その2 未定稿30.4.1-30.5.20改訂(章立てを整理できていないが容赦願いたい)
〔Ⅳ〕国家公務員法上の責任
1【資料:公務員の懲戒処分】
(1)職員は法律で定める事由による場合でなければ懲戒処分を受けることはなく、【公務員の身分保証】になる。【身分保証がある理由は、職員個人のためではなく、行政を法律に基づいて適正に執行する上で、不当な干渉を排除するためである。即ち法律違反や妥当でない処理を強制されることはない。】
(国家公務員法:懲戒の場合)
第八十二条 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項の規定に基づく訓令及び同条第四項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
(2)⇒ 改ざん前の伺い決裁文書に見られる【「国有地格安値引」は、1号の法律違反、2号の職務義務違反になる。】
~即ち前記(ア)の背任罪が成立しないときでも、前記(イ)の法律違反の「任務に背く行為をした」ことにより、財務省組織としては「免職、停職、減給又は戒告の処分」を行うことになる。
〔Ⅳ〕2【資料:人事院、懲戒処分の指針】
(1)(人事院事務総長発)懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職―68)
http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.htm
第1 基本事項
(略)具体的な処分量定の決定に当たっては、①非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか、②故意又は過失の度合いはどの程度であったか、③非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか、④他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか、⑤過去に非違行為を行っているか等の他、(略)非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断する。
(略)標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合として、①非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき、② 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき、③非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき、④過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき、⑤処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたときがある。
(略)標準例に掲げる処分の種類より軽いものとすることが考えられる場合として、①職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき、②非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるときがある。
第2 標準例
1 一般服務関係 (11)入札談合等に関与する行為
【国が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とする。】(略)
(2)⇒ 改ざん前の伺い決裁文書に見られる【「国有地格安値引」を行った職員は、免職又は停職になる。】特に前記の標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることに該当する職員は、免職になる。
~田中事務次官、迫田理財局長が、当事者として関与していれば免職になる。当事者でないときも、下記「5監督責任関係」に該当する。
5 監督責任関係
(1)指導監督不適正:部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給又は戒告とする。
(2)非行の隠ぺい、黙認:部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。
(3)⇒ 佐川国税庁長官(前理財局長)が、減給になったのは(1)の指導監督責任だけである。在任中に国有地格安値引や伺い決裁文書改ざんを黙認したときは、(2)の停職又は減給になる。今回事案の重大さから、標準例に掲げる処分の種類より重くなることはある。
(4)⇒ 田中事務次官、迫田理財局長および佐藤事務次官、佐川理財局長の後任である、2018.4現在の福田事務次官、太田理財局長も、「部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した」ときは、前記5監督責任関係(2)の停職又は減給になる。今回事案の重大さから、標準例に掲げる処分の種類より重くなる。
〔Ⅳ〕3 国家公務員法上の懲戒は、刑法上の処分を待つ必要はない
(1)【資料:人事院規則、人事院規則一二―〇(職員の懲戒)】
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=327RJNJ12000000
(刑事裁判所に係属する間の懲戒手続)
第八条 任命権者は、懲戒に付せられるべき事件が刑事裁判所に係属する間に、同一事件について懲戒手続を進めようとする場合において、職員本人が、公判廷において(当該公判廷における職員本人の供述があるまでの間は、任命権者に対して)、懲戒処分の対象とする事実で公訴事実に該当するものが存すると認めているとき(第一審の判決があつた後にあつては、当該判決(控訴審の判決があつた後は当該控訴審の判決)により懲戒処分の対象とする事実で公訴事実に該当するものが存すると認められているときに限る。)は、法第八十五条の人事院の承認があつたものとして取り扱うことができる。
(2)【資料:国家公務員法第八十五条、人事院の承認】
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000120#W
(刑事裁判との関係)
第八十五条 懲戒に付せらるべき事件が、刑事裁判所に係属する間においても、人事院又は人事院の承認を経て任命権者は、同一事件について、適宜に、懲戒手続を進めることができる。この法律による懲戒処分は、当該職員が、同一又は関連の事件に関し、重ねて刑事上の訴追を受けることを妨げない。
⇒ この「懲戒手続を進める」は処分を実行することだが、それ以前の【職員聴取や処分量定の検討】は、当然進めることができる。
~具体的には前記の人事院、懲戒処分の指針にある【「①非違行為の動機、態様及び結果、②故意又は過失の度合い、③非違行為を行った職員の職責、その評価、④他の職員及び社会に与える影響、⑤過去の非違行為」等】に関しては、人事管理者が当然進めなければならないことである。
(3)【刑事事件の当事者でない職員は、公務員の職責(報告義務)があるので、答えなければ懲戒処分】になる
⇒ 国会の証人喚問、委員会質疑等で、「刑事事件の捜査中」を理由に答えないことがある。(ア)当事者は、黙秘権との関連で有り得る。この場合でも、【刑法上の被疑者の黙秘権と、公務員の職責(報告義務)と、どちらを優先するか、本人の選択】がある。前記の「人事院、懲戒処分の指針」でも、「標準例に掲げる処分の種類より軽いものとすることが考えられる場合として、①職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき、②非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるときがある。」を挙げているが、この受益権を放棄することになる。
(イ)【当事者でない職員】は、国会の証人喚問、委員会質疑等で「刑事事件の捜査中」を理由に【答えない根拠は無い。】なぜなら公務員の職責(報告義務)が有るからである。現役の職員を証人喚問しない運用の前提には、公務員の職責(報告義務)で足りるという解釈がある。答えなければ、それ自体が懲戒処分の理由(職務上の義務違反)に当たるからである。
(4)【財務省は、誰が公文書変造をしたか、報告しなければならない】
⇒ 後記の2018(H30).3.12財務省「伺い決裁文書の改ざんについての調査結果」を公表した後でも、財務省は
(ア)【国有地格安売却】〔背任行為〕を誰々がどのように行ったか、
(イ)伺い決裁文書の改ざん【有印公文書偽造変造行使】を誰々がどのように行ったか、
を全く答えていない。
~報告しないこと、答えないことは公務員の職責(報告義務)違反になり、これだけで懲戒処分の理由になる。前記のとおり、公務員に身分保証がある理由は、職員個人のためではなく、行政を法律に基づいて適正に執行する上で、不当な干渉を排除するためだからである。
〔Ⅴ〕財務省は、調査結果の全てを速やかに公表しないと、【公務員の報告義務違反】になる
1(1)【ごみ量積算の不正行為】と【有印公文書偽造変造行使】
2017(H29).11.22 会計検査院が、土地価格値引の理由になった、ごみ量積算が根拠不十分と指摘
2018(H30).3.2 朝日新聞が、伺い決裁文書が書き換えられた疑いがあると報道
2018(H30).3.9 佐川が、国税庁長官を辞任
2018(H30).3.12 財務省が、伺い決裁文書の改ざんについての調査結果を公表
(2)~財務省理財局において、2017(平成29年)2月下旬から4月にかけて、計14の決裁文書について書き換えが行われている
(3)~この公表文書では、決裁伺い文書の表紙、つまり押印欄を示していないので、誰が協議・審議・決裁に係わったか見えない。押印欄を見れば、誰が国有地値引をしたのか分かる。
→ このとき佐藤事務次官、佐川理財局長だが、前記のとおり、前任者である田中事務次官、迫田理財局長の下で、貸付を止めて即時の売却に転換して国有地値引して、背任行為を行った財務省関係職員が、数人程度で独断で改ざんしたのであれば、佐川が改ざんを知ったのは、前記の朝日新聞が疑いを報道した2018(H30).3.2以降という可能性を否定できず、監督責任だけになる。
(4)2018(H30).3.27 国会が佐川を、証人喚問
→ 証言が紋切り型でまともに答えないことが不評だった。少なくとも証言の様子からは、事案を遡及して解明する姿勢を感じられなかった。
〔Ⅴ〕2 財務省ホームページ
(1)決裁文書に関する調査について
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/search_kessaibunsho.htm
「決裁文書についての調査の結果」平成30年3月12日(月)
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/201803A.pdf
~「昨年(引用者注、2017平成29年)2月下旬から4月にかけて、財務省理財局において、下記の決裁文書について、書き換えが行われていたことを確認した。」~
(2)平成30年3月12日財務省、決裁文書についての調査の結果
○昨年2月に本件が国会で取り上げられて以降、昨年2月下旬から4月にかけて、財務省理財局において、下記の決裁文書について、書き換えが行われていたことを確認した。
1.貸付決議書(平成27年4月28日、5月27日)
2.売払決議書(平成28年6月14日)
3.特例承認の決裁文書(平成27年2月4日、4月30日)
○このほか、主として上記の決裁文書の書き換えの内容を反映するかたちで、残り9件の決裁文書の書き換えが行われており、 計14の決裁文書について書き換えが行われていることを確認した。
・承諾書の提出について(平成26年6月30日)
・未利用国有地等の処分等の相手方の決定通知について(平成27年2月20日)
・予定価格の決定について(年額貸付料(定期借地))(平成27年4月27日)
・特別会計所属普通財産の処理方針の決定について(平成27年4月28日)
・有益費支払いに関する意見について(照会)(平成28年2月25日)
・有益費支払いに関する三者合意書の締結について(平成28年3月29日)
・国有財産の鑑定評価委託業務について(平成28年4月14日)
・予定価格の決定(売払価格)及び相手方への価格通知について(平成28年5月31日)
・特別会計所属普通財産の処理方針の決定について(平成28年6月14日)
(以上)
「決裁文書の書き換えの状況」平成30年3月12日(月)
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/201803B.pdf
「平成30年3月14日付け資料」
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/201803C.pdf
「平成30年3月19日付け資料」
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/201803D.PDF
〔Ⅴ〕3 他の報道例
HUFFPOST
財務省が「書き換えた」森友文書、4つの要点はこれだ。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/12/moritomo-mof_a_23383988/
NHK NEWS WEB
森友学園決裁文書 財務省調査結果 全文書(下記WEBページの最下段)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/moritomo_kakikae/
(補足:この公表文書では、決裁伺い文書の表紙、つまり押印欄を示していないので、誰が協議・審議・決裁に係わったか見えない。押印欄を見れば、誰が国有地値引をしたのか分かる。)
〔Ⅵ〕刑法上の犯罪
1【資料:第247条 背任罪】
刑法の背任罪とは、他人(引用者注、ここでは国民)のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者(引用者注、森友学園)の利益を図り又は本人(引用者注、国民)に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときに成立し、この犯罪を犯した者は五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処せられる(247条)。
背任罪では「他人のためにその事務を処理する者」(引用者注、財務省職員)が行為の主体になることが必要(身分犯)。
背任罪が成立するためには、図利加害目的すなわち行為者が自己若しくは第三者の利益を図ったか(利得犯)、本人(引用者注、国民)に損害を加える目的があったこと(財産侵害犯)が必要(目的犯)。【確定的認識でなくても未必的認識があれば目的ありとしてよい】と解す。
背任罪は「その任務に背く行為(任務違背行為)」(引用者注、ここでは【国有地賃貸売買の特例的値引】)を構成要件的行為とする。
2【資料:第155条 公文書偽造等、第156条 虚偽公文書作成等】
(1)「偽造」とは作成権限がない人物(引用者注、ここでは伺い決裁文書の協議・審議・決定権者等でない、もしくはこれらであっても自分の担当業務外・権限外の部分は作成権限がない財務省職員)が他人(引用者注、他の財務省職員)名義で書類(引用者注、ここでは伺い決裁文書)を作成すること。公務員が担当外の別の人物名義の文書(引用者注、ここでは財務省本省内部の別の部署や近畿財務局の伺い決裁文書)を作成しても偽造になる。
「変造」とは、元々ある文書に手を加え、別の内容にすること。
⇒ 今回の改ざんは、経過記録等の添付資料を大量に削除しているが、「値引という結論が変わっていないから変造ではない」という議論は成り立たない。【公文書は同一性・真正性に意義が有り、一部を変えても変造になる。】
⇒ 更に、【背景を説明する補足資料や、経過記録資料は、意思決定の理由を構成するものであり、公文書の内容になる。】
「行使」とは、これら【偽造・変造された文書を本物の文書として使用し、人にその内容を認識もしくは認識し得る状態にする】こと(引用者注、ここでは開示請求をした人に示したり、国会議員に提出したりになる)。
⇒ 公文書開示請求に対して、変造後の文書を出しているのは「行使」になり有罪。
⇒ 国会からの資料要求に対して、変造後の文書を出しているのは「行使」になり有罪。
(2)公務所や公務員の署名や印章を偽造して公文書を作成した場合は罪が重くなる。
(引用者注、【財務省職員が担当外の伺い決裁文書を差替え・切り貼りしたときも印章偽造になることを否定できない】)。法定刑は「1年以上10年以下の懲役」。
(3)第156条 虚偽公文書作成等の罪とは、その公文書の作成の権限がある人物(引用者注、伺い決裁文書の決定権者であっても、他の協議・審議者等の同意なく行えば、虚偽公文書作成等になることを否定できない)が事実と反する内容と知りながら公文書を作成する罪。罰則は対象になった文書によって変わり、有印公文書は「1年以上10年以下の懲役」。
第156条(虚偽公文書作成等)
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前2条の例による。
第158条(偽造公文書行使等)
1.第154条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第1項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
2.前項の罪の未遂は、罰する。
3【資料:第158条 偽造公文書行使等】
前記の偽造等された公文書を行使(引用者注、ここでは開示請求をした人に示したり、国会議員に提出したり)した場合も偽造公文書作成の罪と同じ罰則になる。
〔Ⅵ〕4 ⇒ 今般の財務省における有印公文書偽造変造行使事件は、次の犯罪に該当する。
(1)刑法の背任罪(国有地値引)を免れるために証拠を改ざんした、刑法の証拠隠滅罪
(2)国家公務員法の懲戒処分(職務義務違反)を免れるために証拠を改ざんしたことによる、刑法の証拠隠滅罪
(3)偽造変造等を行ったこと自体が、行為者の職務上の立場により、刑法の公文書偽造等の罪、虚偽公文書作成等の罪
(4)偽造等された公文書を、開示請求をした人に示した(行使)ことによる、偽造公文書行使等の罪で、偽造公文書作成の罪と同じ罰則になる
(5)偽造等された公文書を、議員の求めに応じて国会に提出した(行使)ことによる、偽造公文書行使等の罪で、偽造公文書作成の罪と同じ罰則になる
〔Ⅵ〕5 【補足:今般の財務省における有印公文書偽造変造行使事件は、刑法に抵触する】
~2018(H30).4. 24「日テレNEWS24」 大阪地検特捜部による任意の事情聴取に、(ア)財務省の複数職員が、佐川前局長の指示で改ざんが行われたという趣旨の説明をしている、(イ)佐川前局長は、改ざんへの関与を認めている、と報道
~2018(H30).4.24産経新聞
(1)特捜部経験のある弁護士「削除された大半が政治家の陳情などを含む交渉経緯であり、契約内容や金額といった核心部分が変更されていない点に着目。「刑事罰に問うほどの違法性があるのかといわれれば疑問がある」」
⇒ 公文書は真正性(本物かどうか)に公益がある。特に、公文書開示請求や、国会における資料要求は、真正性が核心になる。更に「政治家の陳情などを含む交渉経緯」は意思決定の背景、経緯、理由を示す部分であり、決裁伺い文書では核心になる。
⇒ 前記のとおり、該当する刑法犯罪は、第155条公文書偽造等、第156条虚偽公文書作成等に限らず、改ざん後の文書を開示請求した人に示した(行使)、議員の求めに応じて国会に提出した(行使)ことにより、第158条偽造公文書行使等に抵触して、偽造公文書作成の罪と同じ罰則になる。
(2)同じ特捜部経験のある弁護士「(財務省の主張する)国会答弁との整合性を図るという動機も悪質。(約200項目以上に上る)改竄の量から見ても、形式的には犯罪が成立する余地がある」」
⇒ 「国会答弁との整合性」というのは財務省のこじ付け、目くらましで、本当の動機は、前記のとおり、(ア)刑法の背任罪(国有地値引)を免れるための証拠隠滅、(イ)国家公務員法の懲戒処分(職務義務違反)を免れるための証拠隠滅、(ウ)偽造等された決裁伺い文書を、公文書開示して、また国会に提出して、背任行為(国有地値引売却)の経過を隠蔽することにある。
(3)検察幹部「当時の担当局長としての責任を取る形で国税庁長官を辞任した。この点「考慮すべき事情だ」」
⇒ 佐川が、改ざんに関与していなくて、監督責任だけで辞任したならば、国家公務員法の懲戒処分の定量で考慮するかもしれない(人事院、懲戒処分の指針)。しかし、当事者として関与したならば、全く違う。その地位・職責から懲戒免職の可能性が高く、懲戒免職になると退職金は支給されない。任意退職、諭旨退職であれば退職金は支給される。即ち、懲戒処分の決定前に辞職するのは、懲戒処分から逃れた、ということになる。検察幹部の見解は失当である。
(4)特捜部「こうした社会的制裁なども含め、総合的に立件の可否を判断するとみられる」
⇒ 前記のとおり、懲戒処分の決定前に辞職したのは、懲戒処分から逃れて、退職金を受給するためということだ。
⇒ 国会の証人喚問で、刑事訴追の対象者であることを理由に、証言拒否している。在職中の職責にも拘らず、自己保身のために、国民・国会の真相解明要求に役割を果たさなかった。
⇒ 財務大臣は「決裁文書改ざんの財務省による調査結果の公表時期について、捜査の結果を待つ」(2018(H30).4.24共同)とし、検察幹部・特捜部は「辞任を考慮する」とし、どちらも所轄庁の職責に基づく処理を避けて、相互依存・阿吽の呼吸で、より軽い処理を目指しているようだ。
~そもそも、決定後の決裁伺い文書を改ざんして、何の罪にも問われないならば、今後、公務員の業務執行で、都合によりいくら改ざんしても良いことになる。【何のための協議・審議・決裁か、何のための文書保存期間か、何のための公文書開示か、何のための国会審議か。】
~【国民主権、行政の根幹を掘り崩す背任行為に対しては、最も厳しく対処する必要がある。】
【資料:証拠隠滅罪】
(刑法第104条)他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられる。
⇒ 前記のとおり、財務省で、公文書改ざんに係わった職員は、該当して有罪である。
【資料:議院証言法】
「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」
第一条
各議院から、議案その他の審査又は国政に関する調査のため、証人として出頭及び証言又は書類の提出を求められたときは、この法律に別段の定めのある場合を除いて、何人でも、これに応じなければならない。
第四条
証人は、自己又は次に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるときは、宣誓、証言又は書類の提出を拒むことができる。
2 医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職にある者又はこれらの職にあつた者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、宣誓、証言又は書類の提出を拒むことができる。ただし、本人が承諾した場合は、この限りでない。
第六条
この法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
⇒ 第4条で証言を拒む者は、自己が有罪の可能性が相当あると認める自白をしている。
⇒ 他者が有罪になる可能性があっても、証言を拒むことはできない。
〔Ⅶ〕1【今後の解明:国有地値引背任事件の全財務省職員を証人喚問する】
→ 財務省の「決裁文書についての調査の結果」平成30年3月12日(月) にある計14の決裁文書について、決裁伺い文書の表紙、つまり押印欄に関与して、協議・審議・決裁等を行った職員、全員を国会に証人喚問して、順に証言させれば、誰がどのように国有地値引をしたのか分かる。
→ 即ち、国有地値引売却時に在職した、田中事務次官、迫田理財局長の下で、貸付を止めて即時の売却に転換して国有地値引して、背任行為を行った財務省関係職員を証人喚問する。
⇒ 注意するのは、国有地値引売却が主事案で、その後の有印公文書偽造変造行使等は、派生した事案だということである。
〔Ⅶ〕2【今後の解明:有印公文書偽造変造行使事件は有罪で、係わった全員が共謀共同正犯】
⇒ 注意するのは、【国有地値引売却が主事案】で、その後の【有印公文書偽造変造行使等は、派生した事案】だということである。
野党各党は、最も目の前の、最も簡単な相手を、ずっと相手にしたために、大変なミスリードをしているのではないか。与党各党は、意図的にミスリードに誘導しているのか。背任罪、第155条公文書偽造等、第156条虚偽公文書作成等に当たる行為を行った者が、背後に隠れているからである。
〔Ⅶ〕3【今後の解明:政局と絡めないこと】
(1)今、解散総選挙をやっても、自民党すなわち安倍政権が過半数を取ることを、野党各党は自戒をもって認識することが、対応方針の前提になる。
~国民は、野党各党に政権を任せるには頼りないと判断している。安心して任せられるならば、昨年の総選挙で政権交代している。
国際情勢が難しい局面なので、自民党内の首相候補も頼りないと判断されている。
~ただし、事実の解明、是正の結果、退陣に至るのは許容される。
(2)同じく、首相夫人の証人喚問等は、ショーとしては見栄えがするが、政局と絡める意図が見え過ぎて本筋ではない。
~あくまで背任行為を行った財務省職員に、事実の解明、是正をさせるのが本筋であり、行政執行の適正さの将来を左右する。
~ただし結果として、首相夫人の証人喚問等に至るのは構わない。
(3)多くの不祥事が噴出して、あまりの多さに、焦点ぼかしかと疑いたくなるくらいだが。【ひとつひとつ解明して、政策としてどうあるべきか、調査を尽くして、議論を深め、教訓を汲み取り、政策化・法律化して具体的に改善することを国民は期待している。】
~前記のとおり、政局にすることが自己目的化していると受け止められるならば、支持されない。
(4)公明党は、与党に留まる理由を、常に自問しながら、【政局の反対の、政権維持、与党に留まることが最優先ではないこと】【まともな政治を行うことが、重要であること】に立ち返ってほしい。
~戦前戦中は、記録を軽く扱う、大本営発表のような、【事実に基づかない政治、が横行して】【共産主義から、神道以外の宗教や、自由主義まで、弾圧したが】そういう危険は常に有る。
(5)自民党は、今回の国有地値引背任と有印公文書変造を、きちんと懲戒処分をしないで軽く済まそうとしている。かつて日中戦争の開始拡大で、現場の軍隊が、本国の指示無しまたは指示に反して、戦端を開き拡大したにも係わらず、軍法会議のような明確な懲罰なしに済ませ、追認するようなことをした。この結果、現場による戦線拡大を繰り返し、絶対君主である天皇の統制も、国会の統制も及びにくくなった。現内閣は、副総理が言うナチスに学ぶように、法案を束ねたり、既成事実を重ねたりという手法をとっている。将来に禍根を残さないために、完全な解明と厳重な懲戒処分は必須である。
〔Ⅶ〕4【今後の解明:野党各党の役職を持った登場人物を増やすこと】
毎回、同じ党首、幹事長、国会対策委員長などが政府を批判するのを見ていると、発言内容の既視感・人材不足感が強くなる。
⇒ 広報担当副代表、影の内閣財務大臣、国土交通大臣など、役職を持った登場人物を増やして、職務の立場から、自分ならこう進める、というのが良い。この野党には、こんな政治家も居たか、という発見が欲しい。人材豊富を印象付けられるかが、政権交代への王道だ。
⇒ 各党のホームページも、党首だけでなく、役職を持った登場人物の、職務の立場からの発信を増やすのが良い。
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財務省、国有地値引背任および有印公文書偽造変造行使事件を解明して刑事起訴は不可避 その2
https://ameblo.jp/t1997/entry-12377501583.html
財務省、国有地値引背任元理財局長を喚問して、公文書変造行使(国会提出と、公文書開示)は懲戒免職
https://ameblo.jp/t1997/entry-12381617892.html
国有地格安値引のごみ処理に実際いくら掛かったか聞く、即ち財務省の「価格決定は適正」だったか
https://ameblo.jp/t1997/entry-12381872333.html