『ユーリ!!! on ICE』が10月5日26時21分、テレビ朝日にてスタートしました。
BSや関西、九州など地方によっては数日のズレがございます。
TVシリーズのメインスタッフで制作現場にいる自分というのが、なんだか不慣れな感じがしていて、どうしてだろうと思い返してみると、なんと…
2002年の『アベノ橋魔法☆商店街』以来なのです。
14年ぶり!?…
『グレンラガン』は助っ人原画マン。
『寄生獣 セイの格率』はキャラクターデザインと第一話の作画監督の後は、全話で10カット分のレイアウトを担当していましたが、現場にはあまり入っておりませんでした。
しかも
今回は、アニメ人生初の「総作画監督」です。
話せば長くなりますが、ボクは作画監督には向かない人間だとずっと思っていました。
今もそう思ってます。
アニメーターとしては、実写で言う役者さんのように動きや表情を重視したいタイプで、顔の造作はあまり気にしないほうなんです。
なので原画マンとして参加するほうが好きです。
最初のキャラデザ作品『彼氏彼女の事情』も総作画監督の仕事は(最初の数本以外)していませんでした。クレジットもされていないと思います。
実は『アベノ橋』のときに総作画監督のお話があったんですが、お断りしています。
小倉陳利さんや清水洋さんや今石洋之君など個性派アニメーターのカラーを出すことを最初からから想定したシリーズ構成だったので、シリーズ通してキャラクターを統一する意味での総作画監督は不要だと考えたのです。
『アベノ橋』のアニメーション制作はガイナックスとマッドハウスさんでした。
そのお話をした相手は(当時)社長の丸山さんだったのです。
そして、その後、丸山さんが新しく造ったMAPPAで人生初の総作画監督を担当することになった。
えらく時間のかかった因縁話みたいです(笑)
ついでに(?)言うと『アベノ橋』では『ユーリ!!!』の山本沙代監督が絵コンテを描いていて、ガイナックスのみんなで「誰だこれ!?」と話題でした。
というわけで、これまでの一球入魂…アストロ球団式のやり方ではダメ。
シリーズ全体のクオリティを考えないといけない。
いやはや、これは大変な仕事ですヨ。
なにはともあれ、53歳にもなって初めての体験をさせてくれるアニメに感謝です。