12月だ。
ここ九州熊本も例に漏れず冬がやってきた。いわゆる「寒いっ」ってやつだ。
寒い時期の山登り、標高の高い山には雪が積もっていて、寒がりな私にはとてもとても…。
とは言え、そんな寒い冬場のために密かに計画していた低山がいくつかある。冬場はその暖めていた低山に登るという算段だ。
ということで、今回は天草にある「白嶽」に登ることにする。
~白嶽~
白嶽(標高373m)という名の由来は、遠くから眺めた屏風様の山の岩肌が白く見えることから名付けられ、山頂に積み重なっている岩石は約2億年前大きな山が陥没し、八代海を形成したとき上から崩壊した岩が折り重なって出来たものと言われています。
また、途中の谷は清冽な湧水で湿地帯となり、天然記念物「ヒモヅル」「ミズゴケ」の群生地としても重要な場所となっています。
今回は今泉登山口というところから始める。が、登山口に駐車場があるかないかわからないので、ここは安全策をとって以前に登ったことのある太郎丸・次郎丸嶽登山口駐車場から始めてみたいと思う。ここから今泉登山口は近いのだ。
駐車場から県道市道を使って今泉登山口まで歩き、そこから
つわ岳~白嶽~矢嶽神社~不動の滝~鋸嶽
と廻って今泉登山口に戻って駐車場へ帰るというルートだ。
朝5時、熊本の自宅を出て国道3号を南下し宇土から国道57号に入り天草に向かう。
12月ともなるとやっぱり外気温は0度とかー1度(!)とか…(驚)
ほんと寒いなぁ…(冷)
2時間弱で太郎丸・次郎丸嶽駐車場に到着する。
外に出てみると… さぶ~~っ!!
…と思いきや、それほどでもない。天気もいいし、風もないから思ったほど寒くない。
早速準備に取りかかる。
思うのだが、最近は準備がさっさと終わるようになった。慣れてくると手際が良くなるんだろうね(関)
準備体操を終えて、今回から山でも投入する自然に優しいペイパーたばこ「プルーム・テック」で一服して…
さっ!白嶽に出発~w
ではまず、県道34号を南下する。
朝日に照らされた次郎丸嶽を眺めながら気持ちのいい朝である。
しかし、歩く県道はけっこう朝でも車が走っているので危ない。歩くときはあまり余所見せずに歩こう…
県道が少し狭くなって来た頃、西運寺というお寺の手前の「つわ岳登山口」と案内表示のある交差点を左に入りコンクリ道を山に向かって進む。
民家の間の生活道路のコンクリ道をなだらかに登っていく。
しばらく登り続けると「つわ岳登山口」の赤い看板が現れる。
ここからも行けないことはないのだが、もうちょっと先にいい道があるので、ここは無視してそのままコンクリ道を登り進む。
看板から少し先にゴミ処理業の建物が見えてくる。その左脇に伸びるコンクリ道をまっすぐ登っていく。
しばらく進むとつわ岳登山口が現れる。
ここには小さいが駐車場もあり、あまり大きな車でなければ登ってこれそうだ。
でもここまで徒歩で約20分程度で来れるので、普通車なら無理しない方が賢明だと思う。
とにかくここから登山道となるわけだ。
いざっ!
…と、意気込んで登り始めたものの、道はすこぶるいい道で、遊歩道と呼ぶに相応しい。
途中、道が少し細くなったり、勾配がキツくなったりするが、歩きづらいほどではない。特に斜面は階段が整備されていて滑ることもなく安心して登ることができる。
森の中を進み、短い急斜面を登りきると尾根に取次ぐ。
目の前に鉄塔が現れて空が開けるのでちょっと休憩しても良いだろう。
ここからは尾根登りとなる。
とはいえ、ここからの道も歩きやすいし、勾配にはちゃんと階段が施されておりグッドw
尾根を登り続けていると次の尾根に取次いだ。
尾根というより稜線なのかな?
この先の道も極めて歩きやすい遊歩道である。
しばらく進むと急斜面となるが、階段が整備されていて安心だ。
登りきるとなだらかな道となる。
ここらまで来るとだんだんと東側の風景も見えてきた。
と、前方にはこれから向かう「つわ岳」も見えてきた。
道のいい遊歩道をダラダラと歩いていると…
ん? なんか赤い葉っぱが…
っ!!! なんじゃこりゃっ!!
赤い葉っぱだと思っていたが、よ~く見てみると虫がたくさん集まっているじゃないかっ
右の写真の虫がたくさん重なり合って、左のような状態になっていたのだ。
写真では一塊だけしかないが、実はたくさんあって、遠目に見るとホント赤い葉っぱに見えたのである。
私はファーブルさんではないので、この虫たちが何のために集まっていたのかは判らないが、とにかくなんか不思議な光景であった。
道はなだらかで歩きやすいが、しばらくすると急勾配が登場する。
結果的にはこの長い階段登りが今回のルートの難所であるのだが、単純に階段が長く続くだけで険しいと呼ぶほどではないので安心してもらいたい。
最後は鉄の階段も現れて急斜面の様相ではあるが、それほど続くわけでもないので頑張って登っていこう。
登りきると展望のいい東屋の休憩所が設置されている。
北側と東側の展望がいいのだが、午前は太陽の差し具合で東側の風景があまりよく見えない。
ということは…だ…
これから向かう「つわ岳」も、あまり展望は期待できないのではないだろうか。
そんなことを考えながらなだらかな稜線道を歩いていると「つわ岳」への分岐に到着。
う~ん…
どうせ行くなら良い景色を見たいもんな…
よしっ
つわ岳は帰りに寄ることにしよう。その頃には東側の風景も良くなっているだろう。
ということで、ここは先に進むことにする。
稜線を歩いていると…腹減ってきた…
ということで東側の風景を眺めながら2度目の(?)朝食w
なだらかな道を進み続けると分岐に到着する。
まっすぐ進むと「高原湿地帯」右に進むと「鋸嶽」となり、私が進むのは左の「白嶽」方向だ。
ちなみに白嶽からぐるっと廻って最終的には鋸嶽方向からここに帰ってくる予定だ。
さて、私が進むその左の道は、やる気を無くしそうな階段が続いているように見える…が、それほどキツくはなかったな…。
っていうか…
私は今回になってスキルアップしたことがあるっ
それは登りの要領である。
「歩幅を小さく」「後ろ足の蹴り足を使わずに」「腕はあまり振らずに」「足と肩は同じ方を出す」ということは雑誌・Web・テレビ等で少しずつラーニングしてきた要領なのだが、今回それに加えてわかったのが
「前足はしっかり伸ばしきる」
ということだ。
足をしっかり伸ばしきると、太ももに乳酸がたまらないというか、疲れが残らないというか…
とにかく医学的根拠は全く判らないが、なんか足の太ももが痛くならないのだ。
…いや…痛くはなるんだけど、痛みがすぐひくっていうか、溜まっていかない…そんな感じだ。
私なりに考えたのが、膝を曲げたまま登ったり下ったりすると膝の可動は少なくて楽そうなのだが、考えようによっては「空気椅子状態」なのである。
そう…あの学生時代の部活などでよくやらされていたヤツだ。
つまり膝を曲げた状態でずっといると疲れる…あの状態なのではないか?
空気椅子状態から解放されて最初にするのはやっぱり足を伸ばす動作だろう。
ということは足を伸ばすことは曲げるよりも「楽」なのではないかっ?
…まぁ(汗)そんな結論に落ち着いたわけだ。
そんな…正解なのか間違っているのか…判らないけど、とにかく自分なりに納得した「前足をしっかり伸ばしきる」要領で長い階段を登り終えると、切り立った断崖の稜線に出た。
断崖といっても木々が生えているので危険でもなければ怖くもないのでご安心を。
すっかり東側の眺望が良くなった。
ピークごとに展望の良いところがあって、足を止めて眺めても良いだろう。
途中に「展望台」という大きな岩の上で休憩も兼ねて展望を楽しめる場所もある。
展望台を過ぎると、残念だがちょっと長い下りとなる。
下った先にあるのが「キャンプ場」だ。トイレもある。
季節的に冬場の今は使われていないようだが、トイレは使えそうだった。
キャンプ場の脇のコル部からはまた登りとなる。頑張ろう。
登りきると、いよいよ白嶽が見えてきた。
切り立つ岩の上に東屋が見える。あそこが山頂だっ!がんばろ〜!
断崖の稜線を進み、最後の階段状の勾配を登りきると…
白嶽山頂に到着~w
山頂は広々とした岩場で、休憩できる東屋を完備。展望を説明する地図もあり、なかなかいい山頂だ。
山頂の岩からは、ほぼ360度を見渡せるいい眺望だ。
東側には八代海と八代平野が広がり、その奥には雄大な九州山地が見渡せる。
北の方向には天草五橋と三角岳が確認でき、遠くには金峰山と雲仙が見える。
西側には太郎丸・次郎丸嶽が顔を覗かせ、その奥の遠くは長崎の野母崎だろうか。
南には、今度登ろうと思っている倉岳、それと海に浮かぶ小さな島々が見えて美しい。
とても良い景色だ(惚)
休憩しつつも山座同定で九州山地の山々を楽しむ。
天気が良ければもっと良い景色だったのだろうが、まぁ空気が澄んでるだけでも良しとしよう。
さて白嶽山頂をたっぷり楽しんだら、次に進もう。南に進んで「矢嶽神社」が次の目的地だ。
ちなみに山頂からは鋸嶽に進む遊歩道もあるので、短縮ルートを行く人はこちらをどうぞ。
南に伸びる登山道は、あまり利用者がいないらしく道に草が覆い茂っている。
しかし歩きづらいほどではないのでズンズン進もう。
しばらくすると石の階段で登り下りが続く。
下りが長くなった頃に、途中に眺望の良い場所があった。
山の重なり具合が素敵w
下りの石段は整備されているとは言い難いが、迷うことがないだけでもマシか…。
しばらく進むと「ドルメン」へ誘う表示が…
ドルメンって?
その表示を進んでみると…
おぉ~w
こういうのを「ドルメン」って言うのかぁ~
この人工的な巨石の前には長ったらしい説明板があるので、興味がある人は読んでみていただきたい。
私も興味があったので読んでみたが、感想は…自粛する。
ちなみに、この一帯を矢岳巨石遺跡群と呼ぶらしい。
そんな巨石群を掻き分けて進んでいくと「矢嶽神社」に到着する。
鳥居をくぐると狛犬がお出迎えしてくれる。この狛犬がこれまたカワイイw
顔は怒っている(?)のだが、なんとなくアニメちっくでカワイイのだ(笑)
そんなホッコリさせてくれる狛犬の先にセルフの扉がある神社で参拝。
扉の閉め忘れに注意して、次の「不動の滝」へと足を進める。
鳥居と反対方向に出ると参道がある。
私が下ってきた道とは雲泥ほどの差があるきれいな参道を進む。
しばらく進むと舗装道と出合う。
ここを渡って遊歩道を進むと不動の滝に行けるようだ。
ここからの道も気持ち悪いくらい整備の行き届いた良い道だ。
しばらく進むと「不動の滝」表示のある分岐に到着、ここから不動の滝まで下っていく。
下りは少し急で滑りやすいので注意して進もう。
その下る途中にふと考えた…
「不動の滝ってどんな滝なんだろう…そういえば、去年登った小岱山に仁王の滝ってあったけど、ショボかったよなぁ~(笑)」
不動の滝に到着…ショボかった…(汗)
ちなみにこの不動の滝にも「不動様」がいらっしゃって、それで「不動の滝」と言うのだろう… 仁王の滝と同じオチだな…。
この不動様に会いたい場合は、滝の上に行ける道があるが、水が流れている部分はとても滑りやすいので注意してもらいたい。
さて、本道に戻って次に進もう。
次は「鋸嶽」だ。牟田峠方向に進めばOK。
少し進むと橋を渡る箇所があるので、その橋を渡ってしばらく進む。
すると分岐が登場する。もちろん鋸嶽方向(左登り)に進む。
少しシツコイくらい長い階段を登りきると稜線となって、その稜線をひたすら進むと鋸嶽に到着する。
残念ながら鋸嶽山頂は木々に囲まれており眺望は望めない。
しかしその先にある東屋の休憩所からは比較的いい眺めが楽しめる。
特に目の前の太郎丸・次郎丸嶽は圧巻だ。
北方向は松島と三角岳、それに雲仙と申し分のない眺望で、次郎丸嶽から見えるような風景を楽しむことができる。
さて、時間もお昼近くになったのでここで昼食タイムとする。
本日のメニューは…
担々麺(ローソンセレクト)に辛子高菜のおにぎり、それとデザートはプリン(いちごチョコレート味)だ。
でゎ♪ いただきますっw
担々麺とおにぎりを美味しくいただいて、次にデザート…
プリンは好物だけど、いちごチョコレート味のプリンってどうなんだろう…
…う~ん…微妙…マズくはないけど美味くもない…
これは…いちごがかなり邪魔してるな…(汗)
…やっぱり私的には普通のプリンがいいな…
カフェラテでお口直しをしつつ、風景を楽しむ。
そう言えば、ここから見える九州山地の山々には山頂付近に冠雪が見える…。そうとう寒そうだ…って言うか、もう登れないな…登山口に行けないし…。
こりゃ九州山地の登山は来年の春までお預けですなぁ~
寒いのキライだし…
カフェラテを片手に山頂付近をウロウロしながら山々を眺めていると…
お? あの遠くに見えるのは俵山じゃないかっ!
地元の山が見えるとなんか嬉しい気持ちになるなぁ~w
あっ こっちの遠くに見えるのは仰烏帽子山でゎないかっ!
お〜仰烏帽子山も真っ白だなぁ〜
でもまた福寿草を見に行きたいなぁ〜w
空気が澄んでいるので遥か彼方の山々まで堪能できるのが素敵w
そんな山頂をしこたま楽しんで満足したので下山しよう。
東屋から東側に下る道を進む。道は相変わらず良好である。
左には次郎丸嶽を、右には午前中に通った白嶽までの稜線が見える。
アップダウンの稜線道をズンズン進み続ける。
すると白嶽・湿地帯との分岐に到着、ここから左に進んで元来た道を戻る。
復路は特に見るところは無さそうだが、往路の積み残し「つわ岳」に行かなければっ
分岐に到着し、そこからつわ岳へ…
この道も他と同じくすこぶるいい道だ。
最後の岩の坂を登りきると…
つわ岳山頂に到着~w
つわ岳からは期待通りの東側が一望できる。特に九州山地の山々がはっきり見えたのが嬉しい。
また、ここつわ岳では絶壁を体感できる。
三角点のある広場から南側に少し進んだところにある岩場から下を覗くと鳥肌モノの絶壁である。
…ただし高所恐怖症の方はご注意を…
さて、分岐に戻り、元来た道を帰っていく。
下りの長い階段は膝が痛くなるので、小まめな休憩をとりつつ進んで行こう。
登山口まで戻り、そこからさらに駐車場まで舗装道路をひた進み…
駐車場に到着~♪
本日もお疲れ様でした~w
今回登った今泉登山口からの白嶽は、道もよく整備されており、老若男女問わず楽しめる初心者向けの山であった。
遊歩道は危険箇所も少ないし、それでいて要所要所で見える景色の良さも好印象だった。
標高こそ400mにも満たない低山ではあるが、トレイルランニングにも適しており、たくさんの人に登ってもらいたい…そんな優等生な山であった。
~今回のルート(クリックで拡大)~
<今回の植物たち>
さて、今回はトレーニングも兼ねていたため少しカラダに負荷をかけた。ちょっと疲れている感が否めないため、ゆっくりと帰らなければならないのでここらで失礼する。
おわり