県は十七日までに、勤務中の職員の喫煙を午前、午後の一本ずつに制限する措置をとった。本庁のほか出先機関の職員を含めた約七千九百人が対象。県民感情などに配慮した上での決定だが、喫煙者の肩身は狭くなる一方のようだ。

 県人事課によると、これまで勤務時間中の喫煙については所属長に断ればよく、本数の制限もしていなかった。しかし、「喫煙で席を離れることが多いと県民の不信を招く。仕事の効率面やたばこを吸わない職員との公平性の点からも何らかの制限が必要」(同課)と判断。三日に開催された庁内の総務課長会議で本数を二本に制限するよう伝達したという。

 本庁で働く職員約三千二百人の喫煙率は18%で、全国平均より8ポイントほど低い。県の施設内は喫煙できないが、屋外なら敷地内でも喫煙できる。

 県は来年の県議会二月定例会で公共的施設での受動喫煙防止のための条例成立を目指している。

(神奈川新聞など)


このブログでも何回か紹介している『禁煙にすればするほど煙たくなるニッポン』という本は、非喫煙者の元公務員が書いたわけだが、公務員の仕事中の喫煙を次のように分析している。


○お役所の喫煙風景が批判されるのは、確かに暇な公務員はいっぱいいるから。


○ただし、きちんと仕事をしている公務員が仕事中に一服するのまで目くじらを立てるのは変。たしかに、窓口業務などをしている人がたばこ離席するのは論外としても、それ以外の「裁量性の高い仕事」→考えてする仕事の人は、思考力・集中力が大事だから、程度問題だが気分転換もあってもよいのではないか。



私が思うに、公務員といってもそもそも残業代なんて満額出てない人もいるし、頭脳労働ではちょっと離席するのが100%税金泥棒とも言えないのではないか。まあ、そう言いたい気持はわかるけどさ。


非喫煙者との不公平さというのも現実的には何とも言えない。席でインターネットで遊んでる人間もいるわけだし。一服しながらひらめきを得ることもあるわけだし。コーヒーを買いに行くのはどうなんだ、とか。考えたらきりがない。どこで線を引くかだ。


そう言う事情を理解せずに、お役所バッシングとたばこバッシングが短絡した、この記事に全面賛成するブログがあまりに多いのでびっくりしてしまった。TBをしたが、おそらくみな激怒しているかもしれない。


私は、厳格すぎる県民感情のほうが問題だと思うのだが。そんなに厳格にやっているとどこかで絶対無理が出るよ…。やはり物事には余裕というものが必要だから。


勤務時間中禁煙は素晴らしい!ということを言う人もいるが、勤務時間中禁煙がどういう結果をもたらすかも、『禁煙にすればするほど…』に書いてあるから、ぜひご覧になっていただいた上で文句を言っていただきたい。


いずれにせよ、非喫煙者が困るパラドックスがあることだけは確かだ。