<頭数優先主義なのか,社員は優秀で何で対応できるという思い込みなのか?>
たびと 大企業のトップ層ほどIT技術者不足に切羽詰まると,IT職だろうが事務職だろうが社員を同じ生産性の一人としてに扱いたくなるのかもしれません。IT部門に技術社員が足らないとなれば,IT部門以外から適性がほんの少しでもありそうだと,IT専門家ではない上司が勝手に判断し,現状余っている社員を簡単なIT教育を受けさせ送り出してしまう。
短善 会社のトップ層からの方針だから,受け入れ側のIT部門は休職中,メンタル不調者など客観的に無理そうな社員以外は受け入れざるを得ない?
たびと その結果,仕事が進まないと困るIT部門側は,人が増えても現在所属社員の中で優秀な技術社員に,今よりもたくさん仕事を与えざるをを得ない状況がさらに進んでしまうのです。
短善 優秀な社員ほど,100時間をはるかに超える残業を優秀な技術者ほどやらざるを得ないことになるのですね。でも,それも物理的限界がありますよね。
たびと そこで,やっぱりアウトソーサ,すなわち御社のようなパートナ会社にも頼らざるを得なくなるのです,しかし,人を増やしておいて,外注費が減らないだけでなく増えるという皮肉な結果になるのです。
<アウトソーサいじめの一因?>
短善 それを少しでも少なく見せるためや予算達成のため,私たちの下請け会社に無理な値引きをしてくるのですね。
たびと N君は,調達部門上司から少しでも多く値引きを調達先に依頼しろと強く言われ,何とか応えようとしているのでしょうね。
短善 Nさんからは値下げ要求は,そんな感じが常に受けますね。
たびと 結局,人が足らないといっても優秀なIT技術者が足らないだけであって,ITができない勤続年数が長い社員が余っているのです。
短善 それでいて,逆にNさんのようなうまく育てれば優秀な技術者になるかも知れない社員を,一人孤立するような仕事をさせ,つぶすということも平気でやってしまうのですね。
たびと まったくその通りです。優秀な技術者やそうなる可能性を秘めた若手をつぶしてしまうのは,ITを理解しない管理者が目先の利益を求め,技術者の育て方も,それに掛かるコストも知らず,興味もなく,人数合わせで無理な仕事をさせるからなのです。
<「IT無知」または「自称IT卒業」管理者が若手ITエンジニアを潰す?>
短善 でもですね。わが社はわが社で別の悩みがあるのですが,技術に優れた社員の多くは口下手でとても管理者になれそうもないように感じます。
たびと 短善さんほど口の上手い人はそう簡単に育たないでしょう?(笑)
短善 たびとさんが,何をおっしゃりたいのかさっぱり意味がわかりませんが(笑),私のことではなく,一般論として要は何でもできるような理想的な社員は簡単に育たないし,どっかに余っているということはまずいないとのご提言ということと理解しておきます。
たびと 競争の激しい大企業の管理者は,技術部門出身者は管理ができないというレッテルを貼り,競争相手を少なくしょうとしているのです。仮にITが詳しくて,管理者としての力量が十分ある社員がいたちすると,自分は完全に見劣りがすることを知っているからなのです。
短善 日本の大企業では,目先の利益や人との調整で昇進していく人が大半で,ITの技術力に秀でた人が「あいつは我々とまともに話もできないやつ」と,みんなで烙印を押し,疎外するようにしているのが実態かも知れませんね。
たびと その面はあります。日本のITを専門としないで設立された会社では,IT関係のエンジニアは一部特殊な分野で働く人で,社会や会社を動かす中心人物になりえないという見方があるのかも知れません。
短善 僕が目指す最新のIT専門企業の場合,将来性どうなのか? たびとさんの見方をお聞かせください。
(12話につづく)