人間も動物から進化した肉体を持っていますので、美しい女性、自分のハートに響く人を見れば、どんな男性も、「いいなー、この人と付き合えれば幸せだろうな」と思うに違いないと思いますが、社会的なことがありますから、行動に移すかどうかは別ですが。
また、母親の愛情を十分に感じ取れなかった男性は、どうしても心の中に、その代償となるものを求めていると思います。それがないと生きている意味を見出せないように。>
今回はそういうお話です。
男はみな浮気性か
五十才前後と想われる女性が、相談に来られました。
「先生、男の人というのは、一人の女性では満足しないものなのですか。どうして我から次へと浮気を繰り 返すんでしょうか。男の人の性とはそういうものなのですか・・・…。」
「私も男なんですけど・・・。」
「あら、ごめんなさい。」
「男性がすべてそうだ、ということではありませんよ。女性だって次々と男性遍歴をするひとがいますからね。男性の性としては、あなたのおっしゃるように、確かに多かれ少なかれ、浮気心は持っているかもしれません。それは、男性の本来性として、獲物を求め、狩りをして歩くのに対して、女性は大地に立って守り育むといった特色を持っていますからね。しかし男だから女だからではなく、そのように次から次へと異性を求めていくタイプの人は、一人では性欲が満足できないからではなく、自分の愛情不足を補って欲しくて、異性を求めて渡り歩くのです。これは性格の歪みからくる病気のようなものです。あなたのご主人はそういう方ですか。」
「はい、そうなんです。はじめの時は私も、私というものがありながら、と頭にきて大喧嘩をしました。その時は主人も謝って、『わかった、もうやらない』と言いましたので、そのつもりでいましたら、またいつの間にか別の女性と出来てしまっていたんです。
悔しくて『あなたがそういう人なら、私は別れます』と言いましたら『悪かった。もうしない。おまえとは 別れるつもりはない』と言って詫びますから、今度こそ本気かと思っていましたら、またはじまったのです。私にわからないようにやってくれたらよいのに、うちの主人は不器用な人ですから、すぐばれるようなことをやるんですよ 私はいつもこんなことで神経を使っていることに疲れて、この頃は諦め半分でいますけど、主人の浮気癖はいつか収まるものなんでしょうか・・・。」
「ご主人はおそらく、子供の時に愛情不足で育っているんだと思いますよ。自分が愛されていないのではないか、という不安が、つねに潜在意識の中にあるのだと思います。だから次々に女性を求めて、自分がどれほど愛されているかを試して歩くのです。それでも、あなたと別れたくないのは、彼にとってあなたがいなくては困る、つまり母親のような存在で、愛を探し疲れて、帰ってくるところなのですよ。でも彼はこのままでは、一生愛に満たされないままで、人生を終らなければならないでしようね。それは彼が、自分に欠けている愛を、他の人の愛で満たそうとしているからです。人間は様々な体験を通して、自らの愛を成長させていくものなのです。与えることをしないで求めるだけの愛では、その人の愛は成長しないのです。他人から見れば、いつも女の人を追いかけて好き勝手をしているように見えるでしょうが、実は、いつも愛に飢えているかわいそうな人なのです。そう理解してあげて、改めてご主人を見たら、見方もまた少し変ってくるのではないですか。そのうえで、一緒にやっていくか、それとも別れたほうがよいかを、決めたらよいと思いますがね・・・。」
逆縁タイプ
逆縁タイプというのは、お互いが過去世で敵同士であったり、最も仲が悪い者同士が、因縁生の浄化のために結びつくことです。
他人の関係では嫌なことは逃げてしまい、因縁生の浄化がしきれないと、守護霊がみた場合、夫婦や親子の形で二人を結ばせます。逃げ場のない、まるでリングに上った二人のボクサーのように、相手をどうノックアウトするかで殴り合うのです。休憩をはさんでゴングが嗚ると、また猛然と殴り合う。実は一つ殴るたびに一つ、因縁生を消しているのですが、本人同士は相手に負けまいと闘志を燃して、怒りや憎しみをぶつけ合うのですから、一つ消えると同時に、また新しい因縁生をつくっていくことになります。
これが逆縁タイプの夫婦です。
私・・・家出してきました
三十代後半の、色白でなかなかの美人の奥さんでした。
「私・・・家出してきました・・・。」
思い詰めた顔をして、そう切り出しました。
「そう・・・何処から・・・。」
「秋田から来ました・・・。」
「お子さんは。」
「はい、十才と五才の男の子と女の子の二人です・・・。」
「すると、あなたは二人のお子さんを置いて家出をしてきたんですか・・・。
二人のお子さんに対する責任は、お母さんとしてどう考えていらっしゃるの・・・。」
と聞きましたが、黙って下俯いたまま返事がありません。
何故子供を置いてまで家出してきたのか、聞きだした彼女の話をまとめてみますと、望まれて結婚したのですが、新婚旅行のその晩から、自分に気にいらないところがあると、殴る蹴るの暴力がはじまり、時には髪の毛を掴んで雪の中を引き摺りまわす。あまりの暴力に耐えかねて実家に逃げ帰ると、泣いて詫びにくる。仕方なく帰ると、また暴力がはじまるで、十才になる男の子が『ぼくがお父さんをぶっ殺してやる』とまで言った、と、いうことで、話はまことに深刻です。
「話はよくわかりました。あなたもよく耐えてきましたね。あなたが決心して家出してきた以上、まずあなたの落着き場所と働き口が必要ですね。そこで、私の知り合いに料亭のおかみがいるから、そのひとにあなたのことを頼んでみましょう。仕事は大変だろうけど、そこなら部屋も与えてくれるでしょうから、そこで働いて、暫らくしたら子供たちを呼んだらどうだ・・・。」
と、すすめてみたのですが、彼女は良家の娘さんで、嫁にいった先も病院を経営していて、家ではお手伝いさんがいて、お炊事一つ出来ないひとでした。これでは料亭の下働きなど勤まるはずがありません。
私も思いあまって、この女性にはご主人との因縁生がどういうものかを、教えたほうがよいと思い、故村田講師に相談することをすすめました。村田講師は特殊な霊能力をお持ちの方で、過去生の因縁生のありかたもよくおわかりになる方でした。
彼女は親切な会員さんの家に泊めてもらい、市川に在った本部に通い、村田講師はじめ幾人かの講師方に相談し、最後に故瀬木理事長に説得されて、丁度秋田から来た会員さんに連れて帰ってもらいました。そしてそのことを、五井先生にご報告申し上げたところ。
「この女性は危ないよ、家に帰ったら殺されるよ、逆縁だからね・・・。」
と、おっしやいました。驚いた理事長は、急いで秋田の会員さんの家に電話をし、彼女に五井先生の言葉を伝え、家に帰らないようにと言いましたが、彼女はその言葉を聞いて、逆縁で過去世において、私が主人を酷い目に合わせていたのだったら、殺されてもよい、と覚悟したのでしょうか、その日のうちに家に帰ってしまいました。
そのことを再び五井先生にご報告しましたら、五井先生は。
「ああ、そうかい、それでいいんだよ。」
と、おっしやいました。それでは「逆縁だから帰ったら殺されるよ」と、わざわざ彼女に伝えた意味は、どういうことだったのでしょう。
彼女がご主人との逆縁の因縁生を清算するのに十年暴力に耐えてきました。そして家出をすると決断したことによって八十パーセント浄化したのです。そこで五井先生が「逆縁」という言葉で夫婦の因縁生を教え、「帰ったら殺されるよ。」という言葉で、彼女の決断を迫ったのだと思います。ですから彼女が覚悟して家に帰ったことによって、このすさまじい因縁生は乗り越えることができたのです。すべてお見通しのうえで、五井先生はご指導をなさったのです。
それから二十数年ぶりに、私か秋田に出張した時に、彼女が訪ねてきました。昔のことは忘れてしまったような、年相応の一家の主婦としての貫禄を身につけていました。
聞くところによると、彼女のご主人は脳卒中で倒れ、彼女のお世話なしでは生きていられない状態でしたし、息子さんは立派な医者となって病院を嗣いでいるようでした。