![](https://stat.ameba.jp/user_images/20181112/02/tacchan-cinema/cd/63/j/t02100294_0210029414301554138.jpg?caw=800)
一年が過ぎるのは早いもので、またホセ・カレーラスの“神の声”を生で聴ける幸せな季節がやってきた。
11月10日のサントリーホール。ステージに登場したカレーラスは、ちょっと痩せたように見え、足どりもゆっくり。来月で72歳になるという年齢を感じさせるものがあったものの、品のある美声は健在だった。
前半からよく声が出ており、早くも客席のボルテージは上昇気味。当然ながら、後半はさらにヒートアップ。ご本人もとてもリラックスしているようで、ピアニストとのコントみたいなやりとりも交えて、気持ち良さそうに歌っていた。
もはや恒例となった総立ちアンコールタイムに突入。“帰れ、ソレントへ”が出て、客席が明るくなっても熱狂的な拍手は一向に収まらない。これに応えてさらに二曲。やっぱりトリは“グラナダ”だった。およそ1時間に及んだアンコールで、実に8曲を歌ってくれた。
毎回思うのだが、カレーラスのステージは、真摯にファンと向き合う誠実なお人柄が伝わってくる。隣に座っていた老婦人は、感激と感動のあまり、涙が止まらなくなったようで、ずっとハンカチで目頭を押さえていた。
決して、無理をしているという感じではなく、最後まで自然体で声が出ていたカレーラス、年齢を考えると驚異的なパワーに脱帽の夜だった。
例年通り、早くも来年のリサイタルの告知が。また元気に来日してくれることを祈ろう。