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NHK交響楽団をはじめとして、日本での活躍が目立つパーヴォ・ヤルヴィだが、手塩にかけてきたオケがドイツ・カンマーフィル。
12月12日、東京オペラシティ公演のプログラムは、モーツァルトの“ドン・ジョヴァンニ~序曲”、バッハの“ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番”、そしてシューベルトの“交響曲第8番「ザ・グレイト」”。
まずは、モーツァルト。小さめの編成ながら、野太い音がこのオケの特徴で、ウィーンのオケのような優雅なモーツァルトとはかなり異なる。悪くはないのだが、好き嫌いが分かれそう。
バッハのソリストは、前週に素晴らしい無伴奏リサイタルを聴かせたヒラリー・ハーン。ステージ衣装も前週と違って、華やかな赤で登場。演奏も無伴奏のような張り詰めた空気感はなく、程よくリラックスした感じで弾いていた。ちょうど横顔が見える席だったのだが、終始にこやかな表情だった。だいぶ前だが、シベリウスを弾いた時の恐ろしいほどの張り詰めた表情とは別人のようで、これも母になったことによる変化か。
ヤルヴィとカンマー・フィルは、よく知られた有名曲に新たな命を吹き込むという試みをやってきた。大抵は、エッジを立てたソリッドなサウンドで、速めのテンポで颯爽と演奏するというアプローチ。これまで、ベートーヴェン、ブラームス、シューマンなどを聴いてきたが、今回はシューベルトだ。
あくまで素人聴きの印象だが、この手法は、作品によって合う合わないがあり、ベートーヴェンやシューマンは面白かったが、ブラームスはミスマッチ感が大。シューベルトも後者で、悪くはないけど、あえてこのスタイルで聴きたいとは思わなかった。やはり、ウィーン・フィルあたりの伝統的な音色がいいと思う。
アンコールは、得意のシベリウス“悲しきワルツ”。