アルバム「青空の扉」収録。
アルバム先行シングルとして「あれから二人」とのカップリングで発売。
この『青空の扉』というアルバムは、
自分にとっては作れるはずのなかったアルバム。
すごく大げさな言葉で言うと、
ソング・ライティングの神様が与えてくれたような10曲。
歌を作るときに、僕は結構苦しんで詞を書く。
でもこのときは、苦しむことなく歌が書けた。
テーマはラブ・ソング。それも「愛している」と言うラブ・ソング。
僕は、いちばん優れた歌というのは「君がいるから僕の人生に意味が生まれた」
というシンプルなラブ・ソングだと思っている。
ただ、最初からそれが出来ればいいんだけど、
そこにたどり着くまでに紆余曲折がある。
でも、僕にとってはそこがたどり着くべきところ。
『青空の扉』はまさにそういうアルバムで、
自分が作ったものの中でいちばん優れていると思う。
人を愛することや生きることに絶望して、もう何もかも嫌になってしまう。
それでも人は生きていかなきゃいけない。
現実があらわになっていろんなものに幻滅して、
それでも生きていかなきゃならないときは、
自分で生きる喜びを作ってやらなければいけない。
雲の向こうに青空があるけれど、待っていても誰も与えてくれない。
だから自分でドアを見つけて開けて、
その絶望や幻滅の世界から出ていく。そういうことをテーマにしたかった。
誰か愛する人を見つけたときに、
若いときのように情熱だけですべての問題をクリアーしていくのではなく、
今度は、相手も自分も幸せになれるように努力しなきゃいけない。
1曲目の「BE MY BABY」はサウンド的にも内容的にもそれをシンボライズしている曲だけど、
実質的には「さよならゲーム」がオープニングの曲。
人との出会い、それは奇跡なんだというところからはじまる。
“ON THE ROAD 2001”のフィルムでも主人公のマリアを通じて語らせているけれど、
人生の中のいちばんの醍醐味は人に出会うことだと思う。
(省吾談)
ちなみに曲名の由来は
野球のサヨナラゲームのように「勝って試合を終わる」という意味と
「ゲームのような日常に、さよならをする」というダブルミーニングで、
映画「さよならゲーム」とは關係ないみたいである。
先日の「FFF2016」で久しぶりに披露された。
マイクスタンドで歌う省吾はカッコいい。