熊野古道 伊勢路
旅データ;
◆場所:熊野古道 伊勢路
◆いつ:2006年10月8日~9日
◆人数:2人
◆交通手段:電車&バス
季節が抜群の10月連休、どこか気持ちのいい場所にでかけない
手はないと場所を吟味。候補に挙がったのは淡路島、四国、
十津川、そして熊野だった。
熊野古道予習にあるように以前大辺路と中辺路は歩いたことが
ある。高野山も良く行く。個人的には伊勢神宮に行きたかった。
で、つい、伊勢に目が行く。同行人が伊勢には行ったばかりだと言う。
ならば伊勢路にしようということは簡単に決まったが、
一口に伊勢路と言えど、ものすごい数のコースがある。
どこも魅力的で一体どこがいいのかさっぱりで全く決まらなかった。
お互いそこまで詳細に調べる時間もなく、困った私は掲示板に
質問を書き込んだ。そうするとすぐに今回周る峠をお勧めして
下さる書き込みがあったのでエイヤーとそれに決めてしまう。
これが非常によかった。行き当たりばったりでかなりいいように
なった今回の旅。是非皆さんの参考になればと思い、いつもの
ように詳細に記載していきたい。
◆待ち合わせ
行き方を色々と検証した結果、松坂経由の列車で行くのが
時間的にも金額的にもベストであることが判明した。
しかし、松坂から目的駅である相賀までの本数が劇的に少ない。
11:26相賀着を逃すと次は15時台到着の列車しかない
。迷わず待ち合わせを相賀11:26に決めた。
私は大阪から、友人は京都からなので若干電車が異なる。
集合は現地にした。
・・・・・・・ところが、・・・・
意気揚々と地下鉄に乗っている時、友人から怒涛の電話。
「えっ?まさか寝過ごした?」
と一瞬こわばりながら電話に出る。
電話は松坂行きの特急が既に満席で乗れない。
それに乗らねば松坂から相賀行き11:26に間に合わない、
どうしよう!!
という非常にあせった電話だった。
心中お察しする。
とにかく、私は上本町から近鉄特急で行くつもりだったので
近鉄乗り場で確認してから再度電話すると言って電話を切る。
その間、友人は気が気でなかったに違いない。
上本の近鉄がどれほど遠く感じられたことか・・・。
案の定、松阪行きの特急は売り切れていた。
早速友人に連絡する。なんとなく調査段階でバスが松阪から
走っていたような気がしたので友人に「とりあえず松阪まで一番
早くいける方法でお互い行こう」と伝える。
次の特急、友人と電話で喋っているうちに売り切れた。
と思ったら売り切れた原因が友人だった。
その次の特急も既に万席とのことで仕方ないので急行で松阪へ
向かうことになった。こんなに混んでいると思わなかった。
何故かメキシコ人軍団に囲まれ、強すぎる香水にむせながら
本を読んでいた。おしりが痛い・・・と思い出したところで松阪到着。
早速友人に連絡する。友人は切符も渡さず何故か外に出て旅行会社にいた。
旅行会社で観光バス等の案内を聞いていた。
私はさっさと改札からでて三重交通のバスチケット売り場を見つけた。
うむ、予想通り、
これで予定している古道に辿り着けそうだ。旅行会社で友人に合流し、
三重交通へ戻る。馬越峠には確か「鷲毛」とかいうところで降りればいいといわれた。
次のバスが12:55.せっかく松阪にいるので松阪牛でも食べようということになった。
が松阪で降りることは想定していなかったので情報がない。
目に留まった観光案内所で「松阪牛のおいしいところを教えてくれ」と資料を見せてもらう。
お肉の食べれる店が詳しく載ったMAPをもらう。
友人がおいしいと言った店は8000円~だったので辞めた。
リーズナブルに食べれそうな店をチョイスし、歩く。
「まるしげ」だったか?二人で牛鍋を食べた。すきやきのような味付け。
美味しかった。電車が遅れてくれなかったら実現しなかったハッピーだ。
ーー
これ、あとで考えると非常に遅れてよかったのである。
相賀の駅からだと峠の入り口まで歩かねばならないが、
バスなら峠の入り口のまん前に着く。また14:00前という丁度いい時間についた。
これくらいで十分であった。あと後述するがラッキーにも猿が見れた!
そして何より松阪牛が食べれた。これ、相賀まで行ってたらどうでもいいものを食べる
はめになっていたんだろうなと思う。
ーー
もとい、おしゃべりしながらご飯をいただいているともう時間が迫ってきた。
急ぎ足で駅へ戻る。早足すぎて時間が余ったのでバス停でまた色々と喋りながらバスを待つ。
時間通りにバスがやってきた。一番前の席を陣取る。非常に快適なシートに安全運転。
このバスはお勧めです。観光バスより本数出てますし。
きっちり馬越峠の入り口に到着した。
◆馬越峠
二人して峠に入る前にお手洗いに行きたいねということでどこかの店で借りようということに。
バスで道の駅をとおりすぎた気がしてちょっと歩いたがかなり遠いことが判明し、
峠入り口前の喫茶店らしきところで借りようと引き返す。喫茶店の前に辿り着いたとき、
子供の雄たけびのような声が聞こえた。何かと思いきや、喫茶店のおばちゃんが、
「猿よ」と指差す。
(わかりにくいですが)
峠のほうにたくさんの猿の子供が降りてきていて遊んでいた。
「めずらしいのよ、猿が見れるの」
といわれ幸せを感じた。
しばし、猿が戯れているのを見ていたが猿が去っていったので喫茶店に入る。
トイレだけもなんなので一応、飲み物を注文することにした。
私は何を血迷ったのかウィンナーコーヒーなど頼んでしまった。
交互にトイレに行っていると飲み物が運ばれてきた。びっくりするくらいクリームがのっていた・・・・・。
しまった。しかし、エネルギー補給とばかりに全部飲み干していざ出発!
石畳にテンションが上がる。松阪できつく吹いていた風もいつしか止んでいた。
木々と石の織り成す神聖な空間。
まさに神の国日本を思い出す風景と雰囲気だ。
こういうところを歩けば八百万の神がいるような気になる。
こういう風景が日本人の道徳観を高めてきたのかもしれない。
何故か私のたびにはいつも人がいない。
誰にも会わないのが余計神聖さを増徴させる。
割とのぼりも多く適度に入れる休憩時に感じる風とにおいが心地いい。
コースは平坦ではないのでそこそこ疲れます。
夕方に向かう空の色。木々からこぼれる光。贅沢な癒しだ。
かっこいい木があった。思わず見上げて写真を撮った。
このたび一番のショットではないかと思う。
私は木が好きだ。だから古道はたまらなく楽しい。
有酸素運動を続けたせいか汗もかなり吹き出た頃、頂上??(元茶室跡)に到着。
ここから見下ろす街の景色は絶品です。
がんばった後には必ず感動のゴール(結果)が待っている。
やはり努力は裏切らない。
って別にこの古道歩きは努力でも何でもないのですが皆さん、
歩いてください!!
さて、日の落ちないうちに尾鷲駅まで降りねばならない。
十分に景色と達成感と空気を味わって尾鷲駅方面へ今度は下っていく。
このくだりが結構急で、間違ってもこちらから登ってこなくてよかったと思った。
皆様も行かれる際は相賀の方からどうぞ。足が笑い出したところでなにやら
左手に滝があるような看板が。一瞬躊躇したが行くことにした。
ここは是非行ってください。ここがこのたび一番の神聖はポイントだった。
ちょっと歩くと鳥居と滝が見える。滝の横には小さな神様が祭ってあった。
豪華さも迫力もなかったがそこには心を揺らす静かな力があった。
全ての神様に手を合わせて私たちはそこをあとにした。
日本のいいところを見た気がした。
これぞ海外の人に見てもらいたい日本の静かな美であり心だ。
またも我等は駅を目指して下っていく。
このあたりから、ノスタルジックな民家が続く。
そこを抜けると広大な霊園に入る。両手にお墓・・・。すごい風景だ。
あまりにお墓が続くので不安になってかわいい犬を連れた老夫婦に
道を確認して更に先へ進む。大通りに出てはしを渡ったら商店街の
ようなところにでる。ほぼしまっている寂しい商店街を抜けたらやっと尾鷲駅が出てくる。
予定通り、17時台の電車に乗れそうだ。
それにしてもびっくりするくらい寂れている。
ちょっと待ってワンマン列車が到着。自分でボタンを押してドアを開ける。
明日の松本峠等に備えて今日のうちに熊野市へ移動しておくのだ。
ここから大体1時間位か。眠気を抑えて他愛もないことを話しながら列車旅。
ふと外をみるともう暗かった。
VOL2へ続く

















































