114:祇園山〜揺岳 (大石の内「妙見神社」から) | 山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

九州(主に熊本)の山登りやってますw
よかったら読んでやってください(o^^o)

春が来た。

春はアケボノ…アケボノツツジ…

そんな季節に誘われて…

 

〜祇園山〜

宮崎県五ヶ瀬町にある祇園山(1,307m)は、現在の九州が地殻変動により海から顔を出し陸地になる過程で、最初に顔を出した九州島発祥の地と言われ、4億3千万年前の化石が出土した山である。

春の時期には、満開のアケボノツツジなどの花を楽しむことができる。

 

この祇園山のお向かいさんに「揺岳」という同じくらいの標高を持った山があり、通常セットで登るのがセオリーらしい。

今回はこのふたつの山に登ろうと思うのだが、距離が短くて物足りなさそう…。

あまり楽な山登りをしてしまうとすぐに記憶から消えてなくなってしまう私なので…

それならば西側麓の「大石の内」という集落から登ってみようじゃないかっ

車を駐車する位置はGoogleさんのストリートビューで調べた結果、集落の入口近くにある妙見神社付近に決定。

ここから登れば距離も標高も満足できそうだねw

…と軽々しく考えてみたが…登山口までの道を車道だけ使って歩くとなるとかなりの距離になってしまうよなぁ…

と…国土地理院の地図とGoogleさんの衛星写真と交互に睨めっこしていると…

お?

車道のとなりに林道らしき道が衛星写真に写っている。それも大石越の揺岳の登山口とつながっているじゃないかっ

車道から林道には一番近いところで取り次げば行けそう。

これっ いいんじゃないか(薦)

なんかいい感じで楽しめそうな山旅になりそうだ…そんな気がする(微)

…ただ…それでも距離が長いよな…(汗)

まぁ〜最近カラダも鈍っていることだし、思い出作りってことで長く歩くのもいいかも〜(天)

 

ということで、朝の5時に自宅を出発。熊本からは、俵山トンネルを通過して高森に入り国道265号から馬見原を経由して五ヶ瀬町に入る。

五ヶ瀬町祇園町という交差点を左折してすぐの交差点をさらに左折する。細い道となるが、この道が大石の内の集落へ向かう道路である。

対向車に気をつけながらゆっくりと1.4kmほど進むと妙見神社の鳥居が右手に見え、その先の右側にちょっとした広いスペースがある。

ここが今回のスタート地点だ。

天気が良いという予報だったが、なんだか曇っていてどんよりとした空模様…騙されたのか?(汗)

まぁ…来てしまったものはしょうがないので、とりあえず支度を整える。

 

でゎ …天気はあいにくだけど…祇園山と揺岳にしゅっぱ〜つ!

 

まずは車道をひたすら歩き進む。

平坦な道だし、アスファルト道なので普通に歩けるのだが、今回は距離が長いのでダブルストックを最初から投入して少しでも体力温存に心掛けよう。

山里の民家の脇の軒先には花なんかが咲いていて、ほのぼのした雰囲気がいいね〜(癒)

 

そんな集落の一番奥に「祇園山登山口」の道標が現れる。ここからコンクリ道を登っていく。

少し進んだところで緊急事態が発生っ

道が害獣防止ネットで塞がれているのだ。

う〜ん…どうしたモンか…(困)

…と、よく見ると、開けれそうだ。

でゎちょっとお邪魔して…ネットをキチンと閉めて…無事山登り再開。

 

クネクネしたコンクリ道を登っていく。この道は普通に車が登っていける道幅で、途中の開けたところから見える山里の風景も美しく、歩いて登るにはまったくの問題はない。

コンクリ道を登りきると車道と出合う。

車道を少し進んだところに前日に調べておいた林道との取次ぎ口を発見。ここから一気に登って林道に出るわけだっ

…けども…

 

なんじゃこの斜度は〜っ!!

 

見上げてみるとトンでもない傾斜で、登ろうとする谷間は岩がゴツゴツしていて…先の方はよく見えてないし…無理なんじゃない?(焦)

しばらくその岩場を見つめながら思考…

行けないこともなさそうだな…車道を進めばかなりの距離になるし…

でもかなりの危険を感じる…

ここはやっぱり車道を進んだほうが…

 

さて…冒険か…安全か…

 

ユー、そこ登っちゃいなよっ

 

冒険心が勝った…

それにしても私の冒険心はじゃにぃさんだったのか…

ということで、この先がどうなっているのかわからない…本当に林道に出るのかも定かではない危険な岩場の谷を登っていくことにするっ

 

まずは岩場まで進んで…あれ?…どうやって進む??

なんとか脇の斜面から回り込んで岩場の前に出た。

さぁもう引き返せないぞっ(諦)

 

岩場は人が登れるかどうかわからないし、崩れてしまう危険性もある。慎重に…慎重に…。

少しずつ登っていくのだが、とにかく危険極まりない…(汗)

途中まで登りつつも先がどうなっているのかわからないので不安もつきまとう…。

とはいえ、すでに戻ることは不可能に近い状況に陥っている…。

実際、下を見下ろしてみると…足を滑らせでもしたら一巻の終わりだね…(怖)

誰に頼まれたわけでもないのに何故こんな危険な岩場を登っているのかと自分の楽天的な性格に疑問を感じつつも、しょうがないので少しずつゆっくりと登り続けること数十分…

おぉ

林道らしきものが見えてきた…

最後の岩場を慎重に登り上がると…

おお〜林道登場〜っ(嬉)

確認のためにGoogleさんの衛星写真で現在位置を調べてみると、ちゃんと林道の上にいる。

お〜 やるじゃないか〜(賛)

そして予定通りにこの林道を左へ進む。

林道は使われていないようだが、状態は良くて歩きやすい。

 

そんな林道をひた進んでいると最近整備されたらしいキレイな道になった。この調子だとそのまま進めば計画通り揺岳登山口に出れそうだ(喜)

安心したので、美しく咲いた花(コブシかな?)が見えるところでちょっと休憩。

 

そしてそこから緩やかに下り、さらに緩やかに登った先に揺岳の登山口が現れた。

よしっ 計画通りっ(賛)

さぁ、ここからいよいよ揺岳に登っていく。

登り始めの道はちょっとした勾配だが歩きやすい遊歩道だ。

 

少し進むと道は細くなり、人工林の中を九十九折に登っていく。

人工林を過ぎて自然林になったら、登りは比較的緩やかで楽な道のりになった。まったくの平坦ではないがスイスイ進むことができる。

 

しばらく進み、ちょっと急になった坂を登り終えると山頂…

でゎ ないっ(焦)

…ダミーピークだ… なかなかやるな…(汗)

とはいえ、ここから先の道は稜線道であり平坦で楽チンな行程だ(楽)

若干のアップダウンはあるがスイスイと軽やかな足取りで進み続ける。

しばらくゆったりとした気分で歩いていると、揺岳山頂の手前で一旦下りの道となる…べつに下らなくてもいいのにね…(残)

 

下り終わると細っそいコル部からいよいよ最後の登りとなる。

それにしても最後の最後でこの急登はどうだろう…(汗)

果てしなく続く急登…加えてここまでの歩いてきた疲労がのしかかって足取りもかなり重い…。

意識も朦朧としてきたぞ…(妄)

軽い気持ちで長い距離を計画したのだが、思い出作りもほどほどにしておかないとこんなメにあってしまう…(省)

 

そんな急登との戦いを続けながらも、なんとか最後の登りと思われる場所までたどり着いた。

この先の頂上がダミーなら気絶しそうだな…(弱)

そんな急登を最後のチカラを振り絞り、独り寂しく「がんばれがんばれっ」と自らを鼓舞しながらゆっくりゆっくり進んでいく…。

終わらない坂道はないのだから…

と、クサい言葉に恥ずかしく赤面しながらもなんとか登り終えたら…

 

見事、揺岳山頂に到着ぅ〜〜!

おお〜っ なんたる絶景〜っ

東側から見える山々がとても美しい〜(惚)

…と…ここまで歩いた距離が「7.77」km♪ なんか嬉しいね(笑)

 

天気が悪くてちょっと霞んで見えるのが残念だが、諸塚山とその山系が横たわっていてキレイな山並だ。

以前諸塚山に登った時に大休止した広場(飯干峠自然公園)と諸塚山遥拝殿が薄らと確認できた。

南東方向も連なった山々がとても美しい。

 

疲れを取ろうとしばらく山頂で休んでいたら、少しずつ天候も回復傾向になってきた(嬉)

少しずつ景色も明瞭になってきて気持ちも回復してきたぞ(完)

…しかし山頂は1335mもあるため、4月と言えどもまだまだ寒い…(冷)

ということで元気をもらったら、そろそろ次に進むことにしよう。

 

まずは揺岳を下山して登山口まで戻り、そこから林道を東に進んで車道に出る。

次なる祇園山の登山口は、この車道を左に進んだすぐそこにある。

それではメインイベントとなる祇園山へっ いざっ

 

まずは軽い登りからのようだ。

天候も晴天となって、とても気持ちのいい登山道だ。

そんな登り始めの道は軽い登りと思いきや…これがまたけっこうな急登…

ゆっくりと登っていこう…(汗)

 

急登が終わると平坦な道となり、山頂へ延びる尾根へと向かっていく。

尾根道に入ると少しずつ登りとなってきた。

それほどの急登ではないのだが、これまでの疲労の蓄積は誤魔化すことができず、心が折れそうな行程である。

私の都合はまったく関係ないと言わんばかりに登山道は少しずつ険しさが増してゆく(汗)

 

そんな血も涙ない登りも岩もだんだんと多く見えるようになってきた。

山頂は近いぞっ がんばれっ

山頂手前にあるひとつめのピークは右脇をかわして進み…

ふたつめのピークはロープを使ってなんとかクリアし…

聳り立つ大きな岩の脇を進んで…

たぶん最後であろう緩やかに登る道を進むと…

 

祇園山山頂に到着〜っ 疲れたぞ〜(大汗)

そんな到着の感慨もひとしおな山頂の北側に出てみると…

おー

最高の眺めだっ(驚)

 

阿蘇山から祖母山までの山々が勇壮に横たわり、その奥に見えるのは…九重連山かな?

とにかく阿蘇山まで広がるパノラマがとても雄大で美しい山頂である。

できればこの景色を眺めながら休憩したいなぁ(望)

しかし、この景色が見える山頂広場に陣取ると他の登山者に邪魔だなぁ…

ということで、休憩には適地ではなかったが、北側を少し下ったところに無理矢理陣取って大休止とするっ

 

さて本日の昼食メニューは…

カップ麺と自家製おにぎり、デザートは草大福と、いつものミルクカフェラテw

でゎ  いただきます♪

 

食後のひとときは今回も贅沢な時間が自然の中でゆっくりと流れている…。

天気も良くて眺めも良くて、心もカラダも癒されて最高なひとときを過ごさせていただいてる…(癒)

 

のだが…春の昼時とはいえ、やはり1000mを超える山頂は寒いな…(震)

ということでそろそろ帰るとしよう。

 

まずは祇園山登山口まで下り降りる。

…と、その前に…

手前ピークからの景色はとても素敵な眺めなので紹介しておく…(感)

景色に癒されて一気に登山口まで戻る。

 

ここからは車道をゆっくりと帰るつもりであったが、距離的な問題もあり、私の足と心にも相談した結果、やっぱり距離の短い登ってきた冒険ルートを戻ることにした。

 

林道に入り揺岳登山口を通過して、寂しい林道をトボトボと戻り、大変な目に遭いながらも登ってきた岩場まで辿り着く。

さてここから車道まで下るのだが…

 

どう考えても登りと同じ岩場を下るのは自殺行為に等しい…(焦)

ということでその右側の急斜面を滑り落ちていくことにする。

…まぁ…木々に掴まりながらジグザグに少しずつ下れば生きて帰れるだろう…(天)

 

結果、若干の時間は要したが、なんとか無事に車道まで下ることができた。

この急斜面、とてもとても写真なんぞ撮る余裕もなく、ただただ命懸けの下りだったことだけ伝えておこう…。

怖かった…(泣)

 

車道まで戻ったら、ここからは安全な舗装道路なのでお気楽に歩いていこう。

天候が良くなった里山の景色はこれまた最高で足取りも軽い…ハズなのだが、如何せん相当な距離を歩いているために足にチカラが入らない…(辛)

しかしストックの助けもあって、なんとか民家まで下り、そこから車道を気力で戻って…

駐車位置に到着〜っ

これにて今回の山旅は終了〜 いや〜お疲れました(痩)

 

 

今回登った揺岳と祇園山は、本来どちらも登山口から1kmほどの短い行程で行けるお手軽な山である。

そんなお手軽なコースを思い出に残るようにと勝手に長距離にした私のルートは、もちろん推奨でもなんでもない…。

ただ、距離に物足りなさを感じる人がいれば参考にしていただければ幸いである。

山自体は自家用車で登山口まで普通に行けるし、どちらか片方でも十分楽しめる山だ。

どちらの山も山頂からの景色はとても見応えがあり、老若男女が手軽に楽しめるハイキングコースと言っても過言ではないので、天気の良い日を狙って気軽に登ってみてはいかがだろう。

総歩行距離:18.4km  時間:6時間30分  高低差:668m

 

〜今回のルート(クリックで拡大)〜

 

<今回の植物たち>

 

〜Epilogue〜

今回の揺岳と祇園山は、かなり前から登ってみたいと思っていたのだが、距離が短いためになかなか踏ん切りがつかなかった。

しかし、わざと距離を伸ばすことでお腹いっぱいどころか胃もたれするくらいの満足感を得られた山旅となったのは記述の通りである。

そんな今回の満腹コースの起点となった妙見神社付近から、西の方向に異様にトンがってる山がデンと鎮座されている…。

冠岳(かむれだけ)と言うらしい…。

これまたアケボノツツジが美しい山らしく、面白い山容だがその気になれば頂上までいけるらしい…。

ということで、来年の「春はアケボノ」ツアーはこの山に決めたっ 登っちゃうもんねっ

…と心に誓いつつも…それよりなにより今現在の疲労感がハンパないため、サッサと帰って風呂で癒されたいのでここらで失礼する…。

 

 

 

 

おわり