弁護士ドットコムが2024年3月期 通期決算を発表しました。
中身を見る前に、まずは株価を見てみましょう。
1) 株価
月足は以下の通り;
2020年10月に最高値 15,880円を記録。
それ以後は長い下降トレンドに入ったが2023年3月に底打ち。
以後は反転上昇し8月には 5,000円台に戻したが、
9月に天井を打って反転、そのまま下落傾向を続けています。
日足は以下の通り;
昨年9月6日に直近高値の 5,800円を付けた後は
米長期金利上昇に伴う世界的なグロース株売りの流れに
押されたのか下落。
以後は決算発表の後に多少戻す場面もあったが
下落の大きな流れは変わらず。
4月末頃から少し戻し始め、5月に入って約2ヶ月ぶりに
25日線を上抜けしたところで、今回の決算発表です。
さて、決算内容を見てみましょう。
2) 2024/3期 通期決算
以前は営業利益率が大きく上下する事もありましたが、
当年度に入ってからは 11%前後で安定しています。
通常、企業買収の後は統合作業や合理化のために
営業利益率は下がる事が多いのですが、当社は今のところは
上手くこなしているようです。
b) 安全性: 良好
総資産が前年度末の 44億円から1年間で 102億円に大幅に増加。
買収したLIC 社の総資産が約20億円なので他で40億円程増えた模様。
最も増えたのは「無形固定資産」→ 26億円増加
次が「現預金」→ 18億円増加 (余裕資金が増えている)
無形固定資産で最も増えたのが「技術資産」14億円 (後述AI関連か?)
次が「のれん」7億円 (LIC社買収によると思われる)
これらの資産増を、主に長期借入金 (27億円)と
剰余金増 (当年度の利益、9億円)で賄っている。
長期借入金が増えたので自己資本比率が下がったが、
それでも 40%と特に問題ないレベル。
→ 総資産が倍以上に増えているが、増資とかせずに上手く
やりくりしたと言える。
流動比率は 195%で、一般的に「余裕あり」と言われる200%に
近く、心配はなさそう。
→ このブログの第2四半期決算直後の記事で「9億5千万円の短期借入が
流動比率を悪化させた模様で、長期借入に切り替えるべき」と
記載しましたが、きっちり切り替えられており短期借入金は
なくなっていました。
営業キャッシュフローは前年度までの過去5年はプラスで
当年度も十分なプラス。
売掛金回収期間は1.9ヵ月で常識的な範囲。在庫はほぼゼロ。
全く問題ない。
c) 収益性: まあまあ。
売上総利益率は79%と非常に高いレベル。
但し、物販ではない当社の業態では高くて当たり前とも言える。
営業利益率は11%とまあまあ。
前々年度の17%、前年度の13%よりは悪化したが、下げ止まった感じ。
d) 成長性: 良好
クラウドサインを開始した 2019/3期から2023/3期までの
4年間の年平均成長率は29%。
そして 2024/3期にはLIC社を買収し半年分の売上を取り込み。
2025/3期にはLIC社の売上1年分をフルに取り込む上に、
新たにこの5月に買収した「弁護革命」の売上11ヶ月分を取り込む。
それやこれやで 2025/3期の売上は前年比 30%増を見込む。
更に生成AIを利用した「リーガルブレイン」の開発も進めており
(前述の「技術資産」はこの為の投資と推察される)
これが商業化できれば更なる成長が期待される。
総括:
① 安全性と成長性は良好。
② 収益性は過去より悪化していると言っても
営業利益11%という数字は決して悪い数字ではない。
③ クラウドサインは順調に伸びている。
サブスクだし時代の流れなので落ちる心配はあまりない。
④ リーガルブレインが商業化できれば更なる成長が期待できる。
以上です。
尚、この財務分析・評価は筆者個人の考え方に基づいて行ったもので、
別の見方をされる方もおられるかもしれません。
また、数字やグラフも含め、内容には筆者の書き間違いや
勘違いが含まれているかもしれません。
いずれにせよ、この記事は投資を推奨するものではありません。
数字はご自分で検証の上、投資は自己責任でお願い致します。
以上です。
追記;
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