貯蓄から投資へ!(後篇) どう手を付けていけばいいか | 投資家リプリーの気まぐれブログ

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株式投資に関して気になった事、調べた事などを気まぐれにアップしていきます。

以前から話題になっている「老後2千万円問題」

加えて最近政府が強調し始めた「貯蓄から投資へ!」

 

それやこれやで「投資をしてみよう」と思う人が増えてきているようです。

でも実際に投資を始めるとしても「何からどう手を付けたら良いか

判らない」という人が結構多いという話も聞きます。

 

そこで、主に「これから投資を始めよう」と思っている方々に向けて

「やらない方がいい事」

について【前編】で記載しました。

 

ここでは【後篇】「どう手を付けていけばいいか」

について、私の考えを記載したいと思います。

 

 

前編では「これから投資を始める方がしない方がいいと思うこと」として

以下3つを記載しました;

① 短期売買で儲けようと思う事。

② 近いうちに使うかもしれないお金を投資に回す事。

③ ネットなどで話題沸騰中の株を買う事。

 

これを踏まえて、ではどうするか?

以下の順序で記載します;

(1) 取り組み方

(2) 何に投資するか

(3) どのように投資するか

 

 

(1) 取り組み方;

 

以下によって取り組み方は異なります;

 (a) 月々の収入が支出を上回っているかどうか?

 (b) 既に纏まった金額の貯金があるか?

 

 

 (A) 図の◯の人;

  新卒の社会人などで多いパターンだと思います。

  毎月の収入から支出を引いた残りの一部を投資に回し、

  少しずつ、しかし着実に、資産を大きくしていきたいです。

  ただ、資産が大きくなるのには時間がかかります。

 

  「毎月」「時間がかかる」

  この2つの状況を最も有利に利用できる仕組みが以下の2つです。

  

  ①ドルコスト平均法;

   毎月、同じ金額で同一の金融商品を買う決まりとする。

   この場合、その金融商品の値段が安い時は沢山買え、

   高い時は少ししか買えないので、結果的に平均した

   購入単価が安くなる。

   → 毎月投資に回せる金額が小さくても、購入量を調節できる商品、

    つまり 1円単位で買える商品が良い。

    (例えば、毎月投資に回す額が3万円で、単価が2万円程度で

    変動する商品を買った場合、単価が1万9千円になっても

    2万1千円になっても毎月1つしか買えない。

    従いドルコスト平均法が使えない。こういうのは避ける)

 

  ②複利;

   投資したものが定期的に金利や分配金などを生み出す場合、

   それを受け取らずにそのまま投資に上乗せする(再投資と言います)。

   その後はこの上乗せ分にも金利/分配金が付き、それも再投資すれば

   それにも金利/分配金が付き... という具合に、資産が雪だるま式に

   膨らんでいく。

   → 定期的に(できれば年4回とか2回とか。最低でも年1回)分配金などを

    受け取れる商品がよい。

 

   例えば、月3万円ずつ積み立てるとします。

   33年間で積み立てに払った金額は、累計 1,188万円です。

   これを半年に一回残額の1.5%相当の分配金をもらえる投信を選び、

   これを複利で回すと、33年後の残高は、2,035万円です。

   元金の合計より7割も増えており、2,000万円問題は解決です。

   これが「複利」の威力です。

 

 

  つまり、◯の人には「ドルコスト平均法と複利とを同時に利用できる

  金融商品を選ぶ」事がお勧めです。

  具体的には;

  ①1円単位で買える。

  ②定期的に金利や配当などの分配金がある。

 

  この両者を満たす投信などがいいと思います。

 

 (B) 図の◎の人;

  毎月の収入から支出を引いた残りの一部を投資に回す点は

  図の◯の人と同じで「ドルコスト平均法と複利とを同時に

  利用できる金融商品」を選ぶのがいいでしょう。

 

  加えて、既にある貯金を運用して、更に増やす事を目指したいです。

  但し、ここで注意すべきなのは、貯金のうち「近いうちに使うかも

  しれない金額」は予備にとっておく事。

 

  ここで言う「運用」には以下の2通りがあります;

 

  ① 買った商品の価格が上がる事による資産価値の上昇を狙う。

   → その商品を売らなければ利益は実現しない。

    例えば、10年間持っておくとして、5年後にその商品の価値が

    倍になったとしても、そこで売らずにいる間に価値が下がって

    しまえば意味がない。

   → つまり、買った時と売った時の値差だけが勝負。

   → 逆に言えば「10年は持つ方針」だとしても、同時に

    「利幅が◯%以上になったら10年経ってなくとも売り、

    別の割安の物に乗り換える」というルール決めをするのも手。

  

  ② 金利や配当などの分配金の収入を狙う。

  → 銀行の定期預金の利子は年利0.002%とか(100万円預けて年20円)

   ですが、株だと配当利回り3〜4%のところは結構あるし

   円建て社債も2〜3%、ドル建債券だと4〜5%とか中には7〜8%とか

   のもあります(但し利率の高い債券は下落リスクも高い)。

  → 持ってる間に価格は上下するが、ずっと持っていて売る気がないなら

   その間の価格の上下など無視し、分配金をしっかりもらえればOK

   という発想もあり。

  → 分配金を追加の収入として使うも良し、再投資に回して複利を狙うも良し。

 

  ①②どちらを狙うかは、貴方の考え方次第。

  もちろん、両方狙うのもあり。

  何を狙うかにより、買うべき商品も変わってきます。

 

 (C) 図の△の人;

  まずは収入を上げる、または支出を下げるかして

  「収入>支出」となるように努力しましょう。

  それが難しい場合、貯金を投資に回し、運用して分配金をもらい、

  収入の足しにするのが良いでしょう。

  つまり、(B)の②で述べた「分配金の収入を狙う」です。

  それも毎月分配金のある投信を買うのが良いでしょう。

  

  例えば「ダイワJ-REITオープン」という投信。

  6/10時点の基準価格が2,815円で、月々の分配金が(今のところ)60円、

  基準価格の2.1%です。

  つまり、この投信を100万円分持っていれば、月2万円以上の分配金が

  もらえている状況、という事です。これは家計の助けになりますね。

  → 但し、この手の投信は収益だけでなく資産を売却して分配金を

   捻出する事が多く、持ってる資産がその分目減りしていく事があります。

  → 分配金の金額も突然変わる事があります。

  → 従い、こういう分配金でしばらく食い繋ぎ、その間にやはり

   収入増か支出減の為の手立てを考えた方がいいと思います。

 

 (D) 図の×の人;

  投資の事はしばらく忘れ、収入増か支出減の為の手立てを考えましょう。

  「月々の資金の不足分を投資で補おう」などとは考えない方がいいです。

  これ即ち【前編】で述べた「やらない方がいい事」の①②に当たります。

  そういう余裕の無い人は往々にして冷静さを失い、ネットで話題の株に

  飛び付いたりして【前編】の③にも当てはまってしまいがちです。

 

 

(2) 何に投資するか?

 

  株、債券、金などの商品、FX、REITなど、色々なテーマがありますが、

  今考えているのは長期投資です。長い期間の間に何が上がり何が下がるかなど

  判るわけがないので、ここはどう振れてもいい様に「分散投資」を

  考えるのがいいと思います。

 

  例えば月々の積立額が大きい場合は、それを国内と海外に分け、

  更にそれを株、債券、REITに分ける、などです。

  金額が分ける程には大きくない場合は、単独で分散投資を

  テーマにしたもの(バランス型)がいいかもです。

 

  ただ、自分自身で「これからはEVだ!」とか「これからはインドだ!」

  というように何か特定のテーマに思い入れのある方は、そういうテーマに

  絞って考えても良いかと思います。

 

 

(3) どのように投資するか?

 

 これは以下の2点;

 

 ① 例えば特定の会社の株を買う、とか社債を買うとか、自分で選んで個別に買うか?

  それとも、投信経由で買って個別の運用は投信のファンドマネージャーに任せるか?

  → 会社の財務諸表の見方や市場動向等を勉強し研究し考える事そのものを

   「楽しい」と思える人は、自分で研究して選んで個別の金融商品を買うのが

   楽しさも味わえて良いと思います。

  → そういう勉強とか面倒、という人は、多少手数料を払っても投信を買う方が

   良いと思います。(そういう勉強が「楽しい」と思える人でなければ、

   そういう勉強をする時間と労力があればそれを本業のスキルアップの

   為に使った方が効率がいいと、個人的には思います)

  → 手数料が気になる方は「ノーロード型」という購入時に手数料がかからない

   のがお勧めかもしれません(運用手数料はかかります)。

 

 ② NISAやIDECOなどで節税するか?

  → しない手はないです。

  → 特に状況◯/◎の人が月々投資していく分は、積立NISAかIDECOの

   どちらか(余裕があれば両方)を使うべきです。

  

  NISAは運用して得た利益が非課税になる、というのがメリットです。

  IDECOはそれに加え;

  ・月々の積立金も所得税の控除に使える(その分、所得税が減る)

  ・将来60歳以上になって現金化した場合に一時金として一括で受け取るか、

   年金として毎年1〜12回に分けて受け取るか選択でき(併用も可)、

   一時金の場合は退職金控除が使え、年金の場合は公的年金等控除が使える事です。

   退職金控除の枠一杯までは一時金で受け取り、残りは年金で

   受け取るのが有利かと思います。

 

  一方、IDECOのデメリットは、60歳になるまで現金化できない事です。

 

  従い、あくまで「老後資金」として資産形成するのならIDECO、

  歳を取る前に使うかも知れない(マイホームとか)ならばNISA、

  金額的に余裕があるなら各々枠一杯まで使うのが良いと思います。

 

 

長くなりましたが、結論;

①月々の余裕資金でIDECOか積立NISAを使って投信を毎月買う。

②投信のテーマはお好きなものを。特に好きなものが無ければバランス型。

 但し、必ず分配金のあるものを選び、分配金は再投資する。

③まとまった額の貯金がある人は、予備費を確保の上で余りを投資に回す。

 投資対象はお好きなものを。

 狙いを「売買益狙い」か「分配金狙いか」を明確にし、狙いに合わせた

 ものを選んで投資する。

 「分配金狙い」の場合は、月々の資金の余裕度合いに応じて、

 分配金を家計の足しに回すか、再投資に回す。

 

 

以上です。

あくまで個人的な考えであり、別の意見をお持ちの方もおられるでしょう。

が、それは人ぞれぞれだと思います。

兎に角、私は身内には上記のようなアドバイスをしています。

特にこれから投資を始めようというような方の参考になれば幸いです。

 

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