OLYMPUS(OMデジタルソリューションズ)のOM-1。
八戸・三沢と持ち出して、数千枚というオーダーで撮ってきました。その上で気付き事項を書きます。2日間このカメラをメインで撮ってきた結果、現在世の中に出ている「レビュー」記事って、全部根本的なところで違うのではないかと思えてきました。
このカメラは、メニューがいくつあるの、というくらい広範なセッティングが可能で、そこを駆使して、自分の好み、あるいは使いやすい仕様に作っていくものです。今出ているレビューにはその観点が欠けていて、うわあ、いろんなことできるんですね、で、つまらない風景写真とか撮っているものばかりです。違います。そうではありません。
一番着目しているのは、カスタムファンクション4種類の設定が可能であることで、私はこれを現在3種類まで設定しています。
C4(ダイヤルの表示)は「流し撮り」にしました。シャッタースピード1/160秒。手振れ防止機構は上下方向のみ。撮影対象の判別は航空機、フォーカスリミッターは50メートル以遠で設定してあります。流し撮りをしたいときには、ダイヤルをC4に変えればそれを呼び出せます。これをC4にしたのは、普段使うであろう「P」(プログラムオート)から、一番回す量が少ないからです。
C3は「空中の航空機」です。基本的にプログラムオートですが、撮影対象の判別を航空機、フォーカスリミッターはやはり50メートル以遠。これでいったんフォーカスを失っても、50メートル未満の距離にはピントが戻らないので、速く次のピントが合うはずです。
C2は「アイドル」です。これもプログラムオートですが、顔検出設定にして、顔にピントを合わせる、を選んでいます。
これらのカスタムファンクションは、その設定を選択しても、例えばシャッタースピードを変えたい、というような場合にはその操作をすれば変えられます。その結果、そのほうがよければ、同じカスタムファンクションに上書きすることもできます。
八戸・三沢で非常に困惑したのが、連写速度が速すぎて、連写モードで1枚だけは撮れない、ということでした。これがこの旅行でとんでもない枚数を撮らされた一番の要因です。そこもちゃんと考えられており、連写速度は変更できます。これも使っていないと気がつかないところですね。
あとは、ビューファインダーについて、すばらしい追従性があるのですが、どうも画像としてあまりにもキンキラしている感じがあります。これもある程度設定できるようなので、おいおい自分の好みにして行きます。
外観には高い高級感があります。また、各操作系(ボタンやダイヤル)のクリック感も確実で感じのよいものです。シャッター横のダイヤルがとても堅い、という人のブログも読みましたが、幸いにも私のものはまったく問題ありませんでした。
描写性能についてはここまで期待以上です。なんというか、非常に「抜け感」のある写真で、600ミリ相当という超望遠域でも、輪郭・質感ともにすばらしく、目立った歪みもありません。航空機撮影でのシャープネスという点では、もしかするとNikon1を上回るかもしれません。
このように、これは、シャッターを押せば写る、というものではありません。もちろんその使いかたはできますが、そのためにこれを買うのはもったいないの一言です。ただし、自分好みに作って行く、ということを理解できない人が相当数いると思われ、そろそろそういう人が持て余したものが中古市場に出るのではないでしょうか。
少なくとも、写真はスマホで撮るもの、だった人が、新しい趣味として写真でも、というのでこれを買っても、確実に使いこなせません。そういう人たちにはLUMIXのiAオートモードが一番向いていますので、そちらをオススメします。
カメラ下部についているのは別に売られている(純正ではありません)革のハーフジャケットです。カメラをどこかに置いてもキズがつきにくいのとともに、多少なりとも右手のグリップが向上します。
明日はこれと同時に買ったレンズについても、ふれておきたいと思います。