![『ノルウェイの森』見る?小説、読んだことある?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
まず、キャスティングはハマっているかたばかりで期待が持てそう。
松山ケンイチ→ワタナベくん
っていうのは、それしかない、って感じ。
松山ケンイチは個人的にかなり好きです。ワタナベくんは決して超典型的イケメンでは絶対ハマらないし、若干の無機質で、浮遊感のある雰囲気がいるけどかつ地に足がついてはいる感は要る、という無茶苦茶注文の多い役柄ですが、それをオールクリアしているのは彼だけと思われる。
菊池凛子→直子 っていうのも素晴らしい、芯が強くてその分ちょっと危うそうな憂いをそこはかとなく漂わせているっていう直子にピッタリ。
緑は……映像見るまで判断保留かな。予告編の印象では何となく緑よりはきゃぴきゃぴしてない感じだったけど。……どうかな。
しかし、映画にちょこっと懸念材料があるのは、原作にはないモノローグ。
基本、作中のモノローグは、原作の文章を踏襲しているようなのですが、モノローグの中には原作にはないものも挿入されている。
「誰も、愛する人を忘れることなんてできない」
このセリフ、ないですよね。たぶん。このセリフに正直ものすごく違和感を感じています。
ノルウェイの森の中の悲しみというのは、実はこのま逆の悲しみのことなのではないのかな。
愛する人を忘れることなんてできない、それはそうなんだけど、渡辺くんが、キズキという親友を失い、そのあと、その恋人の直子を失っていくこの物語では、その失った瞬間の思いがどんどん変質していく。故人に対する思いは時とともにその様相を変え、そのとき、損なわれた自分自身を引きずり、以前とは同じではない彼人への思いを苦しむ免罪府のようなしかし、確かにある傷を引きずり――という悲しみ。
第三者的にみるとすごく潔癖な思いです。こういうメンタリティーって何となく、フィッツジェラルドのギャッツビーを思わせる。恋した女性の愛が完璧でないことを嘆き孤独な絶望に沈む青年実業家ですね。
……と色々言いましたが、予告編全体のイメージはとても良い雰囲気だし、
村上春樹は自身の作品の映像化に大変厳しいというし、期待は結構できそうな。
そういえば、トニー滝谷の映画化は見事でした。てかあれを映画化しようって言うこころみというか気概がすでに見事な気が。
なんにせよ、公開に期待。