ベルリン・フィルのコンサートマスターとして活躍する樫本大進のリサイタル公演を聴いた。
7月2日、東京オペラシティ・コンサートホールは満員御礼。エントランス・ロビーには、かわいらしい大入袋が飾られていた。
この日のプログラムは、ベートーヴェンの“ヴァイオリン・ソナタ第2番”、ブラームスの“ヴァイオリン・ソナタ第3番”、モーツァルトの“ヴァイオリン・ソナタ”、そしてR・シュトラウスの“ヴァイオリン・ソナタ”。
ステージに出てきた樫本、ちょっとやせたように見えるのと、照明のせいか顔色が冴えない感じで、体調が良くないのかと心配してしまった。
しかし、念入りなチューニングの後、弾き始めるといつもの彼で、とにかく安定感が抜群。ベルリン・フィルというスーパー集団を率いる重責を担うに相応しい実力を見せつけられた感じ。このところ、共演の機会が多いピアニストのキリル・ゲルシュタインとの相性もよく、合わせ技だけでなく、時にスリリングな駆け引きも味わせてくれた。
人気も実力もさすが!と感心させられる、プロフェッショナルぶりを堪能した夜だった。