1ミリ幅に10本以上を掘る匠の技 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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「鉄道」を趣味の対象として、さまざまに楽しむ活動を記録するブログです。


 昨日、新しいデザインの日本銀行券が発行された。ニュースやワイドショーは一日中、この話題ばかり。なかでも渋沢栄一の出身地である深谷の、日またぎでのフィーバーぶりは凄かった。
 一方、引退する立場の諭吉サンに縁が深い某大学出身者たちは「交代」を嘆いていたとか。どこぞの模型屋さんの関係者はどうだったのだろうか。
 最新のハイテクを駆使した偽造防止策の数々もさることながら、紙幣製造にかかわる裏方さんの仕事ぶりが興味深いものだった。紙幣のデザインや原版作成を行う「工芸官」という専門職がおり、原版作成の熟練技術者はわずか1ミリ幅に10本以上の筋を掘ることが出来るという。日頃の模型工作を考えてみると、とんでもないレベルの技術だが、習熟には18年を要すると言っていた。
 伊勢神宮の式年遷宮も20年毎だが、これも宮大工の技を継承していくために必要なサイクルだそうだ。どんな世界でも一級の技術や技の伝承は計画的に行わないと消えてしまう。鉄道模型のブラス製品も先行きは決して明るくなさそうだ。
 通常のサイクルで行けば、次回の新紙幣発行は2044年。キャッシュレスが当たり前になっているであろうから、工芸官の方々はどうなっているのだろうか。