リアルすぎるのに、ロマンティックな青春小説。
地味な眼鏡のオタク男子高校生の笹川勇太は密かに親友の彼女に恋している。ある日、その彼女が置き忘れていったカーディガンを見つけて届けてあげようと手にとるが、つい、そのカーディガンを抱きしめてしまったところを、写メに撮られてしまう。ケータイを手にそこに立っていたのは、クラスのリーダー格の世慣れた美少女、結城あおいだった。
致命的な弱みを握られて、写メを消す条件にいわれたのが「偽の恋人になれ」だった。
パソコン部で趣味はゲームとアニメという本気系オタク男子と、バイトでモデルもするような世慣れた美少女、同じクラスにいても会話したこともなく、決して交わることのなかった二人が、ある目的遂行のために行動をともにする。
立場や視点は真逆でも“世の中の複雑さ”をよく知っているという共通点からか二人の相性は意外と悪くないのだがく・・・・
実はあおいは同性愛で、密かに愛する少女に彼氏ができたので、ダブルデートを目論んでいたのだ。
楽しく一気読み出来ました。二人とも自分の親を反面教師にして「天晴れ」
「ファションは自分のためではなく、まわりへの気づかい。自己満足のお洒落ほど見苦しいものはない」(P55)
「ファッションというのは、自分がどういう人間かというのを一目でわかりやすく伝えるための 手段なんだよ。」(P71)
2012年10月講談社刊
ミステリーホラー。人間の禁忌に触れるおぞましい悪夢。 封じられた土着信仰と、呪われた家系の末裔による人肉食! !
「もともとは、伴侶を亡くした女性を追う番組のはずだった―」
番組制作会社『ル・テスク』ディレクターの紺野美咲は、ドキュメンタリー番組の取材のため、婚約者が遭難死した江田真理のもとを訪れる。しかし、真理は転居した後だった。真理の行方を捜す美咲はやがて、彼女が他人から奪った名前で転居を繰り返していることを知る。そして、その配偶者はすべて事故死を遂げていた……。
保険金殺人を疑い、美咲がつかんだ手がかりは、“クサマ”と呼ばれる呪われた家系にあった。
“クサマ”―それは人間最大の禁忌。愛した人を自分のものとする為に殺して食べる・・・カニバリズムの悪夢だった。
それは、失った悲しみを基に自分の中で再生し永遠に自分のものとするという。忌まわしき血と歪んだ愛情が交錯したとき、恐ろしい悪夢が・・・。
単純に食べるということではなく、食材としておいしくいただいていくという、普通なら吐き気を催すシーンが続く。
他人から見れば幻覚かもしれないけれども、自身の感覚によみがえらせるという理解しがたい感覚だった。
2012年11月 エイ出版社刊
「もともとは、伴侶を亡くした女性を追う番組のはずだった―」
番組制作会社『ル・テスク』ディレクターの紺野美咲は、ドキュメンタリー番組の取材のため、婚約者が遭難死した江田真理のもとを訪れる。しかし、真理は転居した後だった。真理の行方を捜す美咲はやがて、彼女が他人から奪った名前で転居を繰り返していることを知る。そして、その配偶者はすべて事故死を遂げていた……。
保険金殺人を疑い、美咲がつかんだ手がかりは、“クサマ”と呼ばれる呪われた家系にあった。
“クサマ”―それは人間最大の禁忌。愛した人を自分のものとする為に殺して食べる・・・カニバリズムの悪夢だった。
それは、失った悲しみを基に自分の中で再生し永遠に自分のものとするという。忌まわしき血と歪んだ愛情が交錯したとき、恐ろしい悪夢が・・・。
単純に食べるということではなく、食材としておいしくいただいていくという、普通なら吐き気を催すシーンが続く。
他人から見れば幻覚かもしれないけれども、自身の感覚によみがえらせるという理解しがたい感覚だった。
2012年11月 エイ出版社刊
元刑務官作家が書いた女子刑務所舞台の脱獄を軸にしたサスペンス小説。
ある女子刑務所の雑居部屋「七寮六室」で、受刑者が半狂乱になり、突然暴れ出す事件が、立て続けに起こる。
刑務官の結城桐子と看守の小野春香が事件の謎を解こう聞き取り調査中、ある一人の受刑者の存在が浮かび上がって来た。
そしてその模範囚が刑務所の模擬祭典の祭太鼓が轟くなかで脱獄する。48時間以内に脱獄者を確保せよ――
女子刑務所は騒然となった。
異変に気づいていたのは若手刑務官のみ。「白い夢」にアクセス出来る彼女だけが、逃亡先を知っていた……。
いつ、どうやって破ったのか?逃走経路は、行き先は? 。
他者になりきる祭り「境演」や「夢摘み」というあまり聞かれない題材を、登場人物の人生の逸話に盛り込み、夢と現実の境界が崩れていく過程を、巧みにつなぎながらの物語の展開は現在と過去を行き来し、登場人物の生い立ちを洗い出していく。
脱獄者の一人称と関係者の三人称の視点を取り入れ、閉ざされた空間でもがく人間の心理を描きつつ、受刑者の深層意識に、サイコホラーの要素なども加えて、心の迷宮を生々しく描いているのだが、どこまで夢か現かが解りづらい展開で、ラストも混乱のまま終わったようなので自信の読み込み不足なのか釈然としない読了気分だった。
2012年8月 新潮社刊
ある女子刑務所の雑居部屋「七寮六室」で、受刑者が半狂乱になり、突然暴れ出す事件が、立て続けに起こる。
刑務官の結城桐子と看守の小野春香が事件の謎を解こう聞き取り調査中、ある一人の受刑者の存在が浮かび上がって来た。
そしてその模範囚が刑務所の模擬祭典の祭太鼓が轟くなかで脱獄する。48時間以内に脱獄者を確保せよ――
女子刑務所は騒然となった。
異変に気づいていたのは若手刑務官のみ。「白い夢」にアクセス出来る彼女だけが、逃亡先を知っていた……。
いつ、どうやって破ったのか?逃走経路は、行き先は? 。
他者になりきる祭り「境演」や「夢摘み」というあまり聞かれない題材を、登場人物の人生の逸話に盛り込み、夢と現実の境界が崩れていく過程を、巧みにつなぎながらの物語の展開は現在と過去を行き来し、登場人物の生い立ちを洗い出していく。
脱獄者の一人称と関係者の三人称の視点を取り入れ、閉ざされた空間でもがく人間の心理を描きつつ、受刑者の深層意識に、サイコホラーの要素なども加えて、心の迷宮を生々しく描いているのだが、どこまで夢か現かが解りづらい展開で、ラストも混乱のまま終わったようなので自信の読み込み不足なのか釈然としない読了気分だった。
2012年8月 新潮社刊