21:御前岳〜釈迦岳(杣の里登山口) | 山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

九州(主に熊本)の山登りやってますw
よかったら読んでやってください(o^^o)

10月といえば秋の真っただ中であり「天高く馬肥ゆ」の秋であり、それはもう晴れ間も多くて空気も澄んでいて、山は紅葉であり、山登りには最高の時期である。

そんな10月なのに私は何故か仕事で南の島にいた…(悲)

真っ青に晴れた空を眺めながら思うのは「山に行きたい…(哀)」

 

11月に入り、帰ってみると朝晩の冷え込みが厳しくなりつつあるが、それでもやっぱり「山に行きたい」。

ということで今回の山は地元熊本をちょっと離れて福岡にある「御前岳」と「釈迦岳」に登ろう。

 

~御前岳(ごぜんだけ)~

福岡県八女市矢部村と大分県日田市前津江町との境界にある山である。大分県側では権現岳とも呼ばれる。標高は1,209m。九州百名山大分百山のひとつで、津江山系県立自然公園に指定されている。

 

~釈迦岳(しゃかがたけ)~

大分県日田市と福岡県八女市との境界にある標高1,231mの山である。九州百名山のひとつに数えられている。釈迦ヶ岳、釈迦ガ岳とも表記される。

 

今回は熊本を出ての出張(?)であるが、今年はどうも紅葉の進み具合が遅いみたいなので「北の方の山なら紅葉してるかも」という理由からの選択である。

コースは駐車場の登山口から御前岳に登り、縦走で釈迦岳、そこから下って林道に出たら駐車場までそのまま帰る周回コースだ。

登山口は福岡県八女市矢部村の「杣(そま)の里渓流公園」の近くにあり、とりあえずここを目指せばよい。

朝はまだ暗いし寒いので自宅出発は6時。一路山鹿市を目指して国道3号を北上する。福岡県境手前で県道13号に入り、八女市黒木町に向かう。黒木町に入り、国道442号との交差点を右折し、矢部村方面へ。ここからの道は狭いので運転注意だ。

矢部村に入ると左側にダムが見えてくる。「日向神ダム」である。このあたりは若い頃に何度か通ったことがある…関係ないけど…。

ここらあたりから「杣の里渓流公園」の矢印が出てくるのでこれに従って進んでいく。国道442号から市道に入ると道幅がさらに狭くなり、また民家との距離も近いのでスピードの出し過ぎには十分注意しよう。

工事のための交通規制があるが、ちゃんと迂回路も表示されているので安心だ。

杣の里渓流公園入り口を過ぎて少し進むと「ソマリアンハウス」という洒落た名前の宿泊施設がある。登山口はここにあるのだが、駐車場はソマリアンハウスの駐車場ではなく、道端のちょっとした広いところに停める。きちんとした上段の駐車場は宿泊者専用で、勝手に停めると怒られるのでご注意。

車を停めて準備する。しかし外はまだ寒いなぁ。

準備が終わるとタバコを一服…慌てずゆっくりいきましょう。

 

さて、ひさしぶりの山登りっ 出発~!!

 

登山口は極めてわかりやすい場所に看板があって間違えようがない。

コンクリートの坂を登っていく。

すぐに山道となるが、道幅もあって草刈りもしてあるので、とても歩きやすい。しばらく沢伝いに進む。

本当にいい遊歩道だ。とても歩きやすく、気持ちいい。ただ、紅葉はまだまだ先のようで、見渡す木々は青々としている。

途中、沢を渡ったり、直接沢を登る箇所もあり、昨年の仰烏帽子山を彷彿させるが、道がはっきりしているし、勾配もないので苦ではない。

その先は沢を離れて歩き出す。ここからは石の道だが、これまた整備されているので歩きやすい。

ところどころに道標もあるので迷うことはまずなさそうだ。福岡の山って歩きやすいなぁ。

そうこうしているうちに林道に出合う。

ちょうどいいのでここで休憩しよう。それにしても整備が行き届いている。車は軽トラかオフロードでないと登ってこれそうもうないが、そんな道でも草刈りがされてあり、登山者にとても優しい。

タバコをふかしながら空を見上げてみると、木々の間から真っ青な空。快晴である。

 

休憩を終わって林道からの登山道の取り次ぎ地点を地図で確認する。地図では右に進むとなっていたので何も考えずに右に進む。

しかし、行けども行けども取り次ぎ口がない。登山道にあれだけ道標があったので、取り次ぎ口に案内標識がないということはないはずだ。

立ち止まってもう一度、今度は携帯で確認してみた。

あれ? そうとう右に進んでしまっている…っていうか、GPSの軌跡を見てみると林道出合地点が地図よりずっと右に出ていて、取り次ぎ口は左になってる…。

ということで、林道出合地点まで戻ってみる。そして道標を見てみると…

ちゃんと、「御前岳・釈迦岳山頂」は左になってるじゃないか…。道標はちゃんと見ようね…。

 

気を取り直して左に進む。するとすぐに取り次ぎ口を発見。

まぁ…気づくのが早くてよかったな…(汗)

 

ここからは勾配がきつくなってくる。よじ登るとまではいかないが、これまでの行程よりはきつい登りだ。

とはいえ、トラバースしているし、道は相変わらず整備されているので登りやすい。

進んでいくと少しずつ道が険しくなってきた。

山頂近くになるとどの山も変わらないんだな(汗)。

ところどころにロープや鎖が取り付けてあるが、あまりそういうものに頼らずに登る。

これは最近見たTV番組からの受け売りだ。

「あくまでもロープや鎖は補助的なもの」で、きちんと手足を使って三点支持をしながら登り下りしよう。

 

道は険しくなってくるが、少しずつ空も開けてきた。遠くの山が見えてきた。

紅葉もここまで登ってくると進んでいる。

それにしても勾配がなかなか終わらないな…

途中、かなり開けた場所から山頂方向を見る。まだあんなにあるんかい…(汗)

ジグザグの道を進み、スズダケをかき分け、岩をよじ登り、汗を拭きながら進むと…

 

山頂到着~w

山頂からの眺めは良好。木々はあるが、それでもきちんと整備されているので眺望はほとんど360度可能だ。

福岡方面、大分方面、それに熊本方面も見ることができる。熊本方面で目立つのは「八方ヶ岳」だ。ほんとにどっから見ても同じ形に見えるのがすごいな。

ここで気づいたのは、熊本方面の山々はなだらかに山々が連なっているが、福岡方面や大分方面の山はひとつひとつの山がトンがってるってこと。

ふむ…山ってこうしてみると面白いなぁ…。

 

しばらくするとソロの登山客が登頂してきた。

挨拶がてら話をしていると、それに続いてご婦人方の御一行がゾロゾロと登頂してこられた。7~8人のパーティーで、東京から来たらしい。

聞けば明日は熊本の国見岳に登るとのこと。私が熊本からだと告げるといろいろと聞いてきたので、国見岳の情報と熊本の宣伝をしこたましてあげた。

それにしても今日「御前岳~釈迦岳」に登って、明日は「国見岳」に登頂とはすごいパワフルなオバちゃん達だな…(汗)

 

ワイワイと賑やかな御前岳山頂を後にして、次なる「釈迦岳」へ向かう。

詳しく説明すると、その目的の山は釈迦岳の「本釈迦」と言われる山で、最高峰はその先にある「普賢岳」と言われるレーダー塔のある山らしい。

ここからは御前岳~釈迦岳の稜線を進む。高低はあまりないので山歩き的な山道である。

紅葉の中を進んでいくのでとても気持ち良く、足取りも軽い。

ところどころで北や南方向を望める所があり、景色もいい。

こりゃいい道だわぃw

しばらく進むと釈迦岳が見えきた。 凄いトンがってる…。

一旦下るが、それからほとんどを岩登りに費やして山頂を目指す。

山頂近くになると御前岳方向が見えてきて、歩いてきた稜線も含めて一望できる。紅葉が素晴らしく美しい。

 

そして山頂に到着w

眺望がこれまた素晴らしい。ここもまた木々が邪魔してはいるが、ほぼ360度を見渡せる。

ここ釈迦岳の本釈迦には一等三角点がある。一等というとあまりお目にかかれない三角点だ。記念に写真を撮っておこう。

山頂は山自体がトンがってるもんだからあまり広くない。こりゃさっきのご婦人たちが来たら居場所もままならないと思い、しこたま写真だけをとってさっさと降りることにした。本当はここで昼食の予定だったが仕方がない。この先のレーダー塔に行ってみることにしよう。

岩場の急な下りを終えるとその先に道標があり、まっすぐ下ると登山口のある林道へ、左に行くと「マイクロウェーブ(展望台)国土交通省」とある。

よし、この洒落た名前の国交省の展望台で昼食としよう。

200mほどの山道を進むといきなり近代的なレーダー塔の足元に出た。

この塔は雨雲レーダーらしく、九州の雨雲の動きを予想するための施設のようだ。

この日は小学生がたくさん広場を占領しており、部外者の私がノコノコと行ってお昼をするような雰囲気ではなかったので、写真を撮って一服休憩してそそくさと退散することにした。

それにしても福岡の山は熊本の山と違って賑やかだ。熊本の山だとほとんど誰もいないので自儘に好きなとこで好きなことができるが、他県ではそうもいかないらしい。人が多いと寂しさは全くなくなるが、気遣いが必要になってくるので良し悪しだな…。

 

さて、先ほどの道標まで戻り、下山する。昼食は途中に広場でもあればできるしね。

釈迦岳からの登山道も良い。ただ、山頂付近の急勾配は小石が多いので滑りやすくなっている。特に下りは捻挫とかするかもしれないので注意しよう。

急勾配が終わりかけで釈迦岳を見上げれる場所がある。

ここからの釈迦岳(本釈迦)の威容は素晴らしく、切り立った岩場を見ると「本当に登れるの?」と思えるほどの貫禄だ。こちら側から登る登山者の皆さん、安心してください。登れます。

中腹を過ぎると道がなだらかになってきた。その道を鼻歌まじりに進んでいくと林道に出合う。

釈迦岳側の登山口だ。駐車場も広く、こちら側からの登山者が多いのだろう。

駐車場にはマイクロバスが駐車してあった。先ほどの子供達はここから登ったのだろうか。

登山口の反対側の駐車場脇から遊歩道は続いている。ここを私がスタートした駐車場まで進む。

林道を跨ぎながら進むこの遊歩道は岩が多く歩きづらいが、道がはっきりしているし、ところどころに道標もあるので迷う心配はなさそうだ。

何本か林道を跨いだところで小川が流れる沢があり、ここでちょっと遅くなったが昼食としよう。

昼食をしていると、登山客がたくさん通り過ぎる。さっきのご婦人様御一行もワイワイ通り過ぎていった。少しお疲れ気味だったが、明日の国見岳は大丈夫なのか?

 

大休止を終えて最終行程に入る。最後の県道跨ぎが終わると、ちょっと長めの下りの山道を進むことになる。道がクネクネしているので、本当に道があっているのか心配だが、携帯の電波はしっかり入っているので確認しながら進むことができるし、道自体が一本道なので安心だ。

小川だった沢がどんどん広くなり、大きな川となり始めたところで林道に出る。ここからは舗装された林道を歩く。距離的にはここから2km程度だ。

途中に「八ツ滝」という滝があり、ちょっとここで休憩がてら滝を眺めて癒されよう。

林道歩きは沢のせせらぎをBGMに、森林浴でマイナスイオンを浴びまくりながら自然を満喫する。天気が良いととても気持ちいいなぁ~w

そうこうしているうちに大きな吊り橋を発見。この橋は杣の里の施設側からしか入れないようになっており、遊歩道からは渡ることはできない。ちょっと残念だが、興味のある方は杣の里に立ち寄り渡ってみても損はないような、深い谷間に掛かった長い吊り橋だ。

その吊り橋の先のカーブを過ぎると駐車場に到着。

 

お疲れ様でした~w

 

今回登った「御前岳~釈迦岳」のこのルートは何度も言うように整備が行き届いており、初心者でも簡単に登ることができる。また、釈迦岳側のレーダー塔のある山には車で登ることもできるので、そこから御前岳への稜線を散策する簡単なトレッキングも可能であり、老若男女が手軽に楽しめる自然遊歩道となっている。

熊本の山々で散々な目に遭いながらも鍛えられている私からすれば物足りなさが残るコースではあったが、家族やお手軽な登山にはもってこいのいい山である。

 

<今回のルート>(クリックで拡大)

 

〜最後に今回の植物たち〜

 

 

 

おわり