「新春 富岳展」が始まった翌日(15日)の毎日新聞の朝刊にタイムリーな記事が掲載されていましたので紹介します。
「外国人が見たKANAGAWA YOKOHAMA」と題する記事で、その中から抜粋させていただきます。
・1862年9月来浜したイギリスの外交官アーネスト・サトウは<これにまさる風景は世界のどこにもあるまいと思った。云々・・。(「一外交官の見た明治維新」坂田精一訳・岩波文庫)
・1870年12月、入港したアメリカの理化学者グリフィスは<はるか遠くに雪の衣服を着た山の女王が澄みきった空気のため思い違いをするほど近くに見える。その山はすでに朝日の冠を戴き、その額はまだ昇りきらない太陽の最初の光線で金色に光っている。その向こうには紫の空が広がり、宝石のように星がまばたく。山の女王の胸は刻々変わる色に震えている。これほど完璧で、これほど一生忘れ難い眺め、一目で栄光と新鮮を強く感じさせる自然の傑作という評価をひき起こすのに、これほどふさわしい眺めは、おそらく近づく汽船から望む富士の姿以外にないであろう。中略。最初の出会いで、このような光景を見るのは本当にうれしい。>(「明治日本体験記」山下英一訳・東洋文庫)
・1876年に来浜したフランスの画家レガメーは<遥かかなたには、堂々とした富士山が、乳白色のネクタイをした姿を現してくれます。まさに絵のとおり。日本の優れた画家たちは、私たちをだまさなかったのです。>(「レガメ日本素描紀行」青木啓輔訳・松雄堂)
優れた画家とは誰か、どんな絵だったのだろうか。
優れた画家とは北斎であり、絵とは「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」など「富嶽三十六景」ではなかったか。
そして当画廊の「富岳展」の作品もレガメーをだますことのない作品ばかりだと思います。
ご来廊の上はたしてご感想はいかに。
どうぞご来廊あれ。