小唄備忘録500番ーその186「何事も(髪結新三)」 | 江戸小唄と三味線のブログ

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「梅雨小袖昔八丈(髪結新三)」の芝居小唄です。


この唄は、新三の住む長屋で、新三が拐かした白子屋の一人娘お熊を取り戻そうと、一枚上手の長屋の大家が、小判を並べて掛け合っている場面で、セリフを織り込んでいます。


★お聴き頂けます⇒

 


 


解説:「何事も言わぬが花の山吹や」は、山吹色の小判で解決しようという意味です。

 

「黄八丈」はお熊の着ていた着物で演目の外題にもなっています。


「拾両に五両で~」は、大家が三十両で約束しながら半金の十五両を数え並べ渡して、あとは新三が買ったばかりの「鰹」を「片身(半分)はもらっていくよ」と、仲介手数料として三十両の半分の十五両分をせしめる処です。


「名も入墨の藍あがり」は、新三が上総無宿の入墨新三であることを匂わせています。入墨の藍色と浴衣の藍の模様をかけています。


河竹黙阿弥作の「梅雨小袖昔八丈」の物語は上記だけではありませんので、検索等でお調べください。


昭和十年 吉田草紙庵作曲 英十三作詞。

 

画は豊原国周「梅幸百種之内 髪結新三 白子やおこま中村福助」です。

写真は2011年新橋演舞場で尾上菊五郎の髪結新三(中央)です。


小唄備忘録500番―その186「何事も(髪結新三)」(2分1秒)