『ゲゲゲの女房』

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監督・脚本　鈴木卓爾
脚本　大石三知子
音楽　鈴木慶一
主題歌　ゲゲゲの女房のうた/ムーンライダーズ feat. 小島真由美

出演　吹石一恵、宮藤官九郎、坂井真紀、南果歩、鈴木慶一、村上淳、柄本佑、宮崎将、夏原遼、
平岩紙、徳井優

（あらすじ）

家の手伝いで婚期を逃した２９歳の布枝（吹石）は
４０歳の茂（宮藤）と見合いをし、５日後には結婚した。

貸し漫画家の茂は戦争で片腕を失っており、恩給もあるので生活は安定している、と
聞いていたのだが、持ち家はあるものの、実際は極貧生活だった。
恩給は実家に送っているのだと言う。
茂の描く怪奇漫画は人気がなかった。
２階には金内（村上）という貧乏絵描きが下宿していた。

質屋通いは日常茶飯事。
野草、パンの耳などを食事に取り入れる生活。
電気も止まる。

とまどう布枝だったが、
彼の手伝いをするようになった彼女は、
次第に茂と同じように「この努力は絶対に認められる」と考えるようになり、
茂のファンだと言う安井（宮崎）や金内に食事を振る舞うようにもなる。

姉の初枝（坂井）はそんな彼女を
「夫を懲らしめろ」と言って自宅に泊める。
極貧の中、バナナを買って迎えにくる茂。
そんな彼に妊娠を告げる布枝。

子供を持つ事に消極的な茂だったが、布枝は「絶対産む！」と言って譲らなかった。

そんな中、大手出版社の編集者・佐久間（柄本）が原稿の依頼に来るが、
「宇宙モノを」という申し出に茂は断ってしまった。

布枝は女の子を出産した。

税務署員があまりに低い収入の申告を疑ってやって来るが、
茂は彼らに山のような質札を投げつけた。

佐久間が再び原稿の依頼をして来た。
社の方針が変わったので、茂の書きたいものを書いて欲しい、という話だった。

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（感想）

ＮＨＫ連続テレビ小説になった作品の映画版。
ドラマ版はほとんど観ていないんだけど、多分あれの半分くらいのところまでが描かれている。
成功を収める手前まで。

・・・だからあまり爽快感もないんだな。

超どメジャー枠の朝ドラで、割と豪華な顔ぶれで製作されて人気を博していたものを
こんなマイナー出演者と、インディーズのようなトーンで映画化するとは・・・
多分、朝ドラ人気が出る前に製作権を手に入れていたんだろうな。
それくらい、両作品は違う。

可笑しな人たちとの人情劇を織り込みながら、貧乏も楽し♪なノリで描かれていたテレビと違い、
こちらはとても淡々とシビアだ。
実際はこちらのほうが現実に近いような気もするけど。

奥さんも明るくなく、８割くらいはどんよりした表情だったので、観ていて辛い。

水木しげる役は宮藤のほうがぴったり来てた。
（ドラマの人気の一因だった向井理は役には若すぎだし、美形すぎ。）
クドカンの汚い歯並び、貧乏ったらしくて理屈っぽそうで、病的なルックスは
初めはとても気持ち悪かったのだが、
映画の最後ではとてもチャーミングな人に見えていた。
彼の表現者としての力量が良くわかった。

基本的にはドラマを観て、気になった人は映画もどうぞ、って感じかな。

テーマ曲がユニーク。

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