喜八郎の道中日記 *小さなフランス料理店復活までの日々* -25ページ目

喜八郎の道中日記 *小さなフランス料理店復活までの日々*

新たなステージへと歩み始めた喜八郎。
その道のりは意外と長く険しいものに…?こうなったら、焦らず騒がず機を待つべし。
黙々と復活の機会を待ちながら、日々料理の道を究めるべく精進する喜八郎の奮闘記!

グラースのデザートは、季節のフルーツをたっぷりと使います。


冬は柑橘、夏はメロン、秋は栗、春はベリー…などなどラブラブ


それをさらに、焼きたてや作りたての状態にこだわり、温度や食感を変えてお出しします。

その時期、その場でしか楽しめない旬のデザートです。


今月のデザートはこちらキラキラ


grace グラース kihachiro HACHISUKA *小さなフランス料理店の日々*


クラフティ・オ・スリーズさくらんぼ


アメリカンチェリーのクラフティです。


クラフティはシンプルなフランスの地方菓子で、いろいろな果物を使って作りますが、

スリーズ(チェリー)を使うのは、シェフ喜八郎が働いていたブリーブという地方。


グラースのクラフティは、そのブリーブの地方菓子をアレンジしたものです。



このきわめてシンプルな地方菓子を出すにあたり、

シェフがこだわったのは「焼きたて」という贅沢感。


本当にデザートの直前に焼き上がるようにタイミングを計り、

焼きたての熱々をお皿に盛りつけます。


これはほんと、中はやけどするぐらい熱いので要注意にひひ


そのほかに、クリークというチェリービールとスパイスでマリネにしたチェリーを添えて、

そのマリネ液で作ったグラニテを添えてあります。


冷たいグラニテと熱々のクラフティ。


見た目はシンプルですが、レストランでしか味わえない究極の贅沢デザートですラブラブ





ラテアート、憧れです。

頼んだカフェに鮮やかな画が描かれて出てきたときの感動ったらないですよねラブラブ



で、私もちょっとやってみました~音譜


grace グラース kihachiro HACHISUKA *小さなフランス料理店の日々*

・・・。


バースデーのイチゴといい、

どうしてこーいう路線になっちゃうんだろ?ガーン



やっぱり、最初は素直にハートとかから始めたほうがいいのかも…。



数日前から、グラースの前菜が変わりました。


どどーん。


grace グラース kihachiro HACHISUKA *小さなフランス料理店の日々*

お皿の主役は一目瞭然、ズッキーニ



これは、茨城の自然栽培農家、田神さんが作った特別なズッキーニです。

完全無肥料無農薬。

それだけで、ズッキーニの概念が変わってしまうほどの美味しさがあります。


この自然の恵みをかっつり縦割りにして、そのままグラタン状に。

「とにかくこれを味わってくれ!」というメッセージが伝わるお皿ですよねニコニコ



添えてあるのは、白子をイメージした豚の脳みそのベニエ。

…というと聞こえはあまり良くありませんが、

臭みも全くなく、とろりとした食感はまさに白子のようですラブラブ



最後に甘酸っぱいジュをかけ、自然栽培のリケッタの葉を添えたら出来上がり。


喜八郎いわく、

「これは魔法のズッキーニだ。」と。


確かにそうかもしれない、と思います。


ズッキーニをあまり好まないわが子たちも、

これだけはうまいうまいと間食しましたからねにひひ


まさに、オドロキの味と食感です。



この時期だけの、魔法のズッキーニ。

ぜひ一度食べにいらしてくださいね!



いよいよ来週に迫った、「くずまきワイン特別メーカーズディナー」


最終的なワインが決定し、料理の試作も最終段階に入りました!


grace グラース kihachiro HACHISUKA *小さなフランス料理店の日々*

個性あふれる日本の品種ばかり!おもしろすぎるラインナップです~♪



早々にサンプルワインもお送りいただいたので、試作も入念に!


くずまきさんのワインはどれも豊かな酸味が特徴なので、

その良さをうまく引き出せるようなお料理を作ろうと試行錯誤です。



今回、メインには思い切ってスパークリングを合わせることになりました。

くずまきワインの看板ともいえるスパークリング、「ヴィレの山ぶどう」ですキラキラ


こちらはなんと山ぶどうを100%使い、瓶内二次発酵で作った本格的なスパークリング。


一度飲んだら絶対に忘れない!というぐらいの個性があり、とても魅力的なワインですが、

その分、合わせるお料理にはかなりの注意が必要です。


どんな一皿に仕上がるのか、みなさまぜひご期待ください♪にひひ



メーカーズディナーは、まだあと数席ご用意が可能です。

大注目のくずまきワインの魅力を、ぜひ味わいにいらしてくださいね!



 【日時】6月22日(金)19時~(18時30分開場)
 【場所】レストラン graceグラース kihachiro HACHISUKA
 【定員】22名
 【参加費】12000円(税・サービス料込み)



*お申し込みはお電話またはメールにて!
   contact@gracetokyo.com / 03-6440-0400





資本が大きく、億単位でお店をオープンできるお店と違い、

本当に個人で経営しているお店は、開店準備に使える予算がとても限られます。


自分で開業を経験すると、そのあたりの相場みたいなものがはっきり見えてくるので、

この店はどこに重きをおいてどのくらいの資金で作ったのか、というのが大体みえてしまいます。


ここは内装に手をかけたなあとか、ここは厨房設備を優先したんだなあとか、

ああ、ここは全てにおいて予算が潤沢にあったんだろうなあ、とかにひひ



グラースをオープンする時に、少ない予算の中でどうしてもこだわったのは、

実は調理器具でも内装費でもなく、


「お客様が直接手に触れるものの質」

でした。


それはつまり、グラス、食器、カトラリースなどのこと。

これ、オープンの時のブログにもパラパラ書いてましたよねニコニコ


grace グラース kihachiro HACHISUKA *小さなフランス料理店の日々*

グラースのお皿やカトラリーは、デザイン自体はどれもクラシックでシンプルなものばかり。


ぱっと見は地味だし、これもまた時流に乗ってない感じがありますが汗

どれも主張しすぎない「居心地の良さ」があると思っています。


たとえばクリストフルのナイフフォークは、使う時になんの違和感もありません。

これってすごいな~と。

この絶妙な重さとしっくりと手になじむ形状が、何十年も支持され続けてきた質の高さの証です。


長い時間を過ごしてもらう空間だからこそ、

手に触れるものから感じる「上質感」だけは大切にしたかったのです。


これもまたなんとも、わかりにくく地味なところにこだわっちゃったよなあと思うのですがガーン
当然のごとく、その後は内装や厨房機器にかけるお金がシビアになってしまうわけで。


みなさまから「シンプル」という素晴らしい形容詞でお褒めの言葉を頂く内装も、

実のところ「あんまり凝って作る余裕がなかった」というのが実情でございます汗



そんな状況ですから、今でも手を入れたいなあと思うところがたくさんあります。


すぐに変えるのは無理ですが、何年も何年もかけて、少しずつ少しずつ、

理想のお店に近づけていけたらうれしいです。



数年後のグラースを、皆様もどうぞお楽しみにラブラブ