42:上福根山(久連子登山口) | 山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

九州(主に熊本)の山登りやってますw
よかったら読んでやってください(o^^o)

季節は梅雨…

梅雨の晴れ間は忙しいのだが、私はやっぱり山登りだ。

今回の山は、昨年に道路通行止めで行けなかった「上福根山」にする。

 

~上福根山~

上福根山(かみふくねやま)は、熊本県五家荘の樅木(もみき)、椎原(しいばる)、久連子(くれこ)集落の中央に位置する膨大な広がりを持つ山で、宮崎県や大分県などの県境の山を除けば熊本県最高峰の山として知られている。

 

登山口は「久連子」集落から。

昨年登ろうと意気込んで国道445号の久連子入口まで来たのはよかったが、通行止めにより断念。

それがこの前、通行止めが解除されていたのを確認していたので、今年こそ登ろうと思っていたのだ。まぁある意味「リベンジ」なのだ。

アクセスは、地図上(グーグルマップ)では美里町からの方が短時間のようだが、実は国道443号から県道25号を通り、五木村を経由した方が早い。理由は美里町からだと道が狭いのでスピードが出せないが、五木村経由の方が久連子入口まで道が広いからだ。

 

国道445号から久連子に向かう県道247号はとんでもなく狭い道なので、ここはゆっくり進むしかない。

4kmほど狭い道を進むと「久連子古代の里」に着く。

ここでトイレでも借りようかと思っていたが、なんぞ獣の鳴き声がしたのでびっくりして思わず通過してしまった(焦)。

いったい何が飼われているんだろう…

この先も変わらず狭い道だ。この先にはほとんど人が住んでいないようなので対向車は来ないと分かってはいるが、如何せん道が悪く狭いので必然的にスピードは出せない。

しばらく進むと「旅館 久連子荘」の横を通過する。

この先に登山口がある。

登山口のちょっと先の右側に車を駐車できるスペースを発見。

今回はここに停めさせていただこう。

 

時間は朝の7時過ぎ。もちろん誰もいない。

準備を整えて一服を済ませて…

さぁ、上福根山へ登山開始~w

 

登り始めはちょっと急な登りだ。ペースをつかみ難いのでゆっくりと歩き出そう。

ジグザグのトラバースで標高を稼いでいく。

足場はあまりよくない。落ち葉と昨日までの雨の影響でとても滑りやすいので足元を確かめながら登る。

尾根に取り次いだ。ここから尾根登りとなる。

本日は天気がいいので気持ちいい山登りだ。

岩が多くなってきた。ここからしばらくは岩の痩せ尾根を登り進む。

岩の道は歩きづらいが、立ち木もあり、うまいこと掴みながら歩くと安全で楽チンだ。

途中、岩場登りもある。ところによっては両手も使って登る箇所もあるし、動くとは到底思えないような大きな石がグラグラする場合もあるので、あまり急がずゆっくりと足元を確かめながら進もう。

大きな岩場を回り込むように進むところもある。ここは右側が急斜面なので滑りでもしたら大変なのでゆっくり安全に。

 

登り始めから30分でひとつめのピークに到着。ナイスなペースだ。

ふたつめのピークまでたどり着くと、ちょっと空が開けて景色を楽しむことができる。

岩場の尾根歩きはまだまだ続く…けっこうキツいな…ちょっとここらで休憩しよう。

 

さてここからもまだまだ岩場の道は続く。

岩場の尾根が終わると、気持ちいい稜線となる。断然歩きやすいね。

それにしても汗がすごいな…(汗)

と、油断してたらまた岩場が登場っ(焦)

しかし、ここは回り込みのようだ… よかったよかった…(安)

するとその先に地蔵様がお出迎えしてくれた。

注意書きあり…お? ここから険しいようだぞ。

 

少し進むとホントに険しかった…

ここからマジで注意が必要だ。

右下がりの急な斜面なのに、そこにはほとんど道がないのだ。赤い目印テープはあるが、道がないっ(驚)

…どうやって進めばいいの?

ロープが張ってあるので、それをしっかり掴んで…滑らないように低姿勢で…(恐)

ぬゎっ…ここから先は本気で危ないぞ(大焦)

滑ったら止まることなく果てしない谷底まで滑り落ちていくことだろう…(汗)

上の写真はカメラを斜めにして撮ってるわけではない。こんな斜面なのだ。

一番の見せ場は、ロープも何もなく、ただの急な斜面のその先に赤テープがヒラヒラと表示されている箇所だ。

「来れるもんなら来てみなさい」的な雰囲気を醸し出している…。

そんな危険極まりない道なき登山ルートを進むこと約10分…

やっと安心な道になった(安)

なんちゅう登山道なんだ…恐るべし久連子登山道…

 

そうこうしていると開けた場所に出た。

天気もいいし、景色がいい。

と、油断していたら、さっきほどではないが、またまた危険ルートが出現。

今回は滑ったら痛そうだ…なんか…石が尖ってるし…(恐)

体勢を低くして滑らないように…ゆっくりと…

ロープを掴んで安全確保。これほどロープがありがたいと思ったのは久しぶりだな(汗)

 

危険な斜面が終わった先に洞窟を発見。

ここがWebにみんなが書いていた「鍾乳洞」かな?

奥は広いようだが怖いので入らない…てか入れない…(怖)

洞窟を横目に進むと岩登りが待っていた。ちょっとワクワク感のあるロープ場だ。

そのロープを上に登りきると…

 

久連子岳に到着~w

山頂は石だらけの岩場で、そうとう尖っているらしく、下を覗くとほとんど崖だ。

ただし、山頂は比較的広く、北側の一部を除き眺望は良好。

天気が良くて空気が澄んでいるので遠くまで見渡せる。

保口岳方向(西側)が山が連なって見えて美しい。

反対方向となる東側には、すぐ目の前に次の目標の岩宇土山がそびえ立つ。

山頂を満喫したいのだが、日光が強くて暑い。標高も1240mで周りの山々より低いこともあって、達成感はあまりないので先を急ぐことにする。

 

次の目的地は「岩宇土山」だ。

稜線を辿って森の中へ入る。

森を一旦抜けると開けたガレ場が現れ、急な斜面を登る。

振り返るとさっきの久連子岳が眼下に見え、景色も最高で気持ちのいい場所だ。

こうしてガレ場の道を一歩一歩登っていると、いつもテレビで見ている「にっぽん百名山」によく出てくるワンシーンみたいで登山してる感がハンパない(嬉)。

 

登り終えると再度森の中に入る。

この時間帯になると気温も高く、日差しも強いので森の中はとても涼しい。

すぐに害獣ネットに出合い、登山道はこのネット沿いを歩く。

緩やかな登りが続く害獣ネット沿いの道を離れ、森の中へ。「山頂まであと5分」の表示あり。

最後は痩せた稜線を進むのだが、その途中に突然「岩宇土山」に到着する。

…なんか、そんな突然山頂って言われても困惑してしまう…そんな感じの山頂だ。

それに森に囲まれているので眺望なんぞはまったくないし、ほんと山頂らしくない。

ということで、ここ「岩宇土山」は通過することに決めたっ!

 

先に進もう。

痩せた岩場の稜線を進んでいると下りとなる。一旦岩宇土山を下るわけだ。

コル部に降りるとオコバ谷への分岐がある。

復路はここから帰る予定。

とりあえずは上福根山を目指して進む。

 

しばらく進むと開けた道となる。ここではカワイイ黄色い花が彼方此方に咲いているのでなるべく踏まないように進もう。

登りが緩やかになったところでちょっと藪の中を進む。

ピークを過ぎると歩きやすい稜線の道となる。その稜線をひたすら進む。

開けた場所に出た。「川口林道」と出合う場所だ。

一旦休憩としよう。

 

さて、登山道は林道を越えて斜面を登っている。林道からちょっと急な登りだが、そこを登ると展望の良い場所である。

標高も1450mほどなので眺望がいい。

西に広がっている連なる山々の先には、遠くは宇土半島だろう、海もうっすら見える。

南西方向の山々の向こうからてっぺんだけ見える山は仰烏帽子山だろうか。

いやぁ、せっかくならここで休憩すればよかったなぁ~(残)

 

ここから先は、森の中ではなく、空が開けて気持ちいい登山道だ。

ちょっと暑いけど…(汗)

スズダケを切り開いた登山道は歩きやすくていいね。

比較的なだらかな道を進んでいると大きな岩が登場する。お?山頂はもうすぐか?

この大岩の脇を舐めるように登っていくのだが、これがけっこう急勾配で、北側なために足元が湿って登りづらい。

と、思ったところにロープあり。ここにきてのロープはありがたいね。

山頂か?と思いながら登った先は、やはりダミーピーク。

ここで荒れた呼吸を調整しよう。

騙された感は否めないが、景色がいいので許すとしよう。

下の方では見えなかった遠くの山々が徐々に見えてくると登ってきた甲斐もあったってもんだ。

 

さて、ダミーからは険しさも増してくるので気合い入れて進もう。

もちろん安全にも気をつけて…。

ジグザグの登りを何度か繰り返して登りきると…

 

上福根山の山頂に到着~w

これまでの苦労が報われる瞬間だ。達成感を感じながら誰もいない山頂で自撮り。

 

しかし、期待していた眺望は残念ながらまったくなし。

せっかくの1600m級の山頂なのに眺望がないのはもったいない。

どっか見晴らしのいいところはないかと、少し北側に進んでは見たが、どうも近くにはなさそうなので、山頂を後にして先ほどのダミーピークに戻る。

 

ここの方が山頂より景色も良さそうなので、ここで大休止としよう。

ちなみに市房山と思われる山が見える木陰で昼食。

本日の昼食は、最近マイブームとなっているローソンの「豚しゃぶのサラダスパゲティ」とおにぎり、それとデザートのカフェゼリー。

 

それにしても天気のいい夏の山は虫が多くて困る。虫と格闘しながら休憩。

30分ほどシートにねっころがり、自然を満喫する…(満)

 

至福の時間だw

 

さて、自然をたっぷり満喫したところで、そろそろ下山するとしよう。

 

登りも去ることながら、下りも足元に気をつけて下る。

とりあえず、オコバ谷分岐まで戻る。

登りの半分ほどの時間で分岐に到着する。

ここからオコバ谷へ下っていくのだが、道がわかりづらいので注意しよう。

周りの見渡すとなんとなく道が見えてくる。テープも少ないが、探しながらゆっくりと道を間違えないように進む。途中で方向確認も忘れずに…。

 

しばらく進んでいると、途中から斜度がキツくなってくる。

加えて、その先では石がゴロゴロしている道となる。

気をつけてゆっくり下らないと滑り落ちそうだ…。

いや、シャレにならないくらい危険な道だぞ…(焦)

久連子岳手前の道なき道もすごいと思ったが、ここの道も負けず劣らず危険な傾斜だ。

 

そんな危なっかしい道をなんとか下り終えると空が開けた場所に出た。

なんか…そだね、カールっぽい感じかな?

ここを下っていくのだが、緩やかになっているとはいえ、油断は禁物だ。ゆっくり進もう。

途中、道がわからなくなったが、方向的には下っていけば大丈夫のようだったので、とりあえず水のない沢を歩いてたらテープを発見。よかったよかったw

目印のテープの通りに進んでいると大きな沢と合流する。ここからは沢沿いにある道を進む。

下る途中に害獣ネットのゲートがある。開けて通るわけだが、閉め忘れに注意しよう。

その先はロープで道を作ってある。多分福寿草の保護のためのロープだろう。似たような道が仰烏帽子山にもあったし。

ロープの道を進んでいると再度害獣ネットにぶち当たる。ここが出口らしい。

ここでもネットを閉め忘れないようにして、いざ振り向いて道を進もうとすると道を見失う。

焦ってキョロキョロするが、目印テープもなければ道標もない。

ネット沿いか?と思うかもしれないが、実は害獣ネット出口からまっすぐ谷間の方に進むとロープがある。

登山道はこれを下るのだ。

とはいえ、方向感覚を無くしそうになるここ付近は、しっかり方向を確かめながら進もう。

 

人工林に入ると歩きやすい道となり、トラバースで下っていく。

下る道は緩やかだが、斜面は急なので注意して進もう。

けっこう下ってきたかなぁ~と思ったところで沢に出た。

地図を確認すると、どうもここからは沢下りとなるようだ。

とりあえず沢に下りて、流れる水で顔を洗ってみる。

「気持ちいいー!」ここは本気で叫んでみた。たぶんこの山には私しかいないはずなので…。

 

さて、ここからは沢下りとなる。石がゴロゴロしているところを水まで流れているので危険だ。ゆっくり確実に進もう。

少し下ると大きな本流と合流する。

下流を見下ろすと赤いマーキングがあるので、それを目指して進む。

再度森の中に入る。

沢沿いなので道も下っていると思いたくなるが、一旦登るように進む。

先ほどの沢とは違う沢に出た。ここの沢は渡るらしい。

 

この先はちょっとだけ険しい。沢から離れると石だらけの道となり、かなり歩きづらい。

目印も少ないので、道を探しながら注意して進む。目印は石や岩にスプレーされた赤い丸だ。

 

足元に注意しながら、ゆっくりと下り続けると、舗装された整備道路に出た。

ここは「オコバ谷登山口」らしい。たぶん福寿草を見るための登山口だろう。

 

後は整備道路を川に沿って下る。

整備道路とはいえ、車で来れるかというと、途中に崩壊してるところなどや斜面が崩れていることなどあるので無理。

川が防砂の工事がしてあるので、工事用に作られた道路なんだろう。

山の中は涼しかったが、ここまで下りてきて、なおかつ日差しも強いので暑い。

汗だくで道をテクテク歩くこと1kmほどで県道に出た。

久連子荘の手前に出たので、その先の駐車位置まで戻って

 

到着~w お疲れ様でした~

 

今回登った久連子からの上福根山は、思ったより険しい道だった。他のルートはもっと険しいらしいが、登山道は全般的に歩きづらく目印も少ないので、決して初心者向けの登山道ではない。

また、単独で登るには危険なルートでもある。

しかし、それだからこそ面白みのあるルートでもある。

地図読みに自信がない、登山経験が浅い等々の人は絶対に単独では登らない方がいい。また、距離に比べて体力も使うので、ある程度の体力も必要だ。

そんなことに注意しながらも、登ってみる価値はあると思う。

ソロの場合は、しっかり装備を整えた上で楽しんでもらいたい。

できれば2名以上での山行がオススメである…ソロの私が言うのもなんだけど…。

 

~今回のルート(クリックで拡大)~

 

今回の植物たち

 

 

 

 

おわり