体が「借金は悪」「節約は善」と強く思い込むに至り、デフレは来年で20年目を迎えます。
経済史上最長最悪ではないかと三橋貴明氏は述べていた。
安倍総理の在任期間は小泉総理を抜いて戦後第三位だ。
安倍政権は、経済史上最も長期間デフレ不況を継続させ国民を貧困化させている最悪の政権と言えます。
こんな総理の内閣が改造後4割の支持を得る異常事態。
デフレへの経路依存性
頭ではわかっていても気持ちが付いてこない、なんてことがありますよね。
どんなに悪い状況でも、長く続くと慣れてしまいそのうち普通になってしまいます。
誰かから「それは悪い状況だから改善しよう」と言われてもわからなくなる。
さらに進むと悪い状況に依存しはじめます。
薄々悪い状況だと気がついたとしても、悪い状況から抜け出そうとする努力が目的化し、抜け出そうとする自分をいつまでも正当化するために自ら悪い状況を作り出して依存するスパイラルに陥る。
日本の政治状況、社会心理が陥っているデフレスパイラル、経路依存性はこの域に達していると思う。
だから、論理的かつ理性的にデフレ脱却策を訴えても、デフレ時代の努力を否定するような好景気を恐れ、まっとうなデフレ脱却策に反発してしまうのだ。
政権はすでに、デフレが継続するほど都合が良い政治構造を作り出している。
構造的に、デフレ脱却はほぼ不可能です。
このユガミきった政治構造を改めないとデフレは脱却できません。
つまり、国民の生活は豊かになりません。
まっとうなデフレ脱却策
自民党の西田昌司議員や安藤裕氏ら2回生議員が提出したまっとうなデフレ脱却策を安倍総理がどう扱うかに日本の将来はかかっています。
プライマリーバランス黒字化目標の撤廃。
消費税増税の凍結および減税。
政府が負債を拡大して国民への投資を増やす、継続的な財政拡大。
デフレを想定していない経済学を採用した結果(デフレ継続・貧困化)を直視する。
歴史に学び、デフレ状況において正しい政策を主張する。
このアタリマエを継続するしか状況を改善する手立てはありません。
デフレ脱却を言い続けるためにデフレに依存して自ら状況を悪くする経路依存性を自覚する。
経済における「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」はもう終わらせましょう。