久し振りの、読書感想文です。
私はとにかく、読書が大好きで、多読の乱読。(ちなみに夫は、積ん読、らしいです)
図書館で借りた本、自分で買った本、実家にあった本、などなど、なんでも読みます。
仕事に行っている時などは、重い本は持ち歩きたくないので、家で読み、通勤途中は文庫本を読むので、何冊か併読しています。
たまーに、話がこんがらがってしまいそうになりますが・・・。
3冊か4冊くらいなら、まあ、概ね、問題なく読めます。
今は、仕事に行ってないので、重い本をじっくりと家で読めますが、買い物ついでに、文庫本をバッグに放り込んでおき、何処かでお茶しながら読書タイム、ってこともあります。
先日、何も本を持っていない時に、一人でランチして帰ろう、と思い立ち、その時のお供用に、町田そのこさんの、「52キロヘルツのクジラ」という文庫本を買いました。
本屋大賞を取った本、ということで、気になっていたので。
読みだすと、文章がすっと、身体になじむ感覚で、とても世界に入っていきやすく、すごく気になって、読むのを止められない内容で。
初めて読んだ作家さんでしたが、すっかり魅了され、もう1冊、購入しましたが、文庫本と言えども、最近は結構、高いので、図書館で借りられるものなら、借りたい、と、図書館に。
その時、棚にあったので借りてきたのが、「星を掬う」でした。
内容がどう、とか、全然、リサーチもしていなくて、たまたまあったから、借りて来たのですが。
主人公は、元夫のDVに悩まされ、逃走する先が、子供のころに別れた、母の所。
二十年ぶりくらいで会う母は、若年性認知症に罹患しいて、訳ありの女性たちと同居していた、というところからの物語。
心の傷を持つ、女性たちの人生を描いていて、一気読みでした。
子供のころに別れた母との、心のすれ違いやわだかまり、そこに立ちはだかる、認知症という病気。
最終的に、認知症の母との心の交流もできて、かなり大変な事がありながらも、すべてが明るい方向に向かっていく結末になるのですが、最後の方の、認知症に関して、書かれたページ。
認知症というのは、記憶や感情を自身の奥底にある海に沈める病気だ。本人さえも、その水面は簡単に掬えなくなる。いまの母は、何をどれだけ掬い取れるか分からない。ならばせめて、その手に掬い取れるものが星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。悲しみや苦しみ、そんなものは何もかも手放して、忘れてしまって構わない。きらきらした星だけを広げ、星空を眺めるように幸福に浸っていてほしい。その星々のひとつに、わたしとの記憶もあったら嬉しいなと思う。
ここを読んだら、涙が止まらず・・・。
私のお母さんも、そうであってほしい。
私との記憶も、星の一つであって欲しい。
出会えてよかった、と思える本でした。
午後から、近所の公園を散歩。
今日は暖かくて良い気持ちで歩けました。
母も、春になったら少しは気持ちよく過ごせるのかな。
次回、また会えるのは3月になりますが、笑顔で会えたらいいな、と思います。