弁護士ドットコム 2024年3月期 通期決算 | 投資家リプリーの気まぐれブログ

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弁護士ドットコムが2024年3月期 通期決算を発表しました。

中身を見る前に、まずは株価を見てみましょう。

 

1) 株価

 

月足は以下の通り;

2020年10月に最高値 15,880円を記録。

それ以後は長い下降トレンドに入ったが2023年3月に底打ち。

以後は反転上昇し8月には 5,000円台に戻したが、 

9月に天井を打って反転、そのまま下落傾向を続けています。

 

 

日足は以下の通り;

 

昨年9月6日に直近高値の 5,800円を付けた後は

米長期金利上昇に伴う世界的なグロース株売りの流れに

押されたのか下落。

以後は決算発表の後に多少戻す場面もあったが

下落の大きな流れは変わらず。

 

4月末頃から少し戻し始め、5月に入って約2ヶ月ぶりに

25日線を上抜けしたところで、今回の決算発表です。

 

 

さて、決算内容を見てみましょう。

 

 

2) 2024/3期 通期決算

 

  a) 当期決算: 増収増益
 
 売上は前年比 30%増、営業利益は 13%増、と好調。
 但し、注意が必要です。
 
 前年度まで当社は子会社を持っておらず、決算は
 弁護士ドットコム社の単体決算でした。
 しかし、昨年10月に判例データベースを提供する会社
 「LIC社」の全株を取得し子会社化したため、
 当年度からは連結決算となりました。
 
 つまり、当年度下期の売上には LIC社売上を含むため、
 売上がその分増加するのは当然です。
 
 では事業分野別の売上を見てみましょう。
 LIC社の売上は一番下のオレンジの部分「弁護士支援サービス」に
 含まれています。
 オレンジの部分の括弧内の数値が「弁護士支援サブサービス」の
 LIC社を含まない数値です。
 この部分とその上の薄オレンジ「有料会員サービス」は
 ほぼほぼ横這いとなっていますが、それ以外の部分、特に青色の部分の
 主力「クラウドサイン」は大きく伸ばしています。
 
 つまり、元々のビジネスは順調に伸びており、
 そこにLICが加わったので更に伸びた… という事のようです。
 
 
 営業利益の推移は下図の通り;

 

 以前は営業利益率が大きく上下する事もありましたが、

 当年度に入ってからは 11%前後で安定しています。

 通常、企業買収の後は統合作業や合理化のために

 営業利益率は下がる事が多いのですが、当社は今のところは

 上手くこなしているようです。

 

 

b) 安全性: 良好

 

 総資産が前年度末の 44億円から1年間で 102億円に大幅に増加。

 買収したLIC 社の総資産が約20億円なので他で40億円程増えた模様。

 最も増えたのは「無形固定資産」→ 26億円増加

 次が「現預金」→ 18億円増加 (余裕資金が増えている)

 

 無形固定資産で最も増えたのが「技術資産」14億円 (後述AI関連か?)

 次が「のれん」7億円 (LIC社買収によると思われる)

 

 これらの資産増を、主に長期借入金 (27億円)と

 剰余金増 (当年度の利益、9億円)で賄っている。

 長期借入金が増えたので自己資本比率が下がったが、

 それでも 40%と特に問題ないレベル。

 → 総資産が倍以上に増えているが、増資とかせずに上手く

  やりくりしたと言える。

 

 流動比率は 195%で、一般的に「余裕あり」と言われる200%に

 近く、心配はなさそう。

 → このブログの第2四半期決算直後の記事で「9億5千万円の短期借入が

   流動比率を悪化させた模様で、長期借入に切り替えるべき」と

   記載しましたが、きっちり切り替えられており短期借入金は

   なくなっていました。

 

 営業キャッシュフローは前年度までの過去5年はプラスで

 当年度も十分なプラス。

 

 売掛金回収期間は1.9ヵ月で常識的な範囲。在庫はほぼゼロ。

 全く問題ない。

 

 

 c) 収益性: まあまあ。

 

 売上総利益率は79%と非常に高いレベル。

 但し、物販ではない当社の業態では高くて当たり前とも言える。

 

 営業利益率は11%とまあまあ。

 前々年度の17%、前年度の13%よりは悪化したが、下げ止まった感じ。

 

 

 d) 成長性: 良好

 

 クラウドサインを開始した 2019/3期から2023/3期までの

 4年間の年平均成長率は29%。

 そして 2024/3期にはLIC社を買収し半年分の売上を取り込み。

 2025/3期にはLIC社の売上1年分をフルに取り込む上に、

 新たにこの5月に買収した「弁護革命」の売上11ヶ月分を取り込む。

 それやこれやで 2025/3期の売上は前年比 30%増を見込む。

 

 

 更に生成AIを利用した「リーガルブレイン」の開発も進めており

 (前述の「技術資産」はこの為の投資と推察される)

 これが商業化できれば更なる成長が期待される。

 

 

総括:

① 安全性と成長性は良好。

② 収益性は過去より悪化していると言っても

 営業利益11%という数字は決して悪い数字ではない。

③ クラウドサインは順調に伸びている。

  サブスクだし時代の流れなので落ちる心配はあまりない。

④ リーガルブレインが商業化できれば更なる成長が期待できる。

 

 

以上です。

 

  

尚、この財務分析・評価は筆者個人の考え方に基づいて行ったもので、

別の見方をされる方もおられるかもしれません。

また、数字やグラフも含め、内容には筆者の書き間違いや

勘違いが含まれているかもしれません。

 

いずれにせよ、この記事は投資を推奨するものではありません。

数字はご自分で検証の上、投資は自己責任でお願い致します。

 

以上です。

 

追記;

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