小唄備忘録500番ーその185「空や久しく」 | 江戸小唄と三味線のブログ

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初夏の候、雨にけむる青柳を眺めて、ふとした気まぐれから結ばれた自分を、もつれた柳の枝に例え、先々の案じる気持ちを唄った小唄です。

 

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解説:なだらかな節付けですが、「空や久しく~」が薗八節(特徴はひと言で、哀艶さ)、「降らるる~」が一中節(渋み)、「濡れて~」が清元節(高音で抑揚・粋)を採り入れています。

 

「青柳の糸」は、しだれた枝を糸に見立てていますが、転じて乱れやすい心を例えています。

「降らるる」「雲らるる」「晴れやらぬ」は、文法的な曖昧さと響きのよい語感が相俟った面白さがあります。

 

明治期、一中節の都以中作曲とされています。

 

小唄備忘録500番―その185「空や久しく」(1分48秒)

 

画は、鈴木晴信「柳」です。