迷子の奇面族の救出に成功したジャギ夫。
そんな彼の元に一人のハンターが訪れたのだった。
「たまには息抜きも必要だよね……潮風を感じながらまったりするのもいいなぁ……」
今日は受付嬢ちゃんのアイデアで、タンジアの港に来ていた。
先日救出した奇面族(名前はチャチャというらしい)も一緒だ。
「ブッブー!おい子分!オレチャマの昼ご飯はまだか?」
「こんがり肉でいいかな?」
「おぉ!よくやったっチャ!」
僕の渡したこんがり肉をむしゃむしゃと貪るチャチャ。
食べる時もお面は外さないんだね。
そんなことを考えながら、辺りを見回す。
すると、それぞれ太刀と大剣を背負った女性ハンター二人組がいた。
「あのにゃんこほんとめんどくさい。ぴょんぴょんしやがって……弓さえあればなぁ……」
「弓ぐらい作ればいい……僕は太刀を練習したいからこのままだけど……」
「弓用の装備作るのが大変なの!」
なにやら装備について話しているらしい。
それにしても、太刀を背負ってるほうの装備がすごい。例えるなら……狼みたいな感じの防具。
どんなモンスターの装備なんだろう?
「……こんにちは?」
「わっ!?こ、こんにちは……」
気づけば、例の装備のハンターさんが目の前に来ていた。
もう一人も怪訝そうな表情でこちらを見ていた。
すっかり気圧されている僕とは裏腹に、チャチャは気にした様子もなく喋り出した。
「おいお前!オレチャマの子分になれっチャ!」
「僕より強いなら……考える……」
「ブッブー!お前なんかオレチャマの足元にも及ばないっチャ!」
「へぇ……じゃあ、ジンオウガでもいこうか……?」
「そんなちびすけ連れてっても役に立たないんじゃないの?」
なんか、僕だけ蚊帳の外で話が進んでいく……
まあ、一緒に行こうなんて言われても困るし、この方がいいのかもしれないけど。
「自己紹介……僕は零。好きな装備はジンオウX。よろしく」
「私は樽。本職は弓なんだけど、いかんせん装備がね……とりあえず、よろしく!」
僕が考え事をしている間に自己紹介をする流れになっていた。
なので、僕も失礼のないように自己紹介することにした。
「ジャギ夫です」
「ぶふっ!!」
「ジャギ夫……ぷっ……」
僕が名前をいった瞬間、今までクールな感じだった二人がほぼ同時に噴き出した。
ジャギィフェイクの効果は抜群のようだ。
「くくっ……も、もう一回……名前言って?」
「ジャギ夫です」
「ぶはっ!!」
「ま、真顔で言わないで……」
そんなに面白いかな?
まあ、仲良くなれてよかった。
「ところでお二人は何か狩りに?」
「ナルガクルガ……かな……」
「ジャギ夫も……ぶふっ!!」
「あ、僕は下位ハンターなので……」
「なるほど……」
「あ、あははははっ!!ひぃっ!しぬっ!笑い死ぬっ!!」
樽さんはいくらなんでも笑いすぎではないだろうか?
世の中にはファンゴとかモスの格好をしてる人もいるのに。
「おいお前ら!オレチャマを無視するなっチャ!」
チャチャの叫びが酒場に響いた。
『夜に続く』