ヨーロッパ1日目の朝はいつも爽快である。西へ向かうと時差の影響で1日が長くなり、現地時間夜の結構早い時間にかなり眠くなってくる。結構長い時間寝ているのに、自然に起きたらまだ朝の5時6時というのがザラにある。例によってこの日も早起きだった。我々は基本的に宿の食事は付けないので、近くのパン屋に行ってパンと飲み物を買った。


本来この日の昼にデュッセルドルフに着いて、ケルンに移動する予定だったので、パン屋の帰りにケルンまでの切符を買う事にした。電車の時間を見ると、ケルンへ向かうのに乗る電車が偶然20分後ぐらいに出発すると書いてあったので、パンは電車の中で食べる事にして、急いで駅の隣に取っていた宿に荷物を取りに戻った。フランクフルト中央駅は20番線ぐらいまであって、宿は20番線側の端にあり、電車は1番線から出発する。本当に端から端まで移動しなければならない。

宿のチェックアウトが予想外に時間を要し、宿を出たのが発車数分前だった。さっきの爽快な朝などどこかへ行き、朝から駅の中をスーツケースを転がして猛烈に走ってギリギリ電車に間に合った。


フランクフルトとケルンの間はドイツ版新幹線ICEが300 km/hで走る高速専用幹線があって、それに乗れば1時間ちょっとで着いてしまう。しかしそれでは何とも味気ないので、我々はわざと時間がかかる経路を選択した。当日予約ではその方が安かったというのもあるが。フランクフルトから快速列車で30分程のマインツまで向かい、そこでドレスデン行きの急行列車に乗り換えてケルンまで向かった。




その列車はライン川の横を走って、途中ライン川沿いに建つ古城が見える。さながら世界の車窓からに出てそうな風光明媚な景色である。実は私は2015年の2月にドイツに行っていて、その時買ったドイツ国鉄乗り放題券で乗った電車がたまたまそこを走ったので、景色が良い事を知っていたのだ。妻氏もリアル世界の車窓からを楽しんでいた。




2時間弱でケルンに到着した。ケルンと言えば、ホームに降りた瞬間から見える駅前世界遺産のケルン大聖堂が何と言っても街のシンボルである。




私が2015年にケルンに来た時、カーニバルをやっていて、まさかのケルン大聖堂が閉まっていた。何の為に来たのかとガックリしたので、そのリベンジに来たというわけである。


駅から歩いて行ける宿に荷物を預けて、ケルン大聖堂へと向かった。ヨーロッパに何回も行っていると教会がさほど珍しい物でもなくなってくるが、やはり凄いものは凄い。建物が大き過ぎて1枚の写真に収まりきらない。今回は無事中にも入れた。









ケルンの街自体もそこまで大きいわけではなく、ライン川沿いのドラッヘンブルク城へと足を伸ばした。城と言いつつも、中世のお城をモデルに作った19世紀の邸宅らしい。ドラッヘンブルク城は最寄駅からかなり坂を登る。と言うか、ほぼずっと急坂を登る。心配になる程登る。相当疲れたがアジア人は皆無で、眺めもよくメルヘンな作りになっているので、ケルンから少し足を伸ばして充分に楽しめた。







ちなみに帰りに坂を降りている時、何回もこの坂がずっと続くのか?とか、ここで合っているのか?と聞かれたので、マンキンのYesを返しておいた。


晩ご飯はホテルすぐ近くにあるビールの醸造所直営のBrauhaus FRÜH am Domというレストランに行った。ケルンはケルシュのお膝元の街なので、Frühで良いでしょう?と言わんばかりに当然のように出てくる。しかもわんこそばのように自動無限おかわり方式で、コースターをグラスの上に乗せると終了のサインらしいが、我々はお酒に弱い部類なので、わざと少し残しておいておいたら、好きな時に飲めて自動おかわりも防げるだろうと余裕をこいていると、少し残っていてもしっかり自動おかわりされてひっくり返った。料理は豚肉のビールソース煮、牛肉のタルタル、極太ソーセージなど、いかにもドイツっぽい物を頼んだ。私はビールが全く得意ではないので、正直ビールか〜でも折角来たからと思っていたが、飲んでみると料理に合うし、そもそもかなり軽いので案外飲めた。日本でスーパードライは無理でも、異国の地で雰囲気があればケルシュはいける。



ご飯を食べ終わってもまだまだ空は明るい。少し休憩して夜景を撮影する為に散歩した。やはり欧州の夜は美しい。久しぶりにこの雰囲気を味わえて嬉しかった。