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ヨンは、車を停めると、

座席が濡れているのに気付いた。


破水だ!


後ろの座席をフルフラットにすると、

ウンスを抱いて、横にならせた。


「ウンス?病院まで、もう少しだ!

我慢できるか?」

「うん…」



ヨンは、ヘジンに電話した。


「すいません!お産が始まりました!

破水したようです!」



「駐車場で待機してます!ユックリと

来て下さい!」


「はい!あと10分程で着きます!」


後ろから追って来たサジュナを乗せた


テマンの車がクラクションを鳴らした。




「サジュナか?助かった!ウンスのお産が

始まった」


「旦那様!奥様!このサジュナが

命懸けでお守りします!」


「サジュナ?もう産まれそうなの?

あまり痛くないの」


「はい?ちょっと見せて下さい!」


サジュナは、布をかけると、状態を

見た。


「旦那様!少し停まっていて下さい!

もう、産まれます!」



「は?ここでか?」


「大丈夫でございます。必要な物は、

揃っています。奥様!次にお腹が

張ったら、イキんで下さい!

旦那様は、手を握っていて下さい!」


「ウンス?この子達は、早く俺達に

会いたかったようだ!此処にいるから、

頑張れ!」


「イタッ、ウーン、ウーン」


今迄に無いほど、簡単にスルッと

出て来た。


「旦那様!此処を!」


消毒したハサミでへその緒を切った。


フンギャー!フンギャー!


「元気な男の子です!」


素早く布に包んだ。


ヨンは、座席に戻り、病院へ

急いだ。


「奥様?二人目も、降りてきています!」


「えっ?マジ?」


「マジでございます。」


「あっ、レンちゃんが?」


病院の駐車場に着くと、

スタッフが待ち構えていたが、

二人目が産まれる所だ。


「イタッ、ウーン」


スルンと出て来た。

ヨンがへその緒を切ると


ンギャー、ンギャーと泣いた。


「二人目も男の子でございます!

おめでとうございます。」


ヘジンが慌てて来ると、


「ええーっ!もう産まれたの?」


「先生!子供達を!」


急いで、布に包まれた子供達を

スタッフが抱いて行った。


ウンスはストレッチャーに

乘せられて、ヨンが付き添い、

運ばれて行った。

産室に入ると後処理をした。


待ってる間に、ヨンは、

電話した。


「う、産まれました!」


「えっ?早くない?」


「はい!車の中で産まれました。」


「マジ?直ぐに行くわ!

ウンスは?」


「元気です!おそらく、既にお産が

始まっていて、車の中で破水した時に

もう産まれる所でした。

サジュナが後からついて来てくれて、

取り上げてくれました。

もう一人は、病院の駐車場で

産まれました。二人とも元気な

男の子です!」


「まあ、男の子?

賑やかになるわ!お父さんと、

直ぐに病院に行くわ!」


「はい!」

ヨンは、元気に生まれてくれるなら、

どちらでも良いと思っていたが、

男の子と聞いて、ホッとした。

女の子なら、嫁に出さねばならない!

そんなの絶対にイヤだ!

プンもルンもソンも、嫁になんか

出す気はさらさらないのだ。


後処理が終わって、呼ばれると、

綺麗に洗って、真新しいおくるみに

包まれた子供達がウンスの横にいた。

子を産む度に綺麗になる妻。


「ヨン!」


「ああ、ウンス!良かったな?」



「マジでビックリよ!

車の中で産まれたなんて、

帝王切開まで覚悟してたのに、

本当に親孝行な子供達ね。

レンちゃんのおかげね。」


「ああ。可愛いな!

名前がな、直ぐに浮かんだんだ。」


「何?」


「完璧に現代で生まれた良い子達だ!

完と現…

カンとゲンだ!」


「良い名前ね。

バン、プン、スン、ルン、シン、セン、

ソン、カン、ゲンね。」


「宝物をありがとう!」

とヨンはウンスにキスした。


「サジュナもありがとう!

居てくれて、良かったわ!」


「病院へ向かったと聞き、テマンさんに

車を出して貰いました。

奥様はお産が早いので、間に合って

良かったです。また、気付かなかった

のでは?」


「そうなの。ただ、張る感じだけだったの。

今回はね、年齢も考えて、帝王切開も

覚悟していたのよ?」


「何をおっしゃいますか!

まだまだ三人は産めますよ!

奥様の子宮は、まだまだ大丈夫です!」


「そうね。ウンスさんは、

まだまだ若いわよ!

子供達も問題ないって、主人が

言ってたわよ?」


「オジサンは?」


「手術があって、後で顔を出すって。」


両親がやってきた。


「全く!ウンスは、あくびでもしてる間に

子供を産んじゃうわよ?」


「お母さん!俺もビックリでした。

まさか、車の中で産まれるなんて、

予想していませんでした。」



「本当に、ニュースになる所だったわ!

どれどれ、孫ちゃん達を見せてね。

まあ〜、可愛い!ヨンさんに

うり二つね。見て?お父さん!」


「ほんとだね。しかし、車の中とは。

随分とせっかちな子供達だったようだ。」


「今日は一日、保育器で様子をみます。

明日には、側に連れてこれると

思いますが、夜は母体の事も

考えて、預かります!」


「はい。先生、ありがとうございます」


その夜は、ヨンは特別室の

ソファで眠った。





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久々の連理之枝です。

ウンスのお産が途中だったので、

載せました。

カンとゲンです!ヨ・ロ・シ・ク👶👶