エニーカラー、2023年4月期 通期決算 | 投資家リプリーの気まぐれブログ

投資家リプリーの気まぐれブログ

株式投資に関して気になった事、調べた事などを気まぐれにアップしていきます。

エニーカラーが本日6月14日、2023年4月期 通期決算を

発表しました。

 

中身を見る前に、まずは株価推移を見てみます。

 

 

(1) 株価;

 

 日足です。

 

 

 当社は2022年6月に上場。

 2022年10月に上場来最高値 13,790円を記録した後は

 上場時の主要株主の持ち株売却や2023/4期Q2の期待外れの決算

 などを受けて下落し、低迷。

 

 ところが本年3月15日に上場来安値 3,930円を記録した直後、

 2023/4期 Q3決算を受けて急上昇、以後は6,000円前後で推移。

 

 そして、5月末頃から再度上昇開始。

 6月8日には東証グロース市場からプライムに格上げされ、

 6月12日には200日線を突破(その後は200日線前後で推移)

 というところで、本日、決算発表を迎えました。

 

 では、決算の中身を見てみましょう。

 

 

(2) 2023年4月期(当年度) 通期決算; 

 

 ① 当期決算; 大幅な増収増益。

 

  売上は前年同期比 79%増。

  営業利益は前年同期比 約2.2倍に増加。

 

  当社は昨年12月の上期決算発表時に通期見通しを

  売上は 7%以上、営業利益は 18%以上の上方修正。

  更にQ3発表時には売上 11%、営業利益 19%の

  上方修正を行なっていたが、結局はその見通しより

  売上は 1%、営業利益は 2%上回って着地。

 

  セグメント別では;

  全社売上の73%を担う日本語サービスの「にじさんじ」の

  売上の四半期毎の推移は以下の通り;

  

  「にじさんじ」の売上は順調に上昇トレンドに載っている

  ように見えるが、Q4の売上は直前のQ3よりは下がっている。

  と言っても前年同期比では44%増。

  また、毎年Q4は直前のQ3より下がっており、

  単に季節要因かもしれない。

 

  一方、売上の25%を担う英語サービス「NIJISANJI EN」の

  売上推移は以下の通り;

  

  「NIJISANJI EN」の売上は通年で見ると大幅に伸びているが、

  四半期別に見るとQ4売上は「にじさんじ」同様に

  直前のQ3よりも落ちている。

  やはり前年同期比では70%増と大きく伸びてはいる。

  「Q3が異常値で、Q1以降は下落傾向」と見えなくもない。

 

 

 ② 安全性; 非常に良好。

 

  流動比率は347%で一般的に「余裕あり」と言われる200%を

  大きく上回っている。現預金は流動負債(今後一年間で

  払わねばならない負債額)の 2.5倍近くもある。

 

  営業キャッシュフローも大幅な黒字。

  純資産は当期の利益により倍増。


  売掛債権回収期間も1.7ヶ月と常識的な範囲内。

  在庫期間も1.2ヶ月と常識的な範囲内。

 

  これらより、資金繰りは余裕たっぷりと見られる。

 


 ③ 収益性; 非常に良好。

 

  営業利益率は前年度も30%と高かったが当年度は

  37%と更に上昇。

  翌期(2024/4期見通しも営業利益率は38%と

  当年度の高いレベルを維持する見通し。

 

  ROEも前年度は 44%と非常に高かったが当年度は

  51%と極めて高い。

 


 ④ 成長性; 非常に良好

 

  前年度は前々年度比 85%増、当年度は前年度比 79%増。

 

  翌期(2024/4期)見通しは前年度比 30%増の計画、

  と急上昇を継続。

  但し、増加のペースは当年度よりは落ちる。

 

 

(3) 結論;

 

 業績は好調、安全性の懸念も特になく、収益性も非常に高く、

 成長性も十分、という状況で、申し分ない。

 

 一方、昨年10月以降に株価を下げた主な要因は;

 ① 9月にQ1の好決算を見て「この上昇が今後も継続する」との

  期待で株価は急上昇したが、Q2の結果と下期の見通しを見て

  「上昇は止まったか?」と心配されて売られた。

 ② 大口株主の持株売却。

 ③ 地合いが悪かった。

 

 だと思われます(個人的意見です)。

 

 これが、今年3月から上昇に転じたのは;

 ①Q3の決算で売上/利益を大きく伸ばし、成長は継続していると

  再評価された。

 ②大口株主に大きな動きは見当たらず。

 ③日本株を巡る地合いが大きく改善した。

 

 だと思われます(個人的意見です)。

 

 これが今回;

 ①-a) 通期実績は非常に良かったが、Q4はQ3より見劣りした。

 ①-b) 2024/4期見通しは売上30%増と急成長継続、とは言え

      2023/4期実績(79%増)よりは見劣りする。

 ②/③は変わらず。

 

 

さて、これらを踏まえて明日以降、株価がどう動くか?

興味深いですね。

 

 

以上です。

 

尚、この財務分析・評価は筆者個人の考え方に基づいて行ったもので、

別の見方をされる方もおられるかもしれません。

また、数字やグラフも含め、内容には筆者の書き間違いや

勘違いが含まれているかもしれません。

 

いずれにせよ、この記事は投資を推奨するものではありません。

数字はご自分で検証の上、投資は自己責任でお願い致します。

 

Oisix(オイシックス)食材宅配おためしセット