日中友好環境センターの開設十周年を祝う式典が中国の北京市で開催されました。
私は、環境大臣政務官として我が国を代表して、7月2日の式典に参加しました。
このセンターは、兄竹下登が内閣総理大臣の時に、いわばプレゼントしたもので
完成して早くも十年が経ちました。
今でこそ、中国でも環境問題が大きく取り上げられ、大気汚染・水質悪化などを
めぐって中国当局も真剣に取り組んでいますが、日中友好環境センターを
北京市に建てようという構想を提案した昭和63年当時は、「環境より開発につながる
施設を作って欲しい」という意識が、まだまだ中国国内では強かっただけに、
当時の李鵬首相をはじめとする中国指導部の先見の明に今さらながら感心しました。
式典の挨拶の中で私は、
「日本は環境立国を目指して、環境保護・環境技術・環境教育など、
あらゆる分野で世界に貢献し、少しでもきれいな地球を未来の世代に
引き継いで行く決意であります。地球は私達、今の世代のものではなく、
未来の世代からの大切なあずかり物です」と述べ、今後も日中が
手をたずさえて、地球環境の維持に努力していこうと呼びかけました。
日中関係は政治的側面だけをとらえてみれば、かなり冷えきった関係と
なっていますが、経済交流・民間交流は、年々親しさをましており、
特に環境問題は、十三億人の中国が今後どう取り組むかが、
地球の未来のいわば『鍵を握っている』だけに、引き続き懸命の努力を
重ねるべき課題です。
しかしこの分野は、中国に対する"援助"と考えるべきではありません。
お互いが力を合わせて成果を上げていく"協力"ととらえ、惜しみない支援を
していかなければならないと考えています。