再生怪獣と3R,4R | 趣味のブログ(空想特撮シリーズ,マラソン,トレーニング,中高年の健康管理など)

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趣味の特撮作品の特撮シーンを中心に思いつくまま気の向くままに書いています。サブ3.5を目標にマラソンのトレーニングを継続中。

先日のTV神奈川にて再放送された帰マン第41話「バルタン星人Jrの復讐」には,タイトル通り,バルタン星人のジュニア個体が登場しました。ジュニアといっても2代目ではなく,過去3代,既に「ウルトラマン」に出演していて,帰マンにジュニアとして登場したのは4代目になります。

 

初代のバルタン星人が登場したのは第2話「侵略者を撃て」でした。その後,第16話「科特隊宇宙へ」にバルタン星人が登場するのですが,初代の着ぐるみは使用に耐えなかったようで新しく作り直され,頭部が鋭角になるなどデザインが異なったものが2代目になりました。

さらに,第33話「禁じられた言葉」に3代目が登場しますが,こちらは2代目を塗装し直して利用,リサイクルしたものであり,2代目に限りなく近いデザインです。

 

バルタン星人ジュニアは4代目であり,デザイン,色彩も過去3代とは異なり,腕のハサミも小さめです。よく知られている「フォッフォッフォッ」という独特の音声でなく,人間的な発声であり,かつてのイメージとは違う印象をもたれたのではないかと思います。

 

帰マンではその後,最終回にゼットンも登場。

登場したのはゼットン「2代目」であり,同一個体ではなく,体格や顔つきなどにも変化がありました。

帰マンではいずれも同一怪獣の再登場ではなく,アレンジを加えています。

 

ウルトラマンA以降,過去の怪獣の「リサイクル」というのか「リユース」は続いていきます。ウルトラマンAでは,ムルチやウー,ウルトラマンタロウにはメフィラス星人やベムスター,ベロクロンが再登場します。

 

新しいものを一からつくるのではなく、既存のもの、過去に使ったものを再び利用することは、概念的には資源のリサイクルにつながると思います。

リサイクルなどの再生循環の考え方に「3R」という言葉があり,リデュースreduce,リユースreuse,リサイクルrecycleの3つのRに関し,優先順位の目安も提示されていますが,この点で、ウルトラシリーズの再生怪獣においては,それぞれの状況に応じて,リユースやリサイクルが進められたと思います。

 

当初,ウルトラマンでバルタン星人が何度も登場したのはおそらくその人気が理由であり,帰ってきたウルトラマンでバルタン星人やゼットンを登場させたのも,その人気にあやかろうという狙いがあったと思われます。

それがだんだんと過去の強敵,人気怪獣ということだけでなく,製作予算の制約や新規開拓の難しさなども手伝って,再生怪獣や過去の怪獣の再登場が増えていったようです。

 

予算の制約という意味では,ウルトラセブンにおいて,怪獣との戦闘シーンを設定しないという,「リデュース」(削減)の取組みを取入れていたようですが,他の特撮番組と競合し始めた第2期ウルトラの頃に戦闘シーンがないということは許されなかったと思われます。

 

着ぐるみ自体は劣化などもあり,そのまま「リユース」(再使用)することは困難であることが多く,実質的には手を加えながら利用する「リサイクル」というパターンが多かったと思われます。

 

3Rという用語は,その後,4R,5R。。。と変遷を遂げていて,リフューズrefuse(拒絶)やリペアrepair(修理して使用)などをくわえていきますが,再生怪獣にぴったりハマるのは5Rの「リペア」かもしれません。

 

しかし修理して登場させたような人気怪獣は「ほころび」が目立ち,もともとの人気怪獣としての美化されたイメージもあり,再生怪獣は全体的に評判は悪く「ざんねんな生き物」になってしまったケースが多いです。

 

平成に入るとウルトラマンメビウスではむしろ積極的に昭和怪獣の再登場、リサイクルを進めていった感があります。デザインも一新され、オリジナルとは異なりますが、その新規性は評価できるところもありました。

 

これまでもリサイクルの現場では常にエネルギー、コスト、エントロピーなどを多角的にみて評価し最善を求める努力が進められてきましたが、いまプラスチック問題がクローズアップされるようになり、一般市民の生活習慣も変革を求められそうです。リサイクルのあり方も抜本的に見直され、新たにどんな社会的枠組みが提示されるのか注目されます。