はまだしよ~ご事典 その231  彼女はブルー | ANOTHER SCRAPS ~浜田省吾さんの事 家族の事 思いつくままのブログ~

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ヤフーブログが終了という事でこちらに引っ越してきました。
浜田省吾さんの話題がメインですが、
好きな事を勝手に書き連ねているブログです。
こちらでもよろしくお願いいたします。

アルバム「青空の扉」収録。

ふいに届いた
仕事で出掛けた外国から送ってくれた
彼女からの絵葉書
旅先での仕事のことや
その土地の風景や食べ物のことが
感情をまじえず書かれていた
しかし僕は彼女の心の中にある 陰
もしくは痛みを感じた
それが何なのかはわからなかった
おそらく 不慣れな土地での仕事に
少し疲れているのだろう
そんな風に思った

それから2ヶ月後 僕等はひさしぶりに
会う約束をした
彼女に会うのは1年ぶりだった
街角の小さなコーヒーショップで待ち合わせ
彼女の運転する車であてもなく通りを走った
カーラジオに合わせて古い曲を一緒に歌い
お互いの仕事のことを報告し合った
長い信号待ちの交差点で彼女が言った
「私の新しいアパートの部屋 見る?」
「別に構わないけど 彼がいい気持ちしないんじゃないか?」
「あのね 私ひとりが引っ越したのよ」
「というと?」
「多分 私達別れることになると思う
でも まだよくわからない・・・・
とにかく もう一緒には暮らさないことにしたの」


彼女のアパートは建物自体は古いが清潔で
仕事部屋とベッドルームとリビングダイニング
そして小さなキッチンがある部屋だった
「どう思う?この部屋」
その部屋には家具がなかった
ベッドすらなかった
いったいどうやって寝てるのだろう?
そう思いながら僕は答えた
「すごくいいよ 何より明るいのがいいね」
「でしょ?結構気に入ってるの
ねぇ あなただったら何色のカーテンにすると思う?」
Blue・・・頭の中に最初に浮かんだイメージ
「う~ん 明るいオレンジかな?太陽の匂いのする」

(ON THE ROAD 96 ツアーパンフレットに掲載の本人の散文より)

「少年の心」と同系列の、
省吾さんお得意「友達以上恋人未満」的ラブソング。
この曲の情景は「彼女はブルー」の原案と言われるこの文に全て現されてる。

「片想いのまま」の彼女に一歩踏み出せないでいる主人公。
肯定的なラブソングが多いアルバム「青空の扉」の中では、
少し異色な作品ではあるけど、
この微妙な距離感も、また一つの愛の形。