おはようございます。
一昨日のNHKのテレビで、中国雲南省元陽県の紅河(こうか)の上流にある棚田が、来年世界遺産に登録されるそうです。これを作ったハニ族は、1300年程前から争いを避けてモンゴル地方から逃げてきて、この地域に住みついたそうですが、とにかく凄い棚田ですよ!
1300年前から人力だけで造った棚田が300万枚で、面積は東京ドーム1万個分です。1700人ばかりの村民が面々と続く世襲制で田を守ってきたようです。この地域の下にも上にも色々な少数部族が住んでいるようですが、ハニ族の住むところは標高1600~1800メートルの所です。作業は棚田の草をきれいに取り、棚の修理をしてから田植えをします。日本の田んぼは途中で水を抜きますが、ハニ族の田んぼは刈り入れまで水を抜かずに刈り入れの時に抜くようです。
また、田植えの時にコイの稚魚を各棚田に放流して害虫を食べさせ、刈り入れの時にそのコイをつかみ取りにし、一年間の蛋白源にしているようです。タニシなども取れていました。
刈り入れの時は、親戚や近所の人間が助け合い、共助の精神が1300年の間続いてきたようです。5~6歳の子供も子供用のすきや、くわを持って手助けをしながら覚えていく…人間の営みの凄さを改めて知りました。水牛がいるのですが、刈り入れ後の田んぼを耕す時だけ水牛を使い、後は全部人間の手作業です。6~7月に植えて、11月に刈り入れです。
何より驚いたのが水の確保ですよ、部落の上にある森を残し、その森から出る水が村を通り、生活用水になり、豚の排泄物や洗った野菜などが肥料になって一緒に棚田に流れ込みます…凄い知恵ですね!その量は一日1億リットルだそうですよ。この形態が1300年ですよ!
今、世界中からこのハニ族の棚田が注目されているようです。それは稲作の原点がここにあるからみたいです。全村民が『一つの棚田が壊れたら、全部の棚田が壊れる』との自覚を持っていて、水争いなどは絶対に無いそうです。順番で水管理者を毎年一人置き、その家族の食べるものは全員で負担する…。一つの部落が全部家族みたいに暮らしている、これほど平和な村、人間の営みを久しぶりに知り本当に感動しました。
それに、ハニ族の人達の笑顔が素晴らしかったですよ。自給自足なので、食品添加物を食べないから、皆さん余り病気をしないようで長寿でしたよ。現金収入も必要なので、20~30代の若者は農閑期には出稼ぎに出かけ、必要品を買って暮らしている。高齢者も若い時に全員が体験することだそうです。これは村の伝統ですね。世界中の人間がこの様に平和に生きられれば…。
また書きます。