遺恨試合 | 田淵幸一のブログ

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話はそれるがプロレスの世界で(アングル)という専門語がある。これは要するにヤラセだ。事前に打ち合わせをやり軍団抗争などを仕組みマットを盛り上げる手法。プロレスでは暗黙の了解で猪木などは堂々と行っていた。しかしこともあろうにプロ野球においてこの(アングル)を敢行したパ・リーグ球団がある。太平洋クラブライオンズ。西武の前身。西鉄ライオンズの凋落を受けて引き継いだ球団だ。中村オーナーの個人事業(福岡野球株式会社)を母体としスポンサーをゴルフ会員権販売の太平洋クラブとしたネーミングライツの草分け的な球団なのだが・・ユニホームも原色を導入しパ・リーグに新風を吹き込む勢い。この昭和48年。プロ野球は巨人を筆頭にセ・リーグ中心の展開。パ・リーグは動員に非常に苦しんでいた。太平洋クラブフロントはある種の企画を練る。それは遺恨試合を仕組みファンを煽り動員を計ること。時同じくして前年にパ・リーグに参入したロッテ。監督は人気物の金田。太平洋は金田にオファーをだす。(遺恨試合を模索しファンを煽りましょう。パ・リーグを盛り上げましょう)金田はこの企画に賛同した。太平洋対ロッテの試合は苛烈を極めた。(この田舎チームめ)金田がアジる!ファンは怒る!太平洋の計算通りフランチャイズ平和台球場にファンは集まった!がしかし・・盛り上がりすぎた。怒り狂う太平洋ファンはロッテナインを襲撃!平和台は修羅場と化した。ついには機動隊を導入。事態の収集にあたった。まだ懲りない太平洋側と金田。翌日の動員を考慮して金田と太平洋坂井代表がベンチ裏でののしりあう様相をラジオで流す!さらに遺恨はヒートアップ!このカードはパ・リーグの名物となり翌49年まで続く。まだまだいけると判断した太平洋フロント。今度は乱闘を仕組み外国人のビュフォードを金田監督にからませポスターを作成!さらに福岡市民を煽る。この一連の事実を認識した連盟。太平洋クラブ球団が後日 福岡県警から厳重注意を受けたのは言うまでもない。この時代だから済んだが現代なら企業としての責任問題となるであろう。まあそれだけパ・リーグ動員は厳しかったといえたのだろう・・・