はじめに

前回の投稿に続き、今回の投稿でもPennycook, A. (2024). Language Assemblages. Cambridge University. の続きを読んでいきます。

 

ところで、このブログは日曜日に更新することにしているのですが、昨日更新できなかったのはこの本が難しすぎるからです。。。頑張って読んでいたのですが、全然読み進みませんでした。

なので正直、今回の投稿は内容が薄いと思います。

理解したことを元に自分の考えを深める余裕などないので、部分的にわかったと思われるところを紹介します。

 

おそらくここまで理解が難しいのには、何かこの本を読むのに知っていなければならない知識が不足しているのだと思います。

この感覚は、大学生の時に初めてNorton, B. (2013). Identity and language learning: Extending the conversation. (2nd ed.). Multilingual Matters.を読んだ時とよく似ています。

あの時のわからなさは、やはり基礎的なSLAの知識の乏しさゆえでした。

なのでこれからは、今読んでいる本のreferencesにある本や論文を読み進めていき、理解を深めていければと思います。

 

それでは、ある程度理解できた部分について書いていきたいと思います。

 

  第2章の感想

とにもかくにも、難しかった!というのが感想です。

たとえば、以下のようなワードがキーワードのようでした。

 

ontology, ontological turn, citizen & folk (socio)linguistics, nomativity, etc. 

 

とにかく、ことばにまつわるontology「存在論」の話がメインでされていることだけはわかりました。

つまり、ことばとはなんなのか?ということを問い直しましょうということです。

わかりやすい一文を引用するとこんな感じです。

"Ontology is the study of being (what things are) rather than epistemology (what we know)" (p. 35)

 

また、「現実は一つじゃない!現実は一つで異なる見方がある!っていうわけでもなく、現実自体が唯一のものってわけではないのだ!」といった主張も繰り返されていて印象的でした。

 

ことばについて知っている/知覚していること(言語学や応用言語学が取り組んできた課題)について語る以前に、ことばの現実/存在について語ろうぜっていうのがこの本のメインテーマでありそうです。

 

また、言葉の存在について、なるほどと思えたところは以下のところです。

 

language とは、

  1. object (traditional linguistics)
  2. practice (social practices), 
  3. assemblage ("look at how linguistic resources come together in momentary assemblages of people, places and artefacts" (p. 41))

確かに、古典的な言語学が取り組んできた課題は、言語を「対象」とする研究ですよね。

そして、より応用言語学的とも言えるかもしれませんが、言葉を「(社会)実践」とみなす考え方が増えてきました。

おそらく僕は、ここまでの話でとどまってしまっているために、この本の主題である3番が理解しづらいのかもしれません。

 

そして、この本のタイトルとなっているassemblagesとは、「言語的資源が集まって、その瞬間における人々・場所・人工産物のassemblage(ひとつのもの?)にいかにしてなるかに着目するもの」なのだということですね。

 

また、この章の最後の方に、ELF (Eglish as a Lingua Franca:共通語としての英語)や WEs (World Englishes:世界の様々な英語種を認める考え方)について言及されていました。

 

これはわりと僕の強い分野なので、気合を入れて読んでいたのですが。やはりこの本ではこの先に行こうという思想が見て取れました。

 

ELFもWEsも、社会実践 (practice) に即した考え方ではあるものの、結局それは各言語を別々のものとしてみていて、そして構造的な言語システム(ソシュール的な考え方?)というものを助長しているともいえるとのことです。

 

この考え方には納得できますが、残念ながら今の僕の知識ではその先の世界がいまいちちみえてきません。。。

著者がいう進化とは、上に書いた1 ・2番から3番にいくことだと思うのですが、具体的にはどのように言語観や言語教育に変化をもたらすのでしょうか。

 

  おわりに

なんともまとまりのない文章になってしまいました。

また、私の書いている内容に誤りがあっても全然おかしくはないので、変なところがありましたら遠慮なく(できれば優しく…)教えていただけると幸いです。

 

次の章からはtranslanguagingとの関わりも出てくるようなので、少しは理解できるのではないかと思います。

 

この本は久しぶりに理解しづらい難敵ですが、なんとか読み切りたいと思います。

いつかしっかりと理解できるようになるために。