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「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」特集ページ中学の頃、友人に真剣に「世の中に魔法がないということがすごく悲しい」と嘆かれました。私はこういう人大好きですw
「いや、魔法はあるよ」わたしがこんな電波な答えを返すと、「ほんと!?みたの!⁈」と目をきらきらさせてきくのです。
...あれ、私どっかでみた気がしたのに...小さい頃...
国語の授業の一時間、真剣に記憶を探り、私が小さい頃みた魔法をようやく思い出したのでした。
※
それは私が小学五年のころ、
何かと疲れやすい子供だった私は、その日も学校で嫌なことでもあったのでしょう。とぼとぼ疲れた面持ちで家路についていました。
家まであと数分というあぜ道で、私は青ざめた位に白い、本当に真っ白い花を見つけました。
鄙びらが五へん、葉の形はすうっとまっすぐ伸びていて、深い深い緑。その鮮やかなグラデーションにひきつけられて私はそこに一時間近くすわりこみじいっと花を眺めました。小首をかしげていろんな角度から覗き込み、そうしているうちに私のけだるい疲れはすっと消えてしまいました。
家に帰って図鑑をみても、それらしい花は見つかりません。
私はそれを友達に話し、友達とみに行くことにしました。
ところが二人でいってみるとあのあぜ道の一角に突如現れた花は忽然と姿を消していました。友達は刈り取られてしまったのだろうといい、私は宝物を奪われたような悲しい思いでいました。
ところが翌日来てみると、またあの花がさきほこっていたのです。
私は今度は誰にも言わないと心に決めました。
翌日その花はまた忽然と消えました。5月のはじめになるといまでもその花を探しますが、二度と見ることはありませんでした。