【 大道芸あれこれ:48 】
・ストリートオルガン
との出会い ③
季節は6月。
職場を辞めて3ヵ月程たちました。
大道芸を行うにあたり、
警察が管轄する道路交通法
というものがあり、
路上で人を集めて芸を披露したり
営利目的での興行などは
禁止されています。
これからどこで活動したらいいのか
活動拠点をちょうど模索していた時、
前の職場の目の前に
千秋公園(せんしゅうこうえん)
という秋田市の城址公園があったので、
この公園の二の丸という場所で活動
することになりました。
丁度、この時期は新緑の季節。
お堀に面した中土橋通りにおいて
秋田市の風物詩植木盆栽市が
開かれており、大勢の来客で
賑わっていました。
この時期、運よくストリートオルガンを
保管してくれる施設が確保できたので、
衣装に着替え、そこからストリート
オルガンを受け取り、早速公園へ
向かおうとしたとき、一組の家族連れに
声を掛けられストリートオルガンの演奏を
リクエストされました。
この時は何の躊躇もなく、植木盆栽市が
開かれている目の前でストリートオルガンを
演奏し、ささやかに投げ銭を受け取ると、
のどの渇きを抑えるために買った飴玉を
その家族にお裾分けしてその場を
立ち去りました。
夕方五時を回った頃、二の丸から坂道を
降りて中土橋通りを移動中、険しい顔を
したいかにもヤクザ風の男性数人に
突然取り囲まれ「てめぇナニモンだ!
誰の許可とってここで商売してやがる!」
と恫喝されました。
彼らは事実上、この植木盆栽市を取り仕切る
X組の人間だったらしく、公園に向かう途中
自分がストリートオルガンを演奏して投げ銭を
受け取っていたところを見ていたらしく、
何故か飴売りの業者と勘違いしていちゃもんを
言ってきたのです。
こちらとしては自分は大道芸人として
活動していることを説明しましたが
連中にとってはそんなことは全く関係なく、
物凄い形相で恫喝して圧力をかけてきます。
挙句の果てには「そんなに商売したいのなら
うちら(秋田県外商協会)に入れ」と言われ
ましたが、後に警察関係者に相談したら
外商に入っても大道芸は興行扱いだから
許可は出ない、彼らは暴力団とも関係が
あるから入らないほうがいいとのお話でした。
この年、暴力団対策法として、暴力団の傘下に
入り、資金源として活動する企業舎弟の対策
として組・組織を辞めて堅気になることを
条件に外商組合(露天商組合)が
創設されましたが、ヤクザ気質の抜けきらない
輩も設立当時は大勢いたのでしょう。
帰りに前の職場に立ち寄り、ベンチに腰掛けた
瞬間、膝が震えだし、怖い思いをしました。
あまりの恐怖感が後になって湧き出て、
しばらく時間近く立ち上がることが
できませんでした。
帰り際に名刺を数枚むしり取られていたので、
帰宅後、自宅に連中から電話が掛かって
くるのではないかと不安で眠れない日々が
続いた記憶があります…。
つづく