こんにちは。竹谷とし子です。

 

2022年4月26日、政府の男女共同参画会議において、「女性デジタル人材育成プラン」を決定しました。

 

本プランに基づき、今後3年間集中的に、関係府省が連携して女性デジタル人材の育成に取り組むことになりました。

 

政府のこの政策は、公明党が2021年衆議院選の公約に掲げた「女性デジタル人材育成10万人プラン(仮称)」が元になっています。

 

公明党が掲げた10万人というのは、「まず」10万人という意味です。

 

今回、政府が、10万人以上育成する、という意気込みをもってくれました。

 

したがって、プランの名称には10万人はあえて入れないことになりました。

 

3年後に、増えた人数をマクロ的に検証することになっています。

 

公明党の女性デジタル人材育成プラン

 

「女性がよりよい就労ができるように後押してほしい」

「子育てや介護がありフルタイムでは働けない」

「地方で就職先がない」

「対面が苦手で外に仕事に行けない」

「在宅のフリーランスで時給換算すると300円位にしかならない」

 

公明党女性委員会は2020年から、草の根で女性の声を聴く「ウイメンズトーク」運動を行いました。

 

対話する中で、経済的な困窮や将来に対する不安の声が寄せられました。

 

コロナ禍では、非正規雇用で働く多くの方が失業や減収を余儀なくされました。

 

とりわけ、女性が、男性よりも、大きな影響を受けました。

 

一方で、デジタル分野の仕事は、コロナ禍にあっても成長しており、人手不足です。

 

希望する人が、デジタル分野に労働移転できるようにもっと後押しできないか。

 

未経験の人も挑戦できる、女性デジタル人材育成を政策にしてほしい。

 

一人の女性から声をいただきました。

 

自分自身も、議員になる前の社会人経験で、デジタル分野の仕事に転職したことがありました。

 

苦労はありましたが、運良くさまざまな機会を与えられ、働かせていただくことができました。

 

その経験から、意欲と適切なトレーニングを受ける機会と、サポート、OJT(On the Job Training 実際の仕事を通じて教えてもらう)を政策的に支援できれば、働ける可能性は広げられる、と思いました。

 

それとともに、女性がもっと活躍するには、もうひとつ乗り越えるべき大きなハードルがあります。子育てや介護で時間的にフルタイムは無理、あるいは、通える場所に企業がない、そのような理由で、働くことを諦めている方々が沢山いらっしゃいます。働けるようにするには「時短・テレワーク」の仕事という「出口」づくりが必要です。そのために、働き方改革をしてくれるデジタル分野の企業の協力が不可欠で、そのための施策も必要です。

 

このように、教育訓練、OJT、時短・テレワーク等、盛り沢山の課題を解消する必要はありますが、決して不可能ではない。

 

これが実現すれば、「三方よし」の政策になると思いました。

 

今困っている人が成長分野で仕事ができるようにするための「人への投資」。

 

それは、ばらまきではなく、種まきです。

 

仕事に困っている方の収入が上がり、人手不足の解消にも役立つ。

 

抑えられていた消費が喚起されて、経済的に波及する。

 

働く人が増えれば、年金、医療、介護、子育て、福祉、教育、インフラなどに回せるお金も増える。

 

大事な税金の使い途として、大きな価値があります。

 

このような考えから、女性デジタル人材育成プランを、党の政策にすべく活動をスタートしました。

 

関係府省庁も多く、調整が難航することが容易に想像される政策でしたが、公明党女性委員会、デジタル社会推進本部、内閣部会合同で、時には青年委員会と合同で、政府の施策を聞いたり、官民の先行事例の調査を重ねて、先輩・同僚議員とともに議論しながら、粘り強く、女性デジタル人材育成と就労に必要な政策を立案してまいりました。

 

その中で学んだ民間の取組で、仕事に直結するトレーニングと、デジタル分野の企業がCSR(企業の社会貢献)の一環として就労機会を提供している枠組みがあり、比較的高単価でテレワーク・時短で仕事に就いている事例があることがわかりました。コロナ禍で、テレワークが主流になっているという背景もあります。また、自治体が主体となって、時短で働ける環境を、女性や障がいある方々に提供している先進事例もあることがわかりました。

 

これらの取組が広がるように、政策として大きく後押しできれば、働きたいけれど働けず困っている方々の一助になると確信しました。

 

そして、2021年衆院選の公明党の公約に掲げることになりました。

 

閣議決定文書に女性デジタル人材育成を明記

 

公明党が掲げた女性デジタル人材育成プランが、政府文書に最初に反映されたのは、2021年12月24日に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画です。

 

この中の113頁から人材育成に関する記述がありますが、「女性デジタル人材育成の推進」の項目は、公明党が強く要望して、追加したものです。

 

並行して、山口代表石井幹事長がそれぞれ代表質問で、竹内政調会長が予算委員会で、党幹部が相次ぎ女性デジタル人材育成10万人プランの推進を求める質疑を行い、党として政府の対応を求めました。

 

また、公明党の勉強会をさらに重ねて、省庁バラバラの政策を一元的にまとめることや、政府の正式な会議体でプランを策定することを関係府省庁に求めてきました。

 

政府が女性デジタル人材育成プラン策定に動く

 

そして、2022年2月15日に、計画実行・監視専門調査会で、政府として、女性デジタル人材育成プランを策定することを発表するに至りました。(志高い有能な官僚の方々が動いてくださったおかげです。その方々がいなければ進んでいません。感謝しています)

 

尚、ここで、基本的な考え方として引用されている文章も、公明党が提案して、デジタル社会の実現に向けた重点計画に盛り込まれたものです。

 

「女性デジタル人材育成プラン」の策定についてより

 

○基本的な考え方

「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和3年 12 月 24 日閣議決定) 第6 6.(2)② エ 女性デジタル人材育成の推進(抜粋)

 ・新型コロナウイルス感染症の影響やデジタル化の進展に伴う経済・産業構 造の変化を見据え、デジタル人材のジェンダーギャップを解消し、女性人 材の育成や成長産業への円滑な移動支援を図っていくことが重要である。

 ・学校教育段階からの取組のほか、女性に対するデジタル分野のリカレント 教育の機会提供・就労支援を行うとともに、育児・介護等でフルタイムの 仕事が出来ない女性も時短・テレワークでデジタル就労ができる環境を 整備する必要がある。

 

この調査会で、公明党が調べてきた先進事例の共有もはかられ、プラン策定に向けた作業が本格的にスタートすることになりました。

 

並行して、公明党として各議員がさらなる国会質疑や、要望等を重ねました。

 

そして、その内容が、4月26日に発表されたプランの中に反映されました。

 

尚、女性デジタル人材育成プランでは、デジタル分野の就労経験のない方々や、育児や介護などで時間的制約がある方々などが、デジタルスキルを活かして就労できるようにするために、公共職業訓練をはじめとした教育訓練の充実や、テレワークや時短就労の拡大を促進する政策などを進めていきます。

 

したがって、その効果は、女性に限定されず、同じような環境にある男性の就労機会の拡大にもつながります。また、男女問わず高いスキルと経験をもつ高度人材であっても、長時間労働や硬直的な職場環境が理由で離職する人もいます。女性に視点をおいた働き方改革が広がり、CSRに力を入れる企業が主流になれば、皆にとっても、働きやすい環境になっていくと思います。

 

さらに、障がい者就労の支援策とあわせて、障がいある方々の就労機会の拡大にもつなげられるように、関係者の方々のお声を伺いながら連携していきたいと思います。

 

今後、実現に向けて、やるべきことは、山積しています。

 

既存の政策を活用して進めつつ、政策の中身も、現場のお声と環境変化に合わせて成長させていく必要があります。

 

デジタル分野は変化が速いです。

 

ようやくスタート台に立ち、いよいよ、これからが正念場です。

 

公明党の政策創造力とネットワーク力を生かし、国と地方の政策を総動員して、デジタル人材の育成から就労までを力強く後押ししてまいります。

 

早速、5月2日に、公明党女性委員会とデジタル社会推進本部で、プランについて、国会・地方議員で勉強会を行いました。

その様子は、また別のブログで書かせていただきたいと思います。

 

拙文を最後まで読んで下さりありがとうございました。

 

(宜しければ、昨年のブログ女性デジタル人材育成10万人に向けてもご覧下さい)