原水爆禁止2011年世界大会-長崎③
7月8日には、長崎市内を中心に各会場で分科会が開かれました。
僕は、そのうちの「動く分科会:佐世保基地調査行動」に参加しました。
行動は、陸上と海上と両方から行ったのですが、まず海上から視察した様子を報告します。
この日は雨で、船内から望遠撮影したため、写真が不鮮明であることをご了承ください。
佐世保港は、入口の幅が約900mしかないにもかかわらず、港内は長崎の10倍、横浜の2.5倍、神戸の4倍、3,300haにもなります。
外海が荒れていても港内は穏やかという天然の良港なのですが、その83%が米軍への提供水域になっており、漁船や商業船泊があまり見受けられない不気味な静けさを漂わせていました。
米軍専用岸壁に係留している強襲揚陸艦エセックス。
幅42m、長さ257m、排水量約4万トン。約3,000人が乗り込みます。
佐世保港を出港すると、必ず沖縄へ立ち寄り、第31海兵隊遠征隊(殴り込み部隊)を乗せて戦場に向かいます。
指揮統制艦であると同時に、戦場で負傷した兵隊を治療する病院船でもあり、6つの手術室と15の集中治療室、
500床を備えています。
強襲揚陸艦エセックスが入港したときは警備が厳しくなり、警備艇も出動していました。
米軍は総延長1,710mの係船地を持ち、8隻の艦船が佐世保港を母港にしています。
海上自衛隊立神桟橋に係留している護衛艦ありあけ、補給艦はまな、護衛艦あさゆき。
自衛隊の海外派兵により、全国で延べ75隻の艦船がインド洋などへ向かいましたが、そのうち延べ27隻が佐世保基地から出港しています。
港内には、潜水艦も停泊していました。
商業船舶がほとんど見られない中で見受けられたタンカー。佐世保重工業(SSK)の造船会社が生産活動をしている場所で、一昨年に返還された場所です。
それまでは、日本国土であるにもかかわらず、SSKが資材置き場として使用するため、米軍に年間1,500万円を借り賃として支払っていました。また、立神地区の第4・第5岸壁では、SSKが使用するために年間約5,000万円の使用料を支払っています。
赤崎岸壁・貯油所。岸壁は600mあり、米軍の原子力潜水艦が停泊する場所です。
原子力潜水艦の外部電源用として6万6000ボルトの高圧線が備えられています。
これは、福島第一原発事故のように、原子炉で万が一のことがあった場合を想定しての設備です。
2006年~2008年には、原子力潜水艦ヒューストンがこの場所で放射能漏れを起こしていたのです。(すみません、雨が強くなり写真がありません)
また、ここには米軍が福島第一原発事故の「トモダチ作戦」で使用した衣服や手袋など、被爆した放射性廃棄物を保管していることが8月5日に発覚し、このかまぼこ形の倉庫に持ち込まれていたのではないかと言われています。
これは、現地でそういう話があり、外務省に問い合わせた結果明らかになったことだそうで、それまで隠蔽されていたとのことです。
米軍のミサイル追尾艦。その周りを、海上保安庁の巡視艇が警備していました。
このような船舶まで、佐世保港に配備されていたんですね。
横瀬貯油所。県内3貯油所の中で最大量を貯めることができ、その量は43万キロリットルと言われています。
現在、山を削って埋め立て、12隻のLCAC(エアクッション型上陸艇)駐機場が建設されています。この建設費だけで約280億円がつぎ込まれています。
崎辺海軍補助施設。米海軍がLCAC7機の駐機場および関連施設として利用しています。
上記の横瀬貯油所に、LCACの新駐機場が建設されています。
前畑弾薬庫。トンネル形式12棟とポゴタ形式(レンガ小屋組木造)22棟の34棟があります。
建物の周りにたくさんの柱が立てられていますが、これらは全て避雷針です。
一番近い民家との距離は70mしかなく、非常に危険な弾薬庫です。
弾薬の種類によって危険度1~4の標識が掲げられています。写真では、手前に「4」の標識、奥に「1」の標識が掲げられていることが分かります。
ここには、もっとも危険度の高い標識1(大爆発の危険性)の弾薬庫が、少なくとも11棟あることが確認されているとのことです。
ところで、日米地位協定上、米軍基地で働く日本人従業員の給与や施設整備費は、全てアメリカが負担することになっています。
ところが、実際にはこれらの経費の大部分を「思いやり予算」と称して日本政府が負担しています。
佐世保基地の施設整備費は、2010年度までの予算の累計で、1,564億円にものぼり、2009年度の日本人従業員給与のうち、76億9545万円を日本が支出しています(アメリカの負担は10億3956万円)。
また、2009年度の光熱水料の日本負担は76%と言われ、16億8195億円を支出したとのことです。
日米地位協定自体が不平等条約であり、その見直しが叫ばれていますが、日本政府はその協定でアメリカが負担しなければならない経費まで拠出しているのです。
さて、このテーマの次回は、陸上から視察したところを報告します。
原水爆禁止2011年世界大会-長崎②
さて、前回の記事の続きでございます。
今年のメイン会場となった長崎では、8月7日に長崎市民体育館で開会総会が行われ、国内代表・国外代表をあわせて約7,800人(第2会場の方を含む)が参加しました。
開会総会では、田上富久長崎市長も来賓あいさつ。
3月11日、東日本大震災が発生し、それに続く原子力発電所の事故は「ノーモア被爆者」を訴え続けてきた長崎市民にも大きなショックを与えた。
被爆国、日本でなぜ再び放射能汚染で苦しむ人達を生み出してしまったのか、私も自問自答を続けている。
「原子力発電所は安全である」という神話が、多くの日本人を思考停止にさせていたとすれば、核兵器についても「『抑止力』という脅しは有効である」「核兵器は使われない」という神話で世界の多くの人々を思考停止にさせているのではないか。
福島原発のように、取り返しの付かない出来事が起こってから危険性に気付いたにせよ、放射能についての理解が進んだ今こそ、核兵器の危険性をしっかり伝えなければならない。
社会を動かす力の根源は一人の人間であり、そこから広がる市民社会である。
それが、都市や地域を動かし、国を、世界を動かすのだろうと思う。
と発言され、「微力だけど無力じゃない」を合い言葉に高校生が1万人署名に取り組んでいることを紹介し、「平和市長会議」では核兵器禁止条約の締結に向けた多国間交渉を早期に開始することを求める署名活動に取り組んでいることが報告され、連帯が呼びかけられました。
被爆者援護組織である日本原水爆被害者団体協議会代表委員の谷口稜曄(すみてる)さんは、
原爆が投下されたあと被爆者が次々に命を奪われていったこと、アメリカ占領軍が広島・長崎への立ち入りを禁止し、厳しい報道管制によって被爆者の治療報告の発表が一切禁止されたことが話されました。
また、アメリカの水爆実験によって第五福竜丸乗組員が被爆したことにより、原水爆禁止運動が高まり、1955年第1回原水爆禁止世界大会が開催され、日本被団協を設立した経緯が報告され、「年老いたとはいえ、核兵器の廃絶に力一杯取り組むことを誓い、世界大会の成功を祈ります。頑張りましょう」と結びました。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の代理として参加されたセルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題担当上級代表は、
潘基文事務総長は、『核軍縮』を最高の“国際公共財”と呼び、昨年被爆者の追悼のため広島と長崎を訪問したのは、事務総長自身が核軍縮の前進を強く支持したため。」「原子力の安全と環境保護に取り組む強い思いをもち、本日(8月7日)事務総長は福島を訪問している。
核兵器が使用されれば、その標的だけでなく国際平和の安全保障にも深刻な影響が及ぶ。例え使用されなくても核兵器は危険で世界を不安定にする。
核兵器の製造・貯蔵・運搬・近代化は、個々の国で行われてもその影響は国境を越えて広がる。私達は核兵器の代償を払わされている。
代償とは、国家間の疑心や不信を深め、そのことが更なる拡散につながること。
もう一つは、核兵器の経済コスト。ある調査では、これまで核兵器にかかった総額は、アメリカだけで5.5兆ドル以上と指摘している。これは、1ドル札で積み上げると、月まで往復できる距離になる。10年前のアメリカだけの調査だから、全世界の総額は、天文学的な額になる。
核軍縮だけが、この代償を解決する唯一の方法だ。
核兵器が、「理想的な防衛を提供する」とか「国の威信を高める」などの正当化が行われているが、軍縮の最大の敵は、人々が安心して変化を望まなくなることである。
核兵器には巨額の費用がかかり、その被害は無差別で市民が標的になることなどを知れば、市民は核によらない安全保障の必要性を理解するだろう。
核兵器の影響を説明する役にもっとも適しているのは被爆者の皆さん。
どんなすぐれた科学者よりも、核兵器が人間に及ぼす影響を述べることができる。被爆者の言葉を伝える努力はきわめて重要で、事務総長は、昨年被爆者の証言を様々な国の言葉に翻訳し、被爆の実情を伝えるようにした。
と発言されました。
また、大気圏核実験全面禁止などで市民社会が大きな役割を果たしたこと、広島・長崎両市長が提案した平和市長会議の取り組みに全世界の約5000もの都市の市長が支持したことなどが話され、「市民社会の皆さんと国の取り組みが一緒になって新しいうねりを創り出している。皆さんは複雑で混迷した世界、多くの優先課題を抱えた世界でどのように軍縮を進めるか、行動で示した。思うように軍縮が進まなくても、障害があっても絶望したりあきらめたりしないで欲しい。皆さんの勇気に深く感謝したい。」とエールが贈られました。
核兵器廃絶に向けて活動する海外代表の発言では、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国、グアムの5人が発言されました。このうち、韓国進歩新党議員の趙承洙(チョ・スンス)さんは、
福島原発事故は、「安全な原子力」が存在しない事実を示した。核の根本的な危険性は、技術の発展、安全性の強化などでは決してなくならない。
自然災害であれ、人的災害であれ、技術的な欠陥であれ、事故の危険性は常に存在し、1度の原発事故は周辺地域の絶滅につながる。
原発とともに生きるというのは、潜在的な核爆弾を抱えて生きることと同じ。原発の拡大と事故の危険性の拡大とは正比例することを政府は自覚し、危険きわまりない原発拡大政策を転換しなければならない。
私達は「核なき社会」を作るための共同の準備を始めなければならない。
ドイツ政府は、2022年までに国内17基の原発全てを廃止する決定を世界に発信した。
脱原発の現実性を示すシナリオ作りが必要。①エネルギーの需要管理政策を作れば、新しい原発建設は必要ない、②原子力カルテルの解体で保守政治勢力の協調関係を清算すべき、③脱原発を政治政策化すべき。
また、最近膠着状態になっていた6カ国協議が動き始めた。韓国・日本・アメリカの一部から6カ国協議への異論が出ていることは事実だが、6カ国協議は前進と後退を繰り返しながらそれなりの成果を出してきた歴史的事実を忘れてはいけない。
6者会談は、朝鮮半島の非核化だけでなく、東アジア多国間の安全保障システム作りへの合意や東アジア国家のエネルギー協力体制の必要性に対するコンセンサスを作り出した。
これは、核軍縮、脱原発への足場となるだろう。
私は、東アジアの政党と市民団体が、核ネットワークを構成し、共同で実践することを提案したい。
互いに情報を共有し、ともに政策を考え、実践を通じて一日も早く核の脅威から自由な東アジアを作るために共同で努力しよう。
と発言されました。
日本の政党で、唯一参加した日本共産党の志位和夫委員長は、
この1年間の3つの変化に注目したい。
①昨年12月の国連総会で、マレーシアなどが提案した「核兵器禁止条約の交渉の開始を求める決議」に賛成した国が史上最高の133カ国に増えた。日本政府が、この決議に「棄権」を続けていることが恥ずかしい。私は、その態度を改め、被爆国の政府にふさわしい行動を強く求める。
②2020年までに核兵器廃絶を求めている「平和市長会議」への参加自治体が151カ国、4892都市に拡大した。
③今年2月に核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際署名が力強く開始された。
私は、国連、各国政府、自治体、草の根のNGOの共同を強め、発展させることこそ、「核兵器のない世界」を実現する最大の保障であり、力だと確信する。私達の党もその一翼を担って全力で頑張る決意を述べたいと思う。
史上最悪規模の原発事故を目の当たりにして、「原発ゼロの日本」をめざす運動が広がりつつある。
「核兵器のない世界」をめざす運動と「原発ゼロの日本」をめざす運動は、「どんなかたちであれ、『核』による被害者を出してはならない」という大きな接点がある。それぞれの一致点を大切にしながら、この接点で大きく連帯することが、私は大切だと考える。
国際会議の宣言が、「核兵器のない世界」をめざす具体的行動を中心に据えながら、原発からの撤退をめざす運動への「連帯」を表明していることは重要だと考える。
「核兵器のない世界」をめざし、核兵器禁止条約の交渉を一日も早く開始させるために、ともに力を合わせて頑張ろう。
と発言されました。
このほか、大会の開会総会では、エジプト、メキシコ、ベネズエラの政府代表の発言、主催者報告、国内の草の根運動の報告として、福岡市原爆被害者の会、兵庫県原水協、新日本婦人の会東京足立支部、国民平和大行進の通し行進者が発言。それぞれの取り組みや状況の報告が行われました。
そして、取り組みが進められている「核兵器全面禁止のアピール」署名が8月7日15時30分現在で54万8244筆に及んでいることが報告され、引き続き署名に取り組むとともに、集まった署名を国連とNPT会議に提出することが表明されました。
また、夕方には青年が主体となって企画した核兵器をなくす青年交流集会2011in長崎「Ring! Link! Zero 2011」が行われました。
たくさんの青年が被爆者の発言に耳を傾け、パネルディスカッションでは、会場からの発言も相次ぎました。
原水爆禁止2011年世界大会-長崎①
今年の宿では、インターネット接続ができませんでしたので、事後報告となります。
ただ、平日に記事を書くのは時間的に厳しいため、不定期更新になると思いますがご了承ください。
8月7日(日)~9日(火)に、長崎市内を中心として原水爆禁止2011年世界大会-長崎が開かれました。
この大会は、毎年広島と長崎で開催されるのですが、メイン会場が1年ごとに交代しており、今年は長崎がメイン会場です。
核兵器廃絶と被爆者援護・連帯をかかげて実施されているこの大会、今年は福島第一原子力発電所の事故があったこともあり、「核兵器のない世界」を実現させるための具体的な行動と、「原発からの撤退」を結びつけた議論が活発に行われました。
何回かに分けて報告記事を書くとして、とりあえず今回は、大会に先立ち8月3日~5日に広島で開かれた国際会議の宣言を掲載します。(かなり長いです)
原水爆禁止2011年世界大会・国際会議宣言
米国による広島・長崎への原爆投下から66年目をむかえた。我々は、「核兵器のない平和で公正な世界」の実現をめざして行動することを、あらためて世界によびかける。
今年3月、東日本を襲った地震と津波は、2万余の人命を奪うとともに、広範な地域に壊滅的被害をあたえ、福島第一原子力発電所では最悪レベルの過酷事故が発生した。我々は、すべての被災者に心からの御見舞いと哀悼の意を表するとともに、被災地への支援と復興、原発事故の収束、放射線被害から国民をまもるたたかいに立ち上がっている人びとに心からの連帯を表明する。
核兵器全面禁止・廃絶をもとめる声は、世界の市民、自治体、諸国政府の間でも大きくひろがり、「核兵器のない世界」をどう実現するのかが、焦点になりつつある。
2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議で合意された最終文書は「核兵器のない世界」の達成を決議し、そのための特別の努力を訴えた。昨年の第65回国連総会では、核兵器禁止条約の締結を求める決議が圧倒的多数の賛成で採択された。非同盟諸国は核兵器廃絶の進め方について議論する国際会議を提案している。平和市長会議をはじめ多くの国際組織が、核兵器禁止条約の交渉開始を求めている。
我々は、核保有国をはじめすべての国の政府に、ただちに核兵器禁止条約の交渉を開始することを求め、世界各国で行動してきた。「核兵器全面禁止のアピール」署名をはじめ様々な行動が、広範な人々の賛同を得てすすめられている。これらをいっそう発展させ、国連など諸国政府とも共同して、核兵器禁止条約の即時交渉開始とすみやかな締結を実現しよう。
これまでの国際合意を実行にうつすことが求められているにもかかわらず、ふさわしい前進が築かれていない。核保有国の責任はとりわけ大きいといわなければならない。米オバマ政権が未臨界核実験をくり返していることは、自らの誓約にも、国際合意の精神にも反するものである。
「核抑止」政策を維持するかぎり、「核兵器のない世界の平和と安全」を実現できないばかりか、それに対抗する核兵器保有を誘引し、核兵器拡散の原因ともなる。その矛盾と危険性は明白である。我々はあらためて、「核抑止」政策からの決別をつよく要求する。
核兵器禁止条約の交渉開始とともに、核兵器の使用禁止、同盟国など外国に配備された核兵器の撤去、他国への核兵器の持ち込み・配備の禁止、非核地帯の創設と拡大を求める。
核兵器の警戒態勢の解除、戦略核兵器のさらなる削減と解体、戦術核兵器の廃棄、核兵器近代化と新型核兵器開発の中止、ミサイル防衛計画の中止を要求する。
NPT再検討会議で合意されたように、包括的核実験禁止条約の早期批准・発効、核分裂物質生産禁止条約の即時交渉開始と締結、中東非核兵器地帯のための国際会議の開催(2012年)が実行されるべきである。
北朝鮮の核兵器問題についても、六カ国協議が早期に再開され、対話による平和的解決がはかられるべきである。
広島・長崎の被爆を原点とし、核兵器の廃絶を求めてきた我々は、福島第一原発の事故がもたらした放射能汚染と放射線被害の深刻なひろがりを深く憂慮する。この事故は、原子力の「安全神話」の欺瞞と原発の危険性を明らかにした。持続可能な開発のために必要なエネルギーを、原発に頼らず、将来の世代に危険を残すことなく、調達することは可能である。日本をはじめ世界でひろがる原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を要求する運動との連帯を発展させよう。
日本の運動は、核兵器禁止条約の締結にむけ被爆国にふさわしい役割を果たすよう日本政府に要求するとともに、核兵器持ち込みを認める米国との「密約」の破棄と「非核三原則」の厳守を求めている。沖縄・普天間基地をはじめ在日米軍基地の撤去を要求し、空母など原子力艦船の配備と寄港に反対している。我々は、アメリカの「核の傘」からの離脱と日本の非核化、憲法9条を守り活かすことをめざす日本の運動を支持し、連帯する。
いまだ戦火と銃声はやまないものの、もはや大国が軍事力で世界を動かせる時代ではない。我々は、武力の行使とその威嚇に反対し、紛争の外交的・平和的解決を求める。仮想敵を想定した軍事同盟ではなく、国連憲章にもとづく平和の世界秩序を支持する。
自由と民主主義、尊厳を求めて立ち上がった北アフリカ、アラブの諸国民に心からの連帯を表明する。NATOによるリビア攻撃の停止と停戦、問題の政治的解決を要求する。
イラク占領とアフガニスタンでの軍事作戦に反対し、外国軍の撤退を求める。パレスチナ人民の独立国家樹立をふくめた民族自決権のためのたたかいを支持する。主権を守り、外国軍事基地に反対し、その撤去を求める運動と連帯する。枯葉剤など戦争被害の救済を求める運動と連帯する。
我々は以下の行動を世界によびかける。
-「核兵器全面禁止のアピール」署名をはじめ、核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際的、地域的、国内的行動を多彩に発展させ、国連総会や次のNPT再検討プロセスなどを節目にその結集をはかろう。
-核兵器の撤去、非核化などを求める運動をそれぞれの国、地域で発展させ、「核抑止」政策を打ち破る世論と運動をひろげよう。
-広島・長崎の被爆者への援護・連帯、核実験被害者などあらゆる放射線被害者への支援を強化し、その被害の根絶をめざそう。核兵器と原発との関係に留意し、原子力の軍事利用に反対するとともに、原発依存からの脱却と自然エネルギーへの転換を求め、広範な運動との連帯をつよめよう。
「核兵器のない平和で公正な世界」の実現は、反戦平和、民主主義、人権の擁護、地球環境の保護、女性の権利と地位の向上、飢餓・貧困・失業・非識字・社会的不正義の解決、軍事費と軍備の大幅な削減、福祉の向上などを求めるすべての人々の共通の願いである。これを実現し、未来をきりひらくため、被爆者とともに、未来を担う青年たちとともに、力強く前進しよう。
2011年8月5日
原水爆禁止2011年世界大会-国際会議

