ジョン・ウィリアムズの音楽コンサート2024 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 21日の夜、今年も開催された「ミュージック オブ ジョン・ウィリアムズ」コンサートを聴いてきた。
 近年、ジョン・ウィリアムズ(以下、JW)の作品を特集したコンサートは大人気で、さまざまな演奏団体が開催しているが、一番のお気に入り(国内限定だが)がこのコンサート。原田慶太楼指揮東京フィルハーモニー交響楽団のコンビだ。
 プログラム構成は毎回同じで、前半が代表的な映画音楽、そして後半は「スター・ウォーズ」音楽の特集になっている。
 今年のオープニングは「オリンピック・スピリット」。1988年のソウル・オリンピックの時に書かれた作品で、そう言えば今年はオリンピック・イヤーだ。
 続いては「ハリー・ポッター」から。チェレスタが大活躍する曲で、初めて生でその美しい音色に接した人は感動する曲だ。続いては人気曲「E.T.」で、あの浮遊感が堪能出来る。
 「シンドラーのリスト」で独奏を務めたのは篠崎史紀。長年、NHK交響楽団の顔だったマロ様が東京フィルと共演した。この人、実は特撮モノが大好きで、ステージ衣装も某登場人物っぽい装いで聴衆の笑いをとっていた。篠崎はそのまま「屋根の上のバイオリン弾き」を演奏。さすがのクオリティに感心。
 前半のラストは「ジュラシック・パーク」を。1993年のボストンポップス来日時にはまだ映画が公開されておらず、「音楽だけ先にお聴かせします」というジョンのMCを思い出した。あれから早や30年が経過したことにビックリする。当時の日本の金管奏者には難曲だったのだが、ずいぶんとオケも上手くなったものだ。
 後半は「スター・ウォーズ」全9作からのセレクション。冒頭には「20世紀FOXのファンファーレ」が置かれ、続く「メイン・テーマ」で一気にあの世界へ。
 毎年、少しだけ内容が変わっているが、今年は「イウォーク族のパレード」が入っていたのが目新しかった。「酒場のバンド」は何回聴いても楽しい曲だ。
 それにしても原田の指揮はやはり上手い。劇伴音楽を鳴らす手腕に長けているのでイキイキとしたサウンドが快感だ。現在、日本人の指揮者でJW作品を振らせたら一番だと思う。東京フィルも大健闘。
 一時間以上タップリと堪能した「スター・ウォーズ」ワールドの締めはやはりこの曲「王座の間とエンドタイトル」。荘厳なクライマックスで幕を閉じた。
 客席は幅広い年代が集まり、外国人もチラホラ。楽器を携えた若い世代はブラバン奏者と思われ、JWの人気ぶりが感じられる。
 残念だったのは今年は音響がイマイチな東京芸術劇場だったこと。来年はまたサントリーホールに戻ってほしいものだ。

 話は変わるが、ウィーン・フィルの元コンサートマスターであるウェルナー・ヒンクさんが亡くなられた。
 ウィーン・フィルを定年退団した後も2011年の来日公演には助っ人(?)としてメンバーに入っていたし、その後も毎年のように単独で来日していた。リサイタルでの良き共演者だった遠山慶子さんも2021年に他界しており、お二人が奏でた端正で品のある美音を懐かしく思い出す。
 享年81歳。心よりご冥福をお祈りいたします。