超久々のエントリです。

昨日、厚生労働省の検討会で、職場の受動喫煙対策の義務化が提言されたらしい。
この関連のテレビニュースで、社員十数人の会社で非喫煙者は2人のみ(つまり、ほとんどスモーカー)という東京都大田区かどこかの中小企業の話を特集していた。さすがに湯沸室(キッチン)の換気扇を動かして煙草をふかすという映像が映っていたので、まあ、各自の机でプカプカやらないだけましである。

だが、これを見ると、昨今のトレンドである「外に出て吸えば」と言いたくなりそうだ。しかしさすがに社員の9割が喫煙者だと、みんなが揃って外に出ると電話受けなど、仕事にならないらしい。
というか、こんなに喫煙率の高い会社があるのか、と思ったら、運送会社だった。
タクシーは最近そうでもないらしいけど、トラック運転手はいまなお喫煙率が高いらしいから。

私もたばこは吸わないし、煙は嫌いだが、それでも多くの嫌煙家が主張するように、有害性だけを理由に世の中から煙草を追放できるほど単純なものではないと思う。というか、多くのブログで見られる煙草追放を訴える「精神論」は、正論すぎるゆえにこわい。危険だ。そういう対立を続けると、宗教紛争みたいに尖鋭化してしまう(というか、もうなってるか)。

現実としては、いきなり世の中かからたばこも愛煙家もなくすことはできないし、社会常識・礼儀・接待上、相手に煙草を吸わせてあげる必要のある場面というのは社会的になくならないのだから、むしろ、「混煙」は当面防ぎきれないという前提にたって、あえて吸わせつつも発煙量を減らす(吸煙技術開発→僅煙)ほうが、ベストより現実的ベター路線として、いいんじゃないだろうか。
その意味で電子たばこや無煙たばこなどに、もっと光があたってもいいと思う。

話は変わるが、いきなり商用車を全部電気自動車にしようったって無理。ならばハイブリッドから…と言うのと同じ、漸進主義の発想である。なんでこれが受け入れられないのかねえ。尖鋭的対立は何も生まない。歩み寄ったほうが実は得るものは大きいのに。

もしそういう、融和的な志向にご興味のある方は、ぜひ下記の本を。
「禁煙にすればするほどけむたくなるニッポン」

偏った主張ばかりがもてはやされるなかで、いいこと書いてると思うよ。
聞く耳を持たない「バカの壁」なんて、まさに耳が痛い!


禁煙にすればするほど煙たくなるニッポン (扶桑社新書)
山本 直治
扶桑社
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分煙 効果なし 受動喫煙被害 完全な除去は不可能/対策は全面禁煙
2008.12.25 08:10

防塵防毒マスクを装着して東海道・山陽新幹線の喫煙車両で煙粒子濃度を測定する産業医大の大和浩教授 受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法の施行から5年半。全面禁煙の施設が徐々に増える一方、「分煙」にとどまる施設や交通機関はまだ多い。喫煙場所を区切っても出入り口などから煙が漏れ、受動喫煙の完全防止は困難。研究者は「『分煙』はもはや死語。被害防止には全面禁煙しかない」と指摘する。(八並朋昌)

 ≪隣の禁煙車両に流入≫

 たばこ規制枠組条約の受動喫煙防止ガイドラインは「完全禁煙以外の措置(換気、喫煙区域の使用)は不完全である」と規定する。

 なぜ、分煙では受動喫煙を防げないのか。

 「実際に測定すると、会社などの喫煙室にある大型空気清浄機でも、たばこ煙の粒子状成分は3分の1にしか減らず、ガス状成分はまったく除去できない」

 受動喫煙対策の厚生労働省委託研究の主任研究者で、産業医大教授の大和浩さん(48)は説明する。

 厚労省指針だと喫煙室は屋外排気が基本で、やむを得ず空気清浄機で対応する場合は十分な換気が必要。いずれも煙の流出を防ぐため、室外から室内に向け風圧がかかるよう求めているが、条件をすべて満たす施設は多くない。


 「それでも喫煙室の外に煙は流れ出す。例えば東海道・山陽新幹線の喫煙車両は、客室内の煙がエアコンによってデッキに排出され、人の出入りも加わって隣の禁煙車両内に流れ込む。この煙粒子濃度は喫煙室で許される上限値(1立方メートル当たり0・15ミリグラム)の半分に達する」という。

 「全席禁煙のN700系のぞみも喫煙室があるため、喫煙室のあるデッキで同上限値の半分以上、隣接する客室内でも4割に達した」。原因は「喫煙室の出入りで扉が開いて流出することと、喫煙後も呼気に煙成分が含まれるため」だ。

 ≪40呼吸まで検出≫

 喫煙者の喫煙後の呼気に含まれる煙粒子は、2呼吸目まで同上限値の67倍の同10ミリグラム、4呼吸目でも2ミリグラム近くあり、40呼吸まで検出される。「1呼吸5秒として3分半は息に粒子状成分が含まれる。ガス状成分は息だけでなく、しみ込んだ服から数時間放散する」

 JR東日本は来春、首都圏駅ホームの喫煙所を廃止して全面禁煙にするが、実施は約200駅限定で、駅構内の飲食店は除外。東京駅では京浜東北・山手線ホーム喫煙所の煙が連絡通路まで流入するなど、利用客の受動喫煙被害は春まで続く。

 産業医大研究員で神奈川県禁煙条例検討委員の中田ゆりさんによると、飲食店では一層顕著だ。「一部が仕切りのない禁煙席の居酒屋で測定すると、混雑時は喫煙席の煙粒子濃度は同上限値の10倍を超え、禁煙席も7倍超。禁煙席がまったくない店だと18倍を超える」。部屋を仕切っても出入り口から煙が流出するため、客席が禁煙でも小規模店では休憩室で従業員が喫煙しただけで、客席の濃度は1・6倍になった。

 「分煙は、多くの人が泳いでいるプールの一部をトイレにするのと同じだ」と中田さんは指摘する。

 ≪喫煙者も「不快」≫

 ファイザーが成人800人に行った意識調査では、「飲食店で他の客のたばこ煙を不快に思った」が非喫煙者の88%、喫煙者でも47%に上る。不快な思いをしたうち非喫煙者の85%、喫煙者の65%が「禁煙席なのに喫煙席から煙が流れてきた」とし、「この店をまた利用する」は22%にとどまる。非喫煙者の81%が「飲食店での受動喫煙被害を気にする」、喫煙者の70%が「自分の煙が周囲に与える害を気にする」と答えた。

 インターネット上で全国の禁煙・分煙飲食店などを紹介する「禁煙スタイル」を主宰する岩崎拓哉さん(28)は「店を禁煙にすれば、成人の4分の3の非喫煙者を新たに呼び込む利点がある。実際に禁煙化した店の22%は売り上げ額が伸び、39%は変わらない。やや落ちたは10%、落ちたは22%にとどまっている」と話す。

 厚労省たばこ専門官の森淳一郎さん(39)は「現実として今すぐ全面禁煙ができない中では、少なくとも段階的努力として分煙を進めるしかない」と説明。大和さんは「分煙に受動喫煙被害の防止効果がないことは実地測定で明白。『分煙』はもはや死語だ」、中田さんも「利用者だけでなく、喫煙場所で働かされる多くの労働者の受動喫煙被害を防ぐためにも、対策は禁煙しかない」と訴える。


分煙が完全でなく、あくまでマシなものでしかないことなんて、わかってるよ。
100%を求めるのか、それとも程度問題で済ませるのか、でしょう。

多くの人が泳いでいるプールの一部をトイレにするというたとえは、明らかに煙草を悪者にするための悪いたとえでしょうね。だってこのたとえは、分煙をしていない状態のことでしょう?


東京メトロ南北線と都営三田線の白金高輪駅(東京都港区)内で運転士のたばこの火の不始末で地下鉄が一時ストップした問題で、東京メトロと都交通局は22日、計162人が指定場所以外で喫煙していたと発表した。問題発覚後、同社と都はすべての運転士と車掌3612人に聞き取り調査していた。

 東京メトロは「1年以内に吸った」とする10人と監督者3人を厳重注意処分にする。他に44人が過去の喫煙を認めているという。都交通局でも108人が喫煙を認めていることから、都は今後、処分の範囲などを決める。

 15日夜、同駅のホームから150メートル離れた折り返し線の脇の側溝から発煙。この影響で南北線と三田線は一時運転を見合わせ、約4万1千人に影響が出た。

(朝日新聞)


なんだかお役所の居酒屋タクシーを思い出すなあ。ただしこちらは人命にもかかわるからやはり話が違う。


てかさ、こういうニュースが出たときに、ケシカランだけでなく、どうして無煙たばことか、もう少し建設的な話にならないのか理解に苦しむ。


中途半端に精神論や禁煙指導に持ち込むほうが危険だと思わないのだろうか。

県は十七日までに、勤務中の職員の喫煙を午前、午後の一本ずつに制限する措置をとった。本庁のほか出先機関の職員を含めた約七千九百人が対象。県民感情などに配慮した上での決定だが、喫煙者の肩身は狭くなる一方のようだ。

 県人事課によると、これまで勤務時間中の喫煙については所属長に断ればよく、本数の制限もしていなかった。しかし、「喫煙で席を離れることが多いと県民の不信を招く。仕事の効率面やたばこを吸わない職員との公平性の点からも何らかの制限が必要」(同課)と判断。三日に開催された庁内の総務課長会議で本数を二本に制限するよう伝達したという。

 本庁で働く職員約三千二百人の喫煙率は18%で、全国平均より8ポイントほど低い。県の施設内は喫煙できないが、屋外なら敷地内でも喫煙できる。

 県は来年の県議会二月定例会で公共的施設での受動喫煙防止のための条例成立を目指している。

(神奈川新聞など)


このブログでも何回か紹介している『禁煙にすればするほど煙たくなるニッポン』という本は、非喫煙者の元公務員が書いたわけだが、公務員の仕事中の喫煙を次のように分析している。


○お役所の喫煙風景が批判されるのは、確かに暇な公務員はいっぱいいるから。


○ただし、きちんと仕事をしている公務員が仕事中に一服するのまで目くじらを立てるのは変。たしかに、窓口業務などをしている人がたばこ離席するのは論外としても、それ以外の「裁量性の高い仕事」→考えてする仕事の人は、思考力・集中力が大事だから、程度問題だが気分転換もあってもよいのではないか。



私が思うに、公務員といってもそもそも残業代なんて満額出てない人もいるし、頭脳労働ではちょっと離席するのが100%税金泥棒とも言えないのではないか。まあ、そう言いたい気持はわかるけどさ。


非喫煙者との不公平さというのも現実的には何とも言えない。席でインターネットで遊んでる人間もいるわけだし。一服しながらひらめきを得ることもあるわけだし。コーヒーを買いに行くのはどうなんだ、とか。考えたらきりがない。どこで線を引くかだ。


そう言う事情を理解せずに、お役所バッシングとたばこバッシングが短絡した、この記事に全面賛成するブログがあまりに多いのでびっくりしてしまった。TBをしたが、おそらくみな激怒しているかもしれない。


私は、厳格すぎる県民感情のほうが問題だと思うのだが。そんなに厳格にやっているとどこかで絶対無理が出るよ…。やはり物事には余裕というものが必要だから。


勤務時間中禁煙は素晴らしい!ということを言う人もいるが、勤務時間中禁煙がどういう結果をもたらすかも、『禁煙にすればするほど…』に書いてあるから、ぜひご覧になっていただいた上で文句を言っていただきたい。


いずれにせよ、非喫煙者が困るパラドックスがあることだけは確かだ。

 15日午後6時10分ごろ、東京都港区の東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線の白金高輪駅構内のポイント付近で、白い煙が上がっているのを三田線の運転士が見つけ、両線とも一時運転を見合わせた。1時間半後までに全線で運転を再開したが、計約4万1000人に影響した。

 警視庁高輪署によると、ポイント付近で10本以上のたばこの吸い殻が見つかった。

 東京メトロなどによると、たばこの燃えかすが発見された当時、まだ熱を持っている状態で、側溝近くにあった。

 ポイントはホームから約150メートル離れ、その付近は車両の折り返し地点で乗務員が行き来する場合があるほか、トイレも近くにあるという。

 東京メトロは「禁煙の地下鉄では、事務室などでたばこが吸える場合もあるが、現場近くにそのような部屋はない。乗務員が吸った可能性があるほか、地上に続く換気口などから流入したり、風で飛ばされてきた可能性なども含めて調べる」としている。

(共同通信等)


なんだかな…嫌煙派は「鉄道員がルール違反して運転に支障をきたしてどうする!」と思うだろうし、


愛煙派は「利用客に禁煙を強いておいてお前らだけこっそり吸ってやがんのか」と思うだろう。


両派から白い目で見られる不祥事でした。チャンチャン。


まあ、外から入ってきてというのは考えにくいよな。