さて、メキシコに行く事にしたのはいいが、スペイン語など話せるはずもなく、ツテもない。
もしかしたらスペイン料理屋で働いていればスペイン語を勉強できてお金も貯めれるし、料理も学べる。一石三鳥である。
という訳でスペイン料理屋の求人情報を探し、行き着いたのが銀座にできるスペイン料理屋のオープニングスタッフだった。
初めのうちは数字を覚えたり、メニュー名を覚えるので精一杯だったが、半年も過ぎる頃には、勉強の甲斐もあり本当に少しなら話せるようになった。
活用形などまったく使えない、本当に単語を並べる程度である。
そしてメキシコ渡墨計画は無鉄砲に進み、
ある日いきなりなんのツテもないのにメキシコに行って勉強してくると家族に伝えると猛反対が待っていた。
まぁ当たり前である。話せもしない。土地勘ない。金もない。知り合いいない。世界有数の危険な国で、宿も予約しないで片言のスペイン語でレストランに行き働かせてくれと言えばなんとかなると思っていたのだ。笑
結局渡墨は半年延期になり、その間お金を貯めて、姉の探し出した斡旋会社を通して二ヶ月ほどホームステイをすることになる。
そして憧れの地に到着。
本当にメキシコなのだろうか?夜明け前の午前4時。飛行機から見る景色は真っ暗闇にオレンジの光が煌めいている。
空港を出ると迎えが来ていた。
あれだけ勉強したスペイン語もテレビで聞くのと実際に会話するのでは全く別物で、辞書を片手に返答するも回答までに1分2分と会話にならない。
そんな中いざメキシコの地へ!!
独特の土の香りに排気ガスの匂い。そしてならではの肉の香り。身体が震えると同時に大丈夫か?と不安が襲う。
この地域では外国人が珍しいのか、歩く度に視線が痛い。
ホームステイ先の家族は実に暖かい、母と息子の二人暮らしの家族だった。
ほとんど会話が成り立たないのに急かすことなく、色々な質問をして来てくれる。オマケに日本人は何人も迎え入れた事があるという親日家だ。
最初はままならない会話も一週間もすれば耳も慣れ、徐々に流暢に話せるようになっていた。
そして語学学校に通いながら、ツテもあり2件のレストランで研修できることになった。
一軒は網焼き専門店。もう一軒は旅行誌に載るような名店である。
~三部へ続く~