久石譲&新日本ワールド・ドリーム・オーケストラ2018 第二夜 | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。

 久石譲と新日本フィルによるオーケストラ・コンサート、東京公演のAプロの後、10日ほど空けてBプロを聴いた。会場は同じくサントリーホールだ。

 そのBプログラム、当初の発表から大幅に変更され、冒頭の曲以外、Aプロと変わらないものとなった。その変更は、より聴衆の好みに寄せた感じで、ミニマル・ミュージックを減らして、映画音楽が選ばれている。

東京第二夜となる8月20日、蒸し暑さがぶり返したこの夜も、若者やファミリー層を中心とした聴衆がサントリーホールの客席を埋めた。

前半はAプロ同様、リズムが支配する現代音楽からスタート。続くは、今春に惜しくも他界した高畑勲監督の遺作となった“かぐや姫の物語”。ちょっと意外だが、久石譲が高畑作品の音楽を担当した唯一の曲だ。「和」の世界観をオーケストラで表現した雅な響きはさすがで、最近の久石作品のなかでも傑作だと思う。物語に沿った組曲として編曲されているが、クライマックスではガラリと曲調が変わって、まるでテーマパークのパレード音楽のような賑やかさとなる。かぐや姫が月へと帰るシーンの曲で、高畑監督もお気に入りだったとか。効果音も交え、やや速めのテンポで演奏されたのが印象的だった。

後半は、Aプロと全く同じで、いつもの久石メロディが並ぶ。この日は、TVカメラ(たぶんWOWOW)が入っており、10日よりも緊張感のある引き締まった演奏が楽しめた。

 アンコールは、久石譲が初めてフランス向けに書いた“プチ・プセ”。コンサートでの演奏は、ずいぶんと久しぶりだ。締めは、いつものWDOのテーマ曲だった。