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旅蔵のブログ

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我々がかけた通販の電話。沖縄や北海道や地方につながってるって知ってましたか?
東京の小さな商社をリストラされた理美は、沖縄にUターン 里帰りする。
しかし、働き口はコールセンターしかなかった。いやいや面接に行ったものの、コールセンターの近代的な設備に圧倒され、働くことを決意する。研修がはじまった。役を演じろ、ウイスキーの顔を作れ! など、はじめて聞かされることばかりに戸惑う理美たち。そして、実
務につく日がやって来た。クレーマーにおせっかいおばちゃん、かまってちゃんなど、トラブルにてんやわんや。そんな理美が、会社の代表として「電話応対コンクール」に出場することになる! 手に汗握るコンクールの
結末は? 果たして理美は、日本一になれるのか?
知られざるコールセンター業務をディティールたっぷりに描く、クレーマーにも負けないお仕事小説
読みやすおもしろかったです。コールセンターってこういう仕組みになっていたんだ。

阿川大樹著「インバウンド」2012年7月小学館刊
樹海に抱かれた村で暮らす大輝は、ある日、金色の毛をした不思議な生き物と出合う。
ルークと名付けて飼い始めるが、次第に大輝の体に異変が起きてきて・・・。
「樹海」と「サンカ」をテーマに、摩訶不思議な存在である鼬のようなモノと直接的にも間接的にも関わった人達の話が
独特の感性で語られる。幻想的な世界に誘い込む表題作他「異神千夜」・「風天孔参り」・「森の神」・「夢に還る」の
短編集。妖怪、モノノケ、精霊など神々の世界に誘いこむホラーファンタジー。
個人的には蒙古来襲を扱った、日本に潜む蒙古人に混じって生きている日本人と、次第に集団を統率していく女の話の「異神千夜」が面白かった。過去にあった日本赤軍事件が思い浮かんだ。
2011年11月双葉社刊
所轄署から警視庁本部への転属が決まった西澤は、意気軒昂として桜田門に向かう。だが、所属は期待していた捜査一課ではなく経済事犯を扱う横領や詐欺事件を捜査する捜査二課。
この部署は、同僚をライバル視するエグい捜査員の集団だった。
事件の全体像を示さず捜査情報も出さない二課にあって、新米から経験を積み重ねて一人前になっていくのだが、狡猾で悪事に長けた知能犯を西澤は追いつめていく過程を、事件に関る人間の裏表を、かつてない緊迫感で描いた「保持」
「十二桜」「あたり」「へそ」の4つの連作短編警察小説。
何せ相手は知能犯である。先ずひたすら数字との格闘から捜査が始まる。わずかな情報から通帳やその他の経理資料の分析を行う。気づかれれば証拠を隠滅されて終わりだから極秘で捜査は進行。
しかし証拠を集めるためには人に接触することも必要である。
人間の裏表が暴かれていく中で挫折を繰り返し、人を見る目が鍛えられていく過程がリアル。
人は手取り足取りされての過保護では本当の成長は望めないのだ。
自己の知能を絞り尽くしてもがいている内にいつの間にかレベルアップするのだ。
西澤の出逢う知能犯たちと、西澤の失敗と、それを冷たく見つめているだけのようでいて、実は彼の成長をともに喜ぶ同僚上司たちの姿が上手く描かれて好感。
ただ話がすごくシンプルで比較的あっさりで容易に推理が出来てしまう、展開が平坦でサクサクしすぎているのが不満。
2012年6月双葉社刊