レオシュ・スワロフスキー指揮 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。

 コンサート通いを続けていると、さまざまな偶然に遭遇することがある。今回も、プラハ放送響を聴いた翌日がスロヴァキア・フィル。しかも、似たようなプログラムでの聴き比べとなった。  

 来日常連組のスロヴァキア・フィル。近年は複数の指揮者体制で日本ツアーを行っているが、やはりスワロフスキーとの相性が一番だと思うので、今年も6月25日のサントリーホール公演を選択。プログラムは、スメタナの“モルダウ”、ドボルザークの“チェロ協奏曲”と“交響曲第9番「新世界より」”。前日に比べて、前半の協奏曲が変わっただけだ。

 スロヴァキア・フィルは、郷愁を誘う土臭い音色が魅力のオケ。前日に聴いたプラハ放送響と比べて、同じ文化圏でこうも違うか…と思うほどの違いがあった。シャープな輪郭があるプラハに比べて、こちらは間延びしたようにも聴こえるのどかな音色。都会風と田舎風の違いとでも表現すべきか。

 ソロを弾くチェリストは、サントリーホールの館長でもある堤剛。この人らしい、堅実な演奏だった。“チェロ協奏曲”は、オーケストラ・パートも魅力的なのだが、日本のオケでは音色が物足りない。この曲を堪能するには、やはりボヘミア圏のオケに限る。

 後半は“新世界より”。前日の快演を知ってか知らずか、オケにスイッチが入ったようで、弾き方が一変。こちらもかなりの熱演となった。このオケらしい温かい音色が心地よい。

 アンコールは、スワロフスキーの定番である“ハンガリー舞曲第5番”。このオケがやると、ジプシー音楽のような側面が浮き出るのが面白かった。