先週11月27日、このブログで「2024年1月、新NISA開始!」
という記事を掲載しました。
その記事で初心者の方にお勧めの買い方として、
「4つの分野の投信に分散して毎月投資、かつ、同額ではなく
その月の投資を行った後に4分野の資産評価額が25%ずつに
なるように調整した金額を投資する」
という方法をお勧めしました。
これについて補足します。
この方法は初心者の方の中でも特に次のような考えを
持っておられる方にお勧めです。
⓵新NISAをきっかけに投資を始めてみたい。
でも、投資で損をするリスクはできるだけ避けたい。
②投資を行う目的は長期の資産形成。
コツコツと増やしていきたい。
逆に言えば、短期的な利益を追求したい人、
その為には損するリスクも厭わない人には、
この方法は向いていません。
では、この方法がどういいのか?
具体的にシミュレーションしてみましょう。
下図の様な値動きの投信があったとします(投信A)
1年周期で上下に±30%動き、10年後には最初の買値に
戻ったとします。
この投信Aを毎月、1万円ずつ買ったとします。
この場合の、投信残高の評価額は、以下の様に動きます;
価格が高いときに売れば結構儲かり、
安いときに売らざるを得なくなれば結構損します。
10年間120カ月の内、
評価額が投資額を上回っているのは67カ月、
下回っているのは53カ月。
10年後に買値に戻った時に売ると、
それまでの総投資額120万円に対し約125万8千円。
10年で利回り4.8%、これに分配金が加わる事になります。
これが、ドルコスト平均法の効果です。
期間が長ければ長いほど、値動きが激しければ激しいほど、
効果は大きくなります。
では、これに別の投信、投信Bを合わせて買うとします。
投信Bの値動きは2年周期で上下に±20%で、
10年後には最初の買値に戻ったとします。
投信Aと合わせた価格の推移は;
この投信AとBを毎月半分、5千円ずつ買った場合の評価額は;
10年間120カ月の内、
評価額が投資額を上回っているのは64カ月、
下回っているのは56カ月。
10年後に買値に戻った時に売ると、
それまでの総投資額120万円に対し約124万1千円。
10年で利回り3.4%、これに分配金が加わる事になります。
投信Aに集中投資したほうが成績が良いようです。
これは、投信Aより値動きの小さい投信Bを合わせた為です。
前提条件を変えれば結果も変わってきますが、単純な分散投資では
数字の上での効果はあまり出ないようです。
→ これは、ある意味当然です。
分散投資の主目的は「利益拡大」ではなく「リスク縮小」ですから。
では、この投信Aと投信Bとを、冒頭で述べた方法で買ってみます。
具体的には;
⓵1ヵ月目、Aを5千円、Bを5千円買う。
②2ヵ月目、Aの価値が5,750円、Bの価値が5,260円、
計 11,010円になっていたので、今月の投資分1万円を足し
計 21,010円、半分に分けて 10,505円になるように
Aを4,755円、Bを 5,245円買う...
という事を毎月繰り返します。
AとBとの評価額差が大きくなり過ぎて1万円では差を
埋めきれなくなった場合は、評価額の小さいほうに
1万円全額を投資します。
この場合の評価額は;
10年間120カ月の内、
評価額が投資額を上回っているのは79カ月、
下回っているのは41カ月。
10年後に買値に戻った時に売ると、
それまでの総投資額120万円に対し約135万円。
10年で利回り12.5%、これに分配金が加わる事になります。
投信Aのみ、AとBに均等投資、の2つの方法に比べ
格段に良い成績になります。
「リスクを抑えながら、利益拡大を目指す」
という目的に合っていると思われます。
今回は2つの投信に分散して行う前提でシミュレーション
しましたが、これを4つの投信で行うというのが、
先週の記事で述べた「お勧めの方法」です。
いかがでしょうか?
結果の数字は前提条件を変えれば幾らでも変わり、
実際のパフォーマンスは大きく異なるとは思いますが、
「NISAのメリットを活かして長期の資産形成をしたい、
でもリスクはできるだけ低く抑えたい」という方には、
適した方法だと思います。
以上です。